天敵山本昌の前に打線が沈黙。福原も再三のピンチをよくしのいで６回まで０−０という投手戦となった。しかし、均衡を破ったのはドラゴンズ、森野。７回表、センターバックスクリーンに飛び込む先制ホームランを放つ。続く谷繁の二塁打を山本昌がパントで送るが、福原は三塁に送球しセーフ、フィールダース・チョイスでピンチを広げる。荒木のショートゴロの間に谷繁が２点目のホームを踏んだ。その裏、２死満塁のチャンスで藤本が高いバウンドのサードゴロを打ち、これが内野安打となって１点を返した。しかし、頼みのシーツが凡退し、逆転のチャンスは消えた。８回表、江草が四球を連発して押し出しで１点取られ、１死も取れぬまま橋本に交代。谷繁の犠牲フライでさらに追加点を奪われた。９回表にはダーウィンが来日初登板。渡邊に２ランを打たれてほろ苦いデビュー。タイガース打線は７回途中から石井、岡本、岩瀬のリレーで逃げ切られてしまった。
◎ドラゴンズ５回戦……６−３
故障者がでた。下柳がふくらはぎ痛で登録抹消。藤本は左太股肉離れで全治１ヶ月。下柳は軽症で５月はじめには一軍に戻るようだが、藤本は重症。代役に関本がいてくれてよかった。
先発は急遽一軍昇格の筒井和。２回表、Ｔ・ウッズのホームランで、３回表にはアレックスへの押し出し死球で２点を奪われ、降板した。４回表を橋本がきっちり抑え、その裏にドラゴンズ先発の朝倉を攻略だ。矢野、鳥谷の連打でチャンスを作ると、代打町田がレフト前にタイムリーでまず１点。赤星がヒットで続き満塁に。関本のショートゴロで赤星は二塁封殺。しかし、赤星の激しいスライディングで井端が一塁へ悪送球し、２者が一気にホームインして逆転だ。５回裏には四球の桧山を一塁に置き、矢野がセンターバックスクリーンへ２ラン。江草、藤川とつないだ後、７回にはウィリアムスが福留のタイムリーで１点失ったが、その裏、石井から金本を三塁に置いて矢野がライトへだめ押しの犠牲フライを放つ。９回には久保田が登板し、３者凡退でしとめて首位まで１ゲームと引き戻した。勝利投手は橋本。嬉しいプロ入り初勝利である。ここまでフル回転の中継ぎで投げてきた甲斐があった。
この試合は私は甲子園で見ていたのだが、選手たちが自信を持ち、いきいきとしていた。まさか、この翌日から連敗街道が待ち受けていようとは……。
◎ドラゴンズ６回戦……８−９
楽勝のはずだった。ドラゴンズ先発落合から３回裏にシーツの二塁打で赤星が帰り先制、今岡もセンター前に弾き返してさらに２点を追加。４回裏には赤星のタイムリー二塁打、関本、今岡のタイムリーで６点差に広げた。井川は５回表にＴ・ウッズの犠牲フライで１点を返されたが、その裏に久本から押し出しの四球で１点を奪い、６回裏には井川の押し出し四球で８−１とした。７回表、井川が突如崩れた。先頭の沢井を歩かせ、井端、立浪、Ｔ・ウッズの３連打で３点を失い降板。橋本はアレックスをセンターフライに打ち取ったと思ったら、なんと赤星がこれを後ろに弾くエラー。３点差にまで詰め寄られ、早々とウィリアムスを投入した。８回表、そのウィリアムスが先頭の谷繁を歩かせ、井端にタイムリーを打たれる。立浪をサードゴロに打ち取ったと思ったら、途中から守備固めで三塁を守っていた沖原がこれを後ろに弾き、ランナーをためる。Ｔ・ウッズのところで久保田を投入。なんと逆転の３ランがセンターバックスクリーンへ。ドラゴンズは平井、岡本、岩瀬とつないで逃げ切った。完投ペースの井川が突如乱れ、準備不足のリリーフ投手を早め早めに投入しなければならなかったのが敗因だろう。こんなていたらくで大リーグ云々を口にしていたとは。嗚呼！
◎スワローズ４回戦……１−２
２回表、スペンサーが藤井から先制のソロホームラン。しかし、そのあとはボール球に手を出して凡打の山で、あっぷあっぷの藤井を助けてしまった。安藤は４回裏に、土橋に同点タイムリーを浴びる。追い込んでおいて勝負を急いだ失投であった。６回表、ラミレスに決勝のソロホームランを打たれ、悔しい敗戦。安藤はよく投げた。打線は、チャンスを作っても肩に力が入りタイムリーを打てない。前夜のショックがまだ残っていたのか……。
◎スワローズ５回戦……２−５
杉山と川島の投手戦で始まったが、５回表、シーツのタイムリーで先制。金本もヒットで続き、今岡のショートゴロの間にさらに１点を加える。しかし、そこから後が続かなかったため、杉山が守りの姿勢に入ってしまったのか。その裏、ユウイチのショートゴロを鳥谷がエラー、青木がヒットで続き、岩村は高めの球をライトスタンドへ運ぶ逆転３ラン。６回裏には藤川が土橋のタイムリー二塁打で、７回裏には江草が鈴木のタイムリーでそれぞれ１点ずつ失い、勝利から遠のいていく。打線は、あれ球で球道の定まらない川島に手を焼き、四球を選んでランナーをためても次の打者がボール球に手を出して助けた。６回以降は山本、佐藤賢、吉川、石井の小刻みなリレーで逃げ切られた。タイガースはこの試合で３位に転落し、カープに２位の座を譲った。
◎スワローズ６回戦……１−５
能見は初回にラミレスにタイムリーで先制を許し、３回裏には岩村と鈴木の２塁打で４失点して降板。タイガース打線は高井のボール球に手を出し、ランナーは出しても後続を断たれてはチャンスをつぶす。調子のよくない高井を７回途中まで投げさせてしまった。その７回表、関本のタイムリーでついに１点を取って高井をマウンドからおろし、吉川からもシーツがヒットで続いて一気にいけるかと期待されたが金本が凡打に終った。あとはこの試合から一軍に復帰した五十嵐、そして抑えの切り札石井にきっちりと抑えられてしまった。タイガースのリリーフも橋本、吉野、江草がスワローズ打線を抑え切っていただけに、序盤のチャンスをことごとくつぶした打線の苦しさ、特に、３回には赤星が盗塁死、５回には沖原が赤星のライトフライで飛び出してしまい帰塁できず併殺と、選手の焦りからくる凡ミスが目についた。タイガースはこの試合で５割ちょうどに、スワローズはカープと同率の２位に浮上し、タイガースは４位に。
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