バファローズとの関西ダービー第２弾は、神戸スカイマーク球場と大阪ドームでの３連戦。みごとに３連勝を飾る。甲子園に戻ってファイターズ戦。２勝１敗と勝ち越した。５連勝して一時は「貯金」も今季最多の９となった。３４勝２６敗３分で堂々のセ・リーグ首位。２位スワローズには２ゲーム差をつけた。疲れの見えた矢野を、故障しかけているという理由で外して浅井に先発マスクをかぶらせ、疲れを取らせたのも大きい。なにがなんでも矢野という起用法ではやはりきつい。そこらあたりのさじ加減を岡田監督が見せるようになってきた。鳥谷の２番起用もうまくいっている。この調子が続いてほしいものだ。
沖原佳典内野手が、ゴールデンイーグルスの前田忠節内野手との交換トレードで東北へ移った。タイガースでは出番に恵まれなかったが、実力的にはスタメンでも使ってみたい選手だっただけに、チャンスのあるチームへの移籍ということになったのだろう。さっそく好守あり好打ありで「お立ち台」にも立っている。新天地でのさらなる活躍を祈っている。
◎バファローズ４回戦……４−２
バファローズの先発は２試合連続先発となる萩原。これぞ仰木マジックか。初回、その萩原から赤星が四球を選び、盗塁。シーツがセンター前に弾き返して赤星を迎え入れ、先制。対するタイガースの先発は今季初先発の前川。３回裏、２死から３連続四球で押し出しと同点に追いつかれる。ベンチは早々と前川に見切りをつけて橋本を投入。この決断が実を結んだ。北川をセンタフライ打ち取った橋本は、６回まで投げてバファローズ打線を得意のチェンジアップで翻弄した。その好投に応え、５回表、２番手の吉川から１死二三塁のチャンスを作り、シーツがレフトに犠牲フライを打ち、再び勝ち越した。シーツの前の鳥谷がバントをうまく決めたのが大きかった。さらに６回表には三番手の香月から矢野のタイムリー二塁打と藤本のセンター前タイムリーで２点を追加。橋本は６回裏に自らのエラーで作ったピンチから１点を失うが、７回からは藤川、ウィリアムス、久保田の必勝リレーでみごとな逃げ切りを見せた。スカイマーク球場の花火は、タイガースの白星をたたえるかのようだった。
◎バファローズ５回戦……８−４
準フランチャイズの大阪ドームに移動し、先発杉山が６回までほぼ完璧な内容でバファローズ打線を抑えると、タイガース打線はそれに応えて新人光原から濱中が復帰後第１号となるソロホームランで先制。５回表には矢野もソロホームランをレフトスタンドに叩き込み、リードを少しずつ広げていく。７回表、先頭の矢野がヒットで出塁すると、仰木監督は光原をあきらめて香月にスイッチ。鳥谷のライト前タイムリー、三番手近藤から金本がレフトへの犠牲フライで４点差に広げた。しか、７回裏、谷と阿部真にヒットを打たれて降板、ウィリアムにバトンを渡した。ウィリアムスは早川のタイムリーで１点を許したものなんとか抑える。８回裏には藤川が登板して必勝リレーと思われたが、まさかの乱調。先頭のブランボーの一塁ゴロをシーツが緩慢な動きで弾いて出塁されてしまうと、後藤の二塁打などで満塁に。北川にはセンター前のタイムリーで２点差に詰め寄られ、阿部真を併殺に打ち取って一息ついたが、塩崎にライト前にまさかの２点タイムリーを打たれて同点に追いつかれてしまった。９回表、マウンドには加藤が。先頭の鳥谷がヒットで出塁すると、シーツ、金本と続いてヒットを放ち、満塁に。そし打席には今岡。真芯でとらえた打球はレフトスタンドにはいる満塁ホームラン。最後は久保田がヒットを打たれながらも０点に抑えて逃げ切り、劇的な勝利をものにした。勝ち投手は同点にされた藤川だが、ここまでよく投げてきたご褒美の白星だったのかもしれない。
◎バファローズ６回戦……４−０
先発は福原だが、受ける捕手は浅井。大胆に速球を要求するリードでヒットは打たれながらも要所を締め、バファローズ打線を完封した。バックもよく守り、特に鳥谷と藤本の二遊間コンビの動きのよさが目についた。前回抑えられたＪＰから、初回に死球の赤星が盗塁、シーツが四球で出塁し、金本は強烈な二塁ライナー。後藤に好捕されたが、帰塁の遅れたシーツを一塁で刺そうとして悪送球し、赤星は労せずして先制のホームを踏む。４回表は１死一二塁のチャンスで藤本がライトオーバーの三塁打を放ち２点を追加。９回表には四球のランナーを鳥谷がレフト前タイムリーで返してだめ押しの貴重な１点をもぎ取った。福原は対バファローズ戦２試合連続の完封勝利。井川がいない分、福原の好投は光る。
◎ファイターズ４回戦……５−４
先発安藤がいきなり初回に打たれた。坪井、森本の連打のあと、小笠原は三振に打ち取ったがセギノールにセンター前に打ち返されて１点、ＳＨＩＮＪＯを一塁フライにとったものの、木元にレフト前に流し打ちのタイムリーを打たれて２失点の立ち上がり。しかし、好調のタイガース打線は前回やられた入来から赤星が内野安打で出塁すると鳥谷のライト前ヒットで一気に生還、さらに金本がライトスタンドに逆転２ランを叩き込む。５回裏には四球の赤星が入来の暴投で二塁に進むとシーツがセンター前にタイムリーを放ち２点差に広げる。６回表、安藤は二塁打の小笠原を塁に置き、ＳＨＩＮＪＯにレフト前へのタイムリーを打たれて１点差につめ寄られる。さらに７回表、木元のヒット、古城の犠打でピンチに。ベンチは安藤をあきらめ、江草を送ったが、ベテランの代打田中幸に同点タイムリーを浴びてしまった。ファイターズはＭＩＣＨＥＡＬ、矢野の継投で９回裏までタイガース打線を抑え、タイガースも橋本、ウィリアムスと続けて１０回表までファイターズに得点を許さない。１０回表には１死三塁のピンチを招いたが、ウィリアムスは小笠原、セギノールを抑えてピンチを脱した。そして１０回裏、ファイターズの抑えの切り札横山から、金本がセンターバックスクリーンに一直線のライナーを叩き込み、サヨナラホームラン！ 先制弾にサヨナラ弾と金本のワンマンショーであった。
◎ファイターズ５回戦……１１−６
久しぶりの能見の先発だったが、２回表にＳＨＩＮＪＯの甲子園里帰り先制ホームラン（「オレを育ててくれたこの球場に感謝打法」！）、３回表にＳＨＩＮＪＯの２点タイムリーで３点を失った。４回表には小谷野、中嶋に連打を浴びて降板。二番手の桟原は奈良原に飛び込んで取ろうとしたライトスペンサーのグラブをかすめる三塁打を打たれてはやくも５点差をつけられた。タイガース打線は正田に３回まで抑えられていたが、４回裏、今岡の二塁打でなんとか１点を返す。しかし、６回表、三番手橋本が小谷野にプロ入り初ホームランを許してしまい、点差は再び５点に。これで万事休したかと思われたが、６回裏、とうとう正田をとらえた。鳥谷のセンター前ヒットを皮切りに、シーツの二塁打でチャンスを広げ、金本、今岡の連続タイムリーでまず２点、これで正田は降板し、二番手は井場。代打桧山は三振したが、代打片岡が今季初安打となる井場投手のグラブを弾く強襲ヒットで３点目。矢野が歩き、井場に代わって吉崎がマウンドへ。それでも勢いは止まらない。藤本のタイムリーで１点差に。そして赤星の内野ゴロの間に片岡がホームインし、なんと同点に追いついた。続く７回裏、１死満塁のピンチを作って吉崎が降板、マウンドには矢野。代田は取っておきの町田。ファウルで粘り、勝ち越しのタイムリーをセンターに執念で運ぶ。気落ちした矢野から、タイガースの矢野がプロ入り初となる満塁ホームランをバックスクリーン右に！ タイガースは藤川、久保田が好投し、楽々逃げ切り。連勝を５にのばした。ファイターズはこれで11連敗となった。
◎ファイターズ６回戦……３−１０
下柳が珍しくコントロールが甘めにはいる投球で初回にはＳＨＩＮＪＯの２点二塁打と木元のタイムリーで３点を先取され、２回表には森本のバックスリーンにはいるソロホームラン、セギノールが力でバックスクリーンに運ぶ３ランで４点を奪われた。３回から登板の桟原はよく投げたが、５回表に木元にホームランを打たれて８点差に。江尻に５回まで抑えられていたタイガースは６回裏、赤星の今季第１号、しかも甲子園初となる２ランホームランで反撃。シーツ、金本が連打で食い下がり、今岡のタイムリーで３点目を入れた時には前日の再現かと思われたが、二番手ＭＩＣＨＥＡＬが満塁のピンチに登板し、力で矢野をねじ伏せて併殺。これで流れが断ち切られた。７回表、橋本がＳＨＩＮＪＯにレフトポール際に入る特大のだめ押し２ラン（「疲れ過ぎてコメントなし男ちゃん打法」！！）を打たれて試合は決まった。収穫は久しぶりの登板の吉野の好投だろう。下柳が打たれたのなら仕方ない。気持ちを切り替えられる敗戦だったかもしれない。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……福原忍 悪い内容でも、よく粘って完封勝利。酷使される中継ぎ陣を休ませたのも大きかった。
野手……鳥谷敬 ヒーロー続出の中で、鳥谷は目立たないがいい働きをした。先頭打者としてヒットで出塁、バントを決めてつなぎ、あと１点ほしいというところでのタイムリー、そし再三のファインプレーと、試合を締める役割を果たしきった。
次節はインボイス西武ドームでライオンズと３連戦。これでセ・パ交流戦も終了する。セ・リーグチームとの再対決までに４試合のお休みがある。いい形で交流戦を終え、鋭気を養って再開に臨むという形になってくれるよう願っている。今のタイガースとライオンズの調子を比べると、勝ち越すことは十分可能だろう。すばらしいフィニッシュを期待したい。
（２００５年６月１３日記）
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