愛すれどTigers


交流戦はリーグ首位で終了

 交流戦最後のカードはインボイス西武ドームでのライオンズ戦。2勝1敗と勝ち越し、交流戦を21勝13敗2分と8勝の勝ち越しで終り、12球団ではマリーンズ、ホークスに続く3位、セ・リーグでは首位の成績を残した。公式戦の順位も2位ドラゴンズに2ゲーム差をつける36勝27敗3分の首位。タイガースが本当の意味での実力をつけつつあるということをこの交流戦で見せつけてくれた。成功した部分もあれば、課題が残ったところもある交流戦であったが、観客動員数もタイガースがトップということで、時代はもうジャイアンツのものではないことを示したことが一番の収穫であった。赤星が故障したが、4日間の休養日もあり、次の試合からは復帰できそうだ。そういうツキもある。運を味方にしたチームが、最後に笑うのだ。

◎ライオンズ4回戦……4−0
 二軍から復帰の井川が先発。チェンジアップが決まり、6回を完封。なによりも勝つんだという気迫が全面に出たのがよかった。もっとも、毎回のようにランナーを許すなど、内容的には復活とは言い難く、ウィリアムス、藤川、久保田の球援トリオへつながざるを得なかった。タイガースは松坂から3回表に先頭の赤星が出塁し、すかさず盗塁。パスボールで三塁に進むと、鳥谷がセンター前に弾き返して1点先制。6回表には2死から藤本の二塁打、赤星四球、鳥谷のレフト前ヒットで満塁とする。ここでなんと3番シーツの代打に濱中が登場。期待に応えてライト前2点タイムリーで追加点をあげる。9回表には二番手大沼から金本の二塁打でさらに1点を追加し、投手陣を盛りたてた。
◎ライオンズ5回戦……10−3
 シーツが首に張りを訴え欠場。代役は今季初スタメンの町田。赤星が初回内野安打で出塁したあと、盗塁した際にショート中島と交錯して側胸部打撲、2回表に代打上坂が出る。タイガースの先発は杉山だったが、立ち上がりから不安定。栗山に先頭打者ホームランを浴びると、2回裏には無死二三塁からフェルナンデスの犠牲フライで2点目、中島、栗山に死四球を与えて満塁とし、赤田にも死球で押し出しの3点目を失った。それでも「おかわりくん」中村を三振に打ち取り、なんとかしのぐ。2回表に関本と上坂の連続タイムリー二塁打で苦手のタイプの帆足を攻略し一度は逆転したが、再び逆転されたことでどうなるかと思われたが、4回表に2死から矢野がショート中島のエラーで出塁すると、関本がヒットで続き、上坂が四球を選んで満塁で鳥谷。ここで鳥谷はライト前にタイムリーを放つ。二塁ランナーの関本は本塁で田原捕手を突き飛ばす走塁。2回にもベテラン町田がファイトあふれる本塁突入を見せたので、それに続いたという形になった。しかし、関本はこの時左肩を脱臼し、一塁守備についたあと退場、そのまま登録抹消となった。5回表には町田のタイムリーで1点を追加して帆足をノックアウトした。6回裏、マウンドには橋本が上がったが、先頭のフェルナンデスを歩かせ1死後に交代。続く江草はGG佐藤に二塁打を打たれ、栗山を歩かせ、赤田を三振にとったところで交代。打席には中村という場面で藤川が登板。ボール球を振らせる三振でピンチを脱出し、7回裏にはカブレラ、和田、石井義と4者連続三振のすばらしい投球を見せた。7回表には三番手小野寺から金本と今岡がそれぞれレフトスタンドにぶち込む2者連続ホームランで突き放し、8回表には四番手長田から鳥谷の今季第1号2ラン、金本の右中間への2打席連続ホームランでライオンズ投手陣を粉砕し、最後はウィリアムス、桟原のリレーで逃げ切った。5連勝でいわゆる「貯金」10としたが、これは今季最多。故障者続出の壮絶な試合だったが、タイガースが力でねじ伏せたかっこうである。
◎ライオンズ6回戦……2−8
 先発福原は初回片岡にソロホームランを打たれて先制される。赤星の欠場で1番にDH濱中を起用する苦肉の策で迎えた試合だったが、西口から4回表、三塁打の金本をおいて矢野が同点タイムリーをセンター前に運んだ。しかし、福原はその裏2死から石井義を歩かせて「おかわりくん」中村にレフトスタンドに2ランを運ばれて勝ち越しを許してしまう。6回表、1死一三塁で桧山の内野ゴロの間にシーツが帰り1点差と迫ったが、6回裏、福原は中村とフェルナンデスの連続タイムリーでさらに2点を奪われて降板した。7回表、濱中が2死からヒットで出塁し、鳥谷はレフト線にヒットを放ったと思ったら、なぜかファールと判定され、しかもこの時田原捕手のミットにバットがさわっていたにもかかわらず守備妨害もとられない。2重の誤審にもめげず鳥谷がバットを振ると、今度も明らかに田原のミットにバットが接触し、これは打撃妨害が認められて出塁した。しかし、西口に後続を断たれて無得点に終る。こうなると流れはライオンズのものだ。7回裏、橋本がセンター上坂の落球や自身の暴投などもあって3失点で降板する。ライオンズは森、豊田の必勝リレーで逃げ切った。赤星を欠く苦しい展開の上に、福原の投球が全て甘く入ってしまったのでは仕方がない。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 「おかわりくん」から石井義まで連続4三振を奪った強気の攻めが圧巻。誰よりも頼りになるリリーフだ。
野手……濱中おさむ シーツの代打で満塁に打席に立つとタイムリー、赤星の代役で一番に座ると猛打賞。これほど心強い控えはいない。今後はDHはなくなるが、代打の切り札としての活躍が期待される。

 次節からセ・リーグの公式戦に戻る。まずは大阪ドームで2位ドラゴンズと、そして甲子園に戻って最下位から脱出したジャイアンツと対戦する。久しぶりの同一リーグ戦となるが、交流戦で見せた勢いをここでも見せてほしい。

(2005年6月20日記)


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