愛すれどTigers


リーグ50勝一番乗り!

 千葉マリン球場でのスワローズ戦は、1勝1敗。甲子園に戻って、カープに2勝1敗と勝ち越し、今節は3勝2敗と着実なペースを保った。特に、今節はここまで不調だった片岡や桧山といったベテラン選手がいい所で存在感を見せた。今節終了時点で通算52勝33敗3分、勝率.612、2位ドラゴンズとの差は6.5に縮まった。オールスターまであと3試合。今はもと監督の吉田義男さんがいうように、ゲーム差を気にするのではなく、どれだけ〈貯金〉を積み重ねられるか、である。

◎スワローズ10回戦……7−5
 スワローズの藤井から初回に襲いかかる。赤星がヒットで出塁すると、シーツ、金本が連続四球で二死満塁に。スペンサーがよく選んで押し出し四球で先取点を取る。さらに矢野がレフト前に2点タイムリーでこの回3点を先制。ところが、その裏、井川が青木、宮本の連打でピンチを作り、ラミレスの二塁打で1点を返され、さらに鈴木健のセンター前タイムリーで2点を失いあっという間に同点に追いつかれてしまった。その後、5回まで両投手はよく粘って同点のまま試合は後半に。6回裏、ここまでヒットを許しながらも失点は免れていた井川がラミレスのタイムリーでリードを許し、7回表に代打を出されて降板となった。その7回表は、三番手のゴンザレスが登板。先頭の金本が死球で出塁し、スペンサーのヒットでチャンスが広がる。矢野もヒットで続き、満塁に。代打桧山三振で2死となったが、井川の代打片岡が、ホームラン性のファールのあと、ライトオーバーの走者一掃の二塁打を放って逆転した。7回に藤川が登板したが、代打真中のタイムリーで1点を奪われると、ウィリアムスに交代する。中継ぎエースが打たれた嫌なムードだったが、続く8回表、スワローズの捕手小野のパスボールで1点をいただき、最後は久保田で逃げきった。
◎スワローズ11回戦……0−1
 川島と福原の投げあいは、0−1というスコアからも、その内容の濃さがわかるというもの。5回裏、小野の打球はライト桧山が目測を誤り、とどかず。二塁打となってそのあと宮本にタイムリーを打たれた。タイガース打線は2度チャンスをつぶした。初回、2死満塁から桧山が三振、7回表、1死二塁で藤本の放った大飛球はラミレスのグラブに。走者上坂は飛び出していて、帰塁できずダブルプレーに。この2つの場面で1点も取れなかったのが大きかった。しかし、文字どおり耐え忍んだ福原の好投は光る。
◎カープ9回戦……14−5
 カープ先発ロマノの立ち上がりをとらえる。赤星が初回にヒットで出塁すると、鳥谷、シーツ、金本と3連続四球で押し出しの1点を取る。今岡がライトに浅いフライを打ち上げてランナーを返せなかったが、桧山が左中間に二塁打を放ち2点追加、そし下柳にもレフト前のタイムリーが出て、いきなり4点のリードをつけた。下柳は2回表に1点を失うが、2回裏、今岡の2ランですぐにお返し。ロマノは2回でノックアウト。下柳とカープ二番手の田中が4回までしっかり抑えてゲームは動かなかったが、5回表に2死満塁から森笠の2点タイムリーが出て3点差に迫られる。下柳は5回裏に代打を出されて降板した。5回裏、三番手広池を1死満塁と攻め立て、シーツと金本が連続の押し出し四球。さらに、四番手玉山から今岡が2点タイムリー、さらに四球の連発で再び満塁としたところで藤本も押し出し四球。この回一気に5点を追加して試合を決めた。6回には金本、桧山のタイムリーで2点を追加、7回表に橋本が2点を取られたが、その裏に横山から鳥谷もタイムリーを打ってこの試合14点目を記した。カープ投手陣がこの試合に与えた四球は13。なんともしまらない試合になってしまった。
◎カープ10回戦……5−2
 カープの先発小山田から2回裏に矢野の先制二塁打で2点を奪う。これて杉山は落ち着いたか、5回表まで速球主体の投球で無失点の好投。打線もそれに応え、5回裏には今岡の犠牲フライで1点、桧山の一塁ゴロを野村がホームに返球するもシーツの好走塁もあって間に合わずフィルダース・チョイスで1点、藤本のタイムリーで1点と点差も5点に。しかし、杉山は自分の暴投で6回表に1点を失ってしまう。8回にはウィリアムスが登板、ランナーは出したが併殺で切り抜ける。9回表に久保田を投入。嶋にホームランを打たれたものの、後続はなんとか断って逃げ切った。
◎カープ11回戦……0−1
 カープの先発は新外国人投手で初先発のマウンド。長身からくり出される投球を打ちあぐむ。安藤もテンポよく投げ込み三振の山。カープは永川につなぎ、タイガース打線を抑え込む。延長10回に入り、今季最長イニングとなった安藤が伏兵東出に決勝のホームランを打たれて悔しい敗戦。試合時間はなんと2時間30分。この速さが証明するように、、両チームともテンポよく試合を進めていった破れはしたが、互いに持てるだけのものは出したという。いい内容の試合だった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍、安藤優也 完璧に抑えながら、打線の援護がなく敗れさった2人。しかし、その内容は今節に勝ち投手になった3人よりも優れていたことはいうまでもない。1点に笑い、1点に泣くのが勝負の厳しさではあるが、次の登板にむけて今節の投球を維持しいってほしい。
野手……桧山進次郎 スペンサーの故障もあって、ここにきて存在感が増してきた。苦しい時代も優勝の味も知るもと選手会長ならではの復活である。

 3位に浮上して波に乗るベイスターズを甲子園で迎え撃つ。苦手意識は払拭したものの、油断のならない相手だけに、着実に得点してそれを守り切るといういつもの野球で臨んでほしい。上に上がりかけてきたところでしっかり叩いておくのも、長いシーズンを乗り切るためには大切なことである。そしてオールスター。タイガースの勢いというものを、全国のファンの前で披露してもらいたいものである。

(2005年7月18日記)


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