オールスター前のベイスターズ3連戦が甲子園で行われ、いずれも接戦となり、1勝1敗1分。折り返しは53勝34敗4分で終了。2位ドラゴンズに5ゲーム差と迫られている。打線に疲れが見えてきたところでオールスター・ブレイクとなったのは、運が向いているということか。
8選手が選出されたオールスターでは、初戦は鳥谷と藤本、そして藤川が活躍し、2戦では今岡と藤川が優秀選手賞を受賞、金本も猛打賞で、後半に弾みをつけそうな活躍を見せた。勢いはタイガースにある。それを実感させてくれた。
◎ベイスターズ11回戦……3−1
ブラウンと門倉の両先発が好投。5回裏、1死から藤本が二塁打で出塁すると、代打に片岡が起用される。パ・リーグ時代に門倉との相性がよかったという片岡に対し、2暴投で藤本が生還、先取点を取る。こうなると、タイガースは自慢のリリーフ陣を惜しげもなくつぎこむ。6回からは藤川が2イニングを投げ5三振で相手の流れを断ち、7回にウィリアムスがピンチを作ると、久保田が出てきて抑え切る。8回裏には二塁打の鳥谷を塁におき、シーツと金本が連続タイムリーを放って門倉に対するだめ押し点を取った。久保田は9回も無失点で逃げ切り、まず初戦を取った。ブラウンの作ったピンチを一塁のシーツが再三のファインプレーで救い、守備力の差で勝ったゲームといえるだろう。
◎ベイスターズ12回戦……1−1
井川と三浦の投げあいとなる。井川は前日の試合の裏返しみたいな形で、6回表、走者を三塁において暴投で先取点を奪われた。しかし、ヒットは許しても得点は許さない粘りの投球で、最少失点にとどめたのは立派。7回裏、三浦からヒットと四球で2死満塁の形を作り、赤星が押し出しの四球を選んで同点に追いつく。しかし、ここで一気に逆転できないところが、打線の不調を物語っている。ベイスターズは9回まで三浦がこの失点のみに抑え、タイガースもウィリアムス、藤川が連投して試合は延長戦に。川村からクルーンにつないだベイスターズは、クルーンが日本最速となる161キロの速球を赤星に投げて、球場を沸かせた。最後まで一歩も譲らない展開は、見ごたえがあった。
◎ベイスターズ13回戦……0−1
斎藤の変化球を打ちあぐね、せっかく福原が8回まで完封しているのに、援護点を奪えない。9回裏、四球とバントでランナーを二塁まですすめると、なんとシーツを敬遠して金本と勝負。この大胆な作戦には驚かされた。結果は作戦成功、金本はレフトフライに終ってしまった。延長戦は、11回表にウィリアムスから放った佐伯のタイムリーでベイスターズに軍配が上がった。金本がブレーキになってしまっただけに、オールスター明けの打線の奮起が待たれる。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイミー・ブラウン なかなか長いイニングは投げさせてもらえないが、横に変化する球をくしし、久々の先発勝利を飾った。
野手……矢野輝弘 連日の投手戦をリードし続けたその精神的なタフさに感服する。こういう時のリードが、シーズン終盤の大切な試合に生きてくるのではないか。
オールスター明けは、東京ドームに乗り込み、コーチの入れ替えや来季の監督の話題でごたごたしているジャイアンツを一気に蹴散らしたいところだ。長期ロード前に、少しでも勝ち星を多く積み重ねていってくれれば、その先には……。いや、まだ口には出せませんよ。
(2005年7月25日記)