いよいよ長期ロード開始である。横浜球場でのベイスターズ戦は2連敗して通算4連敗となったが、今岡の満塁ホームランで第3戦をとり1勝2敗。松山坊ちゃんスタジアムでのカープ戦は1勝1敗とし、今節2勝3敗、今季通算58勝40敗4分でなんとか首位の座を守った。とはいえ、好調の2位ドラゴンズとのゲーム差はわずか1.5に。打線が試合ごとに打ったり打たなかったりという不安定な状態だけに、先発投手陣のふんばりを期待したい。ドラゴンズの調子がよすぎるだけだという感じではあるのだが。
◎ベイスターズ13回戦……2−3
井川と門倉の投手戦。先に崩れたのは井川だ。4回裏、2四球を含む1死満塁のピンチで、なんと投手の門倉に押し出しの四球を与えて押し出しで先制点を与える。さらに石井琢にライト前に運ばれて2点を追加された。タイガース打線は門倉に赤星と金本を完全に抑えられ、点が取れない。6回表、ヒットのシーツを塁において今岡がレフト線へタイムリー二塁打を放ち、スペンサーもセンター前タイムリーで続いたが、反撃はそこまで。ホルツ、川村、クルーンのリレーにノーヒットに抑えられてしまった。
◎ベイスターズ14回戦……3−6
福原が初回に小池に先制ツーランを浴びる。3回裏には石井琢の二塁打の後、暴投で三塁まで進ませ、小池の犠牲フライで3失点。それでもそのあと6回まで投げて、なんとか試合を作りはした。しかし、相手が悪い。天敵の三浦である。初回、3死四球で2死満塁と攻め立てながら、スペンサーが三振。これで三浦を乗せてしまった。7回裏、二番手橋本が2死から四球を連発して満塁とし、金城に走者一掃のツーベースを打たれて試合はほぼ確定。8回表にはシーツ、金本、今岡の3連打で満塁とするが、矢野の投手内野安打での1点だけにとどまる。9回表には二番手加藤から代打濱中のヒット、三番手ホルツから赤星がヒットを打ってチャンスを作るが、鳥谷、シーツと打ち取られ、打席には金本。ここでマウンドにはクルーン。快速球をファールで粘り、レフト前に2点タイムリーを放って3点差に縮めたが、反撃もそこまで。今岡がショートゴロに倒れて追い切れなかった。
◎ベイスターズ15回戦……6−2
濱中が今季初先発でライトを守った。安藤と土肥が好投を見せ、締まった好ゲームに。5回表、矢野のレフトスタンドへの先制ホームランでタイガースがリードしたが、直後の5回裏、佐伯の2ランで逆転される。このままずるずるといくかと心配したが、8回表、ベイスターズ三番手の川村を攻める。赤星とシーツのヒット、金本の四球で2死満塁。今岡は真ん中外よりのボールをみごとに引っ張りレフトスタンドへ運ぶ。逆転満塁ホームラン! しかも、そのあと4番手吉川も攻め立て、二塁打のスペンサーを矢野がライト前ヒットで返して6点目を入れて試合を決定づけた。あとはウィリアムス、藤川、久保田の必勝リレーで完全に逃げ切った。実は、ベイスターズはこのあとのカードでドラゴンズに3連敗するのである。タイガース戦で消耗し切ってドラゴンズにあたったということなのか。あんまりですよ、牛島監督。
◎カープ12回戦……13−2
カープのエース黒田から、初回にいきなり3点を奪う。1死満塁から今岡の内野ゴロの間に鳥谷が生還して先制、続く桧山のレフト前への2点タイムリーと鮮やかな攻撃だ。2回裏には1死一三塁で鳥谷がセンターへ犠牲フライ。藤本が生還する間に、なんと赤星が一塁から二塁にタッチアップで進塁、シーツのセンター前ヒットで一気に生還してこの回2点目。試合はここでほぼ決まった。下柳は5回表に栗原のホームランで1点を失ったが、予定回数の6回を投げ切り、例によって相手の打ち気をそらす自由自在の投球術で10勝目をあげた。打線は4回裏に2死からの三連打、今岡の2点タイムリーで黒田をノックアウトする。5回裏には二番手広池から鳥谷とシーツのタイムリーで2点を追加。7回裏には三番手田中から鳥谷のタイムリーとシーツの2ランで3点追加。8回表、桟原が前田のタイムリーで1点を失ったが、その裏、梅津から代打関本のタイムリーでとどめの13点目を奪う。最後は能見が締めて2連勝。
◎カープ13回戦……1−4
3回裏、デイビーを攻める。赤星がセーフティーバントで出塁すると、すかさず盗塁、鳥谷のセンターフライで三塁に進み、シーツのタイムリーで生還。まさに足で稼いだ1点だ。しかし、そのあとはデイビーのあれ球に手こずり、ヒットを1本も打てない。杉山はせっかくの先制点なのに、直後の4回表に東出と嶋のヒットでピンチを作り、暴投で嶋を二塁に進める。そして前田に逆転の2点レフト前ヒットを打たれてしまった。7回表には新井にライトスタンドに飛び込む特大のソロホームランを打たれ、三番手の橋本も9回表に試合を決定づける栗原のホームランを打たれてしまった。打線は、横山、永川、ベイルのリレーの前に沈黙。最終回、ベイルから2安打を放つも代打で出した関本、中村豊、浅井が全て凡打では対左投手用の代打陣なのに、そのまま桧山や藤本を打たせておいた方がよかったのではないかと思うくらいである。なお、この試合、今岡が風邪をひいているのに点滴を打って出場したが、さすがに力が入らず途中で片岡と交代した。移動日もあるので、なんとか体調は整えてくるだろうが、心配ではある。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 カープから今季10勝目。左のエースは井川ではなく下柳だと、私はここでまたもや断言したい。勝たなければならない試合を壊さない。若い投手の手本となる。自分が降板して負けていても、最後までベンチで声援を送る。井川は下柳の真似をすべきである。
野手……今岡誠 連敗をストップする満塁ホームランにしびれた。あの一振りがなければ、いまごろずるずると7連敗くらいしてたかもしれないというほど大切な一発だった。体調を崩したようだが、早く治してほしい。
ナゴヤドームで眼下の敵ドラゴンズと3連戦である。1勝だけでも首位の座は守れる。それに対し、ドラゴンズは3連勝しないと首位にはなれない。いくら差が縮まっても、まだまだタイガース有利なのは動かせないのだ。とにかく1勝でもすること。これでいい。そしたら、次は戦意喪失中のジャイアンツとの3連戦が東京ドームである。ここで一気に挽回もできるのだ。とにかくひとつ一つのプレーに自信を持って向かっていってほしいものである。
(2005年8月8日記)