長崎でのジャイアンツ戦で大勝した翌日、移動日の間にドラゴンズがベイスターズに敗れ優勝マジック13が点灯。東京ドームでもジャイアンツを下し2勝。甲子園に戻ってスワローズに1勝1敗。その間、ドラゴンズはベイスターズとカープに連敗し優勝マジックは一気に減って8に。今節は3勝1敗。通算78勝50敗5分、勝率.609、2位ドラゴンズとのゲーム差は8.5。9月はじめには0.5ゲーム差に追いつめられていたというのに、いったいどうしたことだドラゴンズ。逆転、もしくはプレーオフはよほどのことがない限りあるまい。あとは「その日」がいつになるのか、ということだけである。
◎ジャイアンツ19回戦……16−1
初回、ジャイアンツ先発の高橋尚を攻略。鳥谷とシーツの連打でチャンスを作り、今岡の先制二塁打で2点を奪う。その裏、井川は清水に二塁打を打たれ、赤星の送球ミスの間に三塁まで進まれる。矢野のショート内野安打で清水がホームイン。この1点差で試合は一時緊迫した。しかし、それもつかの間。2回表、矢野、関本の連打、そして赤星の内野安打で満塁として、シーツが押し出し四球を選ぶ。そして金本がライトスタンドへ満塁ホームラン! 一挙5点をあげて試合を決めた。そのあとも4回表、二番手ミアディッチから赤星が四球と盗塁と鳥谷の外野フライで三塁まで進むと、金本のセンター前タイムリー、ミアディッチ暴投で今岡が二塁に進み金本がレフト前へタイムリーで2点追加。そして5回表、矢野と関本が連打で出ると井川がきっちり送り、赤星のセンター前2点タイムリーで11点目を入れ、3試合連続2ケタ得点とした。鳥谷とシーツが連続四球で満塁とし金本の併殺崩れと今岡のタイムリーでさらに2点を加えた。井川は7回まで投げてランナーは許すものの5併殺の拙攻に助けられて1失点で切り抜けた。残りの2回は橋本、藤川が余裕で抑え、9回表には五番手前田から満塁のチャンスを作ってシーツの3点タイムリーで完膚なきまでに叩きのめした。
◎ジャイアンツ20回戦……7−1
初回、若手の西村から赤星がセンター前ヒットで出塁しすかさず盗塁。なんとシーツの手の甲に死球! 骨折の疑いで退場し次の回から関本が一塁に入る。腕が縮んで投げられない西村は金本を歩かせ、今岡のライトスタンドへの満塁ホームランと、続く桧山のライトへの特大ホームランで一挙5点を失う。西村は2回表にも2死満塁にしてしまい、前田にマウンドを譲った。こういうチームに前節3連敗したのだから、ドラゴンズはすっかり戦意を失ったということなのだろう。4回表には三番手岡島が1死満塁とし、今岡に押し出し死球を与える。試合は完全に決まってしまい、初回から完全試合ペースで投げていた下柳の大記録達成なるかが注目の的となったが、5回表に先頭小久保のショートへの内野安打で記録達成ならず。仁志のタイムリーで完封も逃してしまった。下柳は6回途中で藤川にスイッチ、7回表には矢野のライトスタンドへのプロ入り通算1000本安打となるソロホームランでだめ押し。ウィリアムス、久保田への「JFK」リレーで楽々逃げ切った。ドラゴンズが敗れ、マジックは11に。
◎スワローズ18回戦……2−7
福原とゴンザレスの投手戦。ゴンザレスの重い球にてこずり、打線は7回まで沈黙。なにしろ金本と今岡が2回裏と5回裏、それぞれ連続三振を食らっていたのだから、これでは得点できない。福原は5回表に岩村に先制2ランを打たれ、6回表には宮本の2点タイムリーでKOされた。8回裏にスペンサーと赤星の連続タイムリーヒットで2点を奪い2点差に迫ったが、直後の9回表に江草がリグスと米野のタイムリーで3点目を失い、試合は決した。江草がダグアウトに帰ろうとする目の前で氷の入った紙コップがスタンドから投げ入れられるというマナー無死の行為に赤星が怒る場面も。ドラゴンズが敗れてマジック10と減ったのだから、たまに負けたくらいでものの投げ入れなどするなといいたい。
◎スワローズ19回戦……11−5
先発が予定されていた安藤が、夫人の看病という理由で突然の登録抹消。急遽二軍から呼ばれた能見が先発。初回にラミレスの2点タイムリーで先制を許す。しかし、2回表の2死一二塁のピンチを乗り越えると調子が出てきてそのあとはスライダーが冴え7回に岩村のタイムリーで3点目を失うまでよく踏ん張った。打線がこれに応える。藤井から2回裏、スペンサーと矢野の二連打のあと能見がバントでしっかり送り、赤星のタイムリーで1点差に。3回裏には今岡の同点ソロホームラン、ヒットのスペンサーを置いて矢野の勝ち越し2ランであっさり逆転。4回裏には関本のつまった当たりが幸いしたレフト前タイムリーのあと、金本の3ラン、代わった宇野から矢野の2打席連続の2ランで6点を一気に奪う。5回裏にはヒットの赤星を鳥谷が二塁打で返してだめ押しの11点目を奪った。8回表には橋本がきっちり抑え、9回表には藤川が登板したが、ラミレスのタイムリー三塁打で2点失った。記録を作るためにこういう展開で登板させるのは納得できないな。これまでのような場面で投入し、結果として最多登板の日本記録に到達したというのでないと、値打ちがないと思う。ドラゴンズが敗れてマジックは8に。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 シーズン当初にあげた2勝以来、勝ち星や登板に恵まれていなかったが、ワンチャンスをものにして3勝目。来季を見据えていけば、この勝ち星は大きい。
野手……金本知憲・今岡誠 2人合わせて250打点を越えた。ジャイアンツ戦では2人が1日おきに満塁ホームランという相乗効果。2人いるから成し遂げられるということもあるのだ。
前節のはじめには次のドラゴンズ3連戦が本当の山場などといわれていたが、なんと8.5差で迎えるとは思っていなかった。この3連戦次第では、次節末のカープ3連戦で胴上げとなる可能性が高くなる。ぜいたくかもしれんけど、甲子園で胴上げしてほしいところだなあ。
(2005年9月19日記)