愛すれどTigers


天敵三浦をKO、上げ潮4連勝

 横浜球場でのベイスターズに3連勝し、前節のジャイアンツ戦の勝利から数えて4連勝。続く甲子園のスワローズ戦は初戦に井川が崩れて連勝はストップしたものの、すぐさま2連勝。今節は5勝1敗で前節に吐き出した勝利を取り返した。特に中継ぎの藤川が復活し、思い切った投球ができるようになったのが大きい。一時は全く打てなかった今岡も復調のきざしを見せてくれた。この調子が続いてくれれば交流戦も期待できるだろう。今節終了時点で13勝10敗1分、勝率.565。首位ジャイアンツに4.5ゲーム差の3位。

◎ベイスターズ4回戦……10−2
 ベイスターズの先発門倉を3回に攻略。二塁打の矢野をオクスプリングが送り、赤星のレフト前ヒットでまず先制。藤本のレフト前ヒットで赤星は一気に三塁に向かう。レフトの古木は慌てて三塁に送球するが、これか悪送球となり、赤星が一気にホームをついて2点目。二塁に進んだ藤本を金本がライト前タイムリーで返して3点目。今岡がヒットで続き、絶好調の濱中のセンターバックスクリーンへの3ランを呼んだ。それでも中継ぎが手薄なベイスターズは門倉を交代させられない。4回裏、オクスプリングは吉村のタイムリーで1点を返されるが、5回表に二塁打の金本を今岡がセンター前タイムリーで返してまた突き放す。5回裏に種田のソロホームランで2点目を失ったオクスプリングはこの回限りで降板、金澤、能見、ダーウィンのリレーでベイスターズ打線を封じ込んだ。6回表には門倉から矢野が2ランを、二番手秦から8回表には濱中がリーグ一番乗りの10号ソロでついに10点目を奪った。赤星の積極的な走塁が相手の焦りを誘い、それが連打につながった。オクスプリングは来日初勝利。
◎ベイスターズ5回戦……9−5
 下柳が村田と種田の連続タイムリーで初回にいきなり2失点。しかしタイガース打線は苦手の三浦を攻略する。2回表、濱中、鳥谷の連打でランナーをため、矢野の二塁打で1点。そして下柳が自らの失点を挽回するライトへの犠牲フライで同点に追いつき、赤星のセンター前タイムリーで逆転に成功した。ベイスターズは2回裏、吉村のソロホームランで同点に追いつくが、3回表、タイガースが鳥谷のライトスタンドに突き刺さる3ランで突き放す。4回表にはシーツのタイムリー、5回表には三塁打の鳥谷を矢野の犠牲フライで返して、なんと三浦は8失点。6回表には佐久本からフジモトがタイムリー二塁打を放ってさらに追加。6回裏、村田のホームランで下柳は1点を返されて降板、7回裏には二番手能見が代打内川にソロホームランを打たれる。しかし、ベイスターズの反撃はそこまで。8回からは藤川、久保田が全てのアウトを三振でとる好投を見せて逃げ切った。
◎ベイスターズ6回戦……12−5
 今季初先発の杉山が初回に乱調。2四球を含む満塁のピンチで村田に満塁ホームランを浴びる。ベイスターズの新人高宮に手こずるタイガースは2回表にランナーをためながから辛うじて内野ゴロの間に1人返ってきただけという5回裏には矢野のホームランで2点差に迫ったが、5回裏に杉山は金城のタイムリーで再び点差を3と開かれた。7回表、2死から鳥谷が内野安打で出塁すると、矢野が2打席連続となる左中間への2ランで1点差に追い上げた。高宮をあきらめた牛島監督であったが、8回表に登板した木塚はコントロールが定まらず、連続四球などで満塁とし、濱中のタイムリーで同点、鳥谷のセンター前に落ちるラッキーなヒットで勝ち越す。9回表、佐久本とソニアから四球と連打のくりかえしで一挙5点をたたき出し、けりをつけた。負け試合で先発杉山が降板したあと、ダーウィンと金澤がよく踏ん張り、逆転を待った。8回からは藤川、能見とつないでベイスターズの反撃をきっちり抑える。これで対ベイスターズ戦は開幕から6連勝。勝てる試合を確実にものにする、その形ができつつある。
◎スワローズ4回戦……2−6
 3回裏、ゴンザレスから赤星が三塁打を打って藤本のセンター前ヒットで生還し、先制。今岡がヒットでつなぎ、濱中の三塁ゴロは岩村のエラーを誘って藤本が2点目のホームを踏む。しかし、4回表、赤星は四球で出塁するも盗塁失敗でチャンスを逃す。7回裏にも盗塁を失敗し、プロ入り初めての1試合2盗塁死を記録した。虎の子の2点を6回まで守った井川だったが、7回表にラミレスにヒットを打たれ、リグスにはライト線の二塁打でピンチ拡大。ここでベテラン宮本にうまいバッティングでレフトへタイムリーを打たれ、同点に追いつかれた。そして8回表には代打土橋を歩かせ、青木のヒットで三塁に進まれ、ワイルドピッチで勝ち越しを許す。動揺した井川は岩村のヒットとラミレスの四球でランナーをため、ラロッカにレフトスタンドに飛び込む3ランを打たれてこの回4失点でマウンドを降りた。絶好調と思われた井川が終盤ちょっとしたすきを突かれて崩れさってしまった。
◎スワローズ5回戦……6−3
 3回裏、川島からシーツがレフトスタンドへ先制の3ラン。安藤はこの3点を6回無失点と不調ながら守り切ったが、7回表に好調の金澤を投入したものの、伏兵青木にまさかの同点3ランをバックスクリーン横のライトスタンドに持っていかれた。前日の試合ではここから崩れたが、この試合は違った。7回裏、二番手の五十嵐を相手に先頭の代打林が四球で出塁すると、赤星も歩いて無死一二塁。ここで藤本が三番手高津の前に転がすバントを決め、シーツが歩いて満塁。四番手高井は金本を投手ゴロに打ち取ったが、アウトを焦ってホームへ悪送球、二塁ランナーの赤星も一気にホームを突いて相手のミスで2点をもぎ取った。8回裏には五番手松井から鳥谷がだめ押しのホームラン。スワローズは7回表同点にしたあと、絶好の追加得点機を岩村のバント失敗でつぶすなど、責めがまずくタイガースを助けた。岩村にはバントよりも強打の方が怖かったのに、これで救われた。
◎スワローズ6回戦……2−1
 江草は5回に米野のタイムリーで1点を失っただけの好投。矢野を欠場させて起用した浅井のリードがよかった。タイガース打線は必ずしもよいとはいえない藤井に手こずり、5回までチャンスは作るが決定打が出ない。6回裏、シーツがヒットで出ると、金本があわやホームランという二塁打でつなぐ。ここで今岡、濱中の連続犠牲フライが出てついに逆転。7回からは藤川−野口のバッテリーに。強気のリードが功を奏し、藤川の速球が生きた。7回表には米野の三塁ライナーを好捕した今岡が飛び出した一塁ランナーを刺す。8回には2死二一塁のピンチを見事にしのいだ。9回には久保田がマウンドへ。ラロッカにヒットを打たれ、宮出のセンターへの当たりも前に落ちそうになったが、赤星が好捕、飛び出したランナーをセンターから一塁へのストライク返球でアウトに。今季初めての1点差試合の勝利であった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 自信を取り戻し、本来の投球ができるようになった。この自信を次のジャイアンツにつなげてほしい。
野手……赤星憲広 2度の盗塁死はあったものの、足で相手を攪乱し、守備でも再三ファインプレーを見せた。赤星の好調が本物ならば、次のジャイアンツ戦もいい勝負になるだろう。

 次節は交流戦前最後の日程である。首位を走るジャイアンツを止めるためにも、ここは現在の上げ潮を生かして勝ち越してほしい。

(2006年5月1日記)


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