愛すれどTigers


絶好調!シーツ2試合サヨナラ打

 倉敷のファイターズ戦は緊張感あふれる投手戦をシーツのサヨナラ打で拾い、甲子園に戻って1試合雨で流したあとダルビッシュの好投に敗れて1勝1敗の五分で切り抜けた。続くバファローズ戦では初戦に負けそうなところを金本の起死回生のホームランで追いつきシーツのサヨナラホームランで勝ちを拾ったとろから打線に火がつき3連勝。投手陣も、復帰登板の太陽の好投などで中継ぎ陣がよく踏ん張り打線の奮起を待つという形ができてきた。今節4勝1敗で通算の勝ち越しは今季最多の9にのびた。通算では24勝15敗1分、勝率.631でセ・リーグ2位。首位ジャイアンツとの差はわずか1.5ゲーム。

◎ファイターズ1回戦……3−2
 先制したのはファイターズ。4回表にオクスプリングの高めに抜けた球をジャストミートし、ライトスタンドに突き刺さる2ランとなった。タイガース打線は左腕リーを4回まで打ちあぐんでいたが、5回裏、オクスプリングのヒットを足掛かりに赤星、関本が連続死球で満塁に。ここでシーツがセンター前に弾き返して同点とする。このあと、両チームとも打線が決定打を欠き、試合は膠着状態に。タイガースはダーウィン、藤川とつなぎ、ファイターズは武田勝、武田久とつなぐ。両リーグ防御率トップのリリーフ投手陣が本領を発揮した。試合は延長に入り、タイガースは久保田、ファイターズはマイケルと切り札を投入。しかし、代打策をとったファイターズは岡島を投入しなければならない状態になる。岡島ならジャイアンツ時代からよくわかっている投手で、延長12回裏、ここで得点できなければ引き分けという場面、矢野、浅井が連続ヒットでチャンスを作り、赤星のショートゴロを金子が取りそこね二塁にトスしたがセーフ。ガチガチの関本が三振して2死となったが、シーツは三塁線を抜く鋭い当たりのサヨナラヒット。手に汗握る接戦を制した。
◎ファイターズ2回戦……1−4
 試合前の守備練習で新庄がタイガース時代のユニフォームを着て守りにつくパフォーマンスを見せてスタンドを大いにわかせた。こういう時のファイターズは強い。タイガースは不振の今岡をスタメンから外す荒療治。しかし、打線はダルビッシュの速球主体の投球に押されてしまった。初回、チャンスを作りながらもシーツのファールフライでフジモトが離塁してしまい一塁手セギノールの返球で併殺に取られた。2回裏、シーツのタイムリーで1点先制はしたものの、金本や今岡のかわりにスタメンに入った片岡が球威に押されて凡退。下柳は4回表、2死をとったあと2四球などで満塁にされ、鶴岡のセンター前逆転タイムリーを呼んでしまった。5回表には小笠原にライトオーバーの2点タイムリーを打たれ、点差を広げられて降板。そのあとの太陽と相木が残りの回を無失点で抑えただけに悔やまれる失点であった。タイガース打線は7回までダルビッシュに抑えられ、そのあとも武田久、マイケルの必勝パターンに持ち込まれてしまい、なすすべなく敗れた。
◎バファローズ1回戦……5−2
 降雨のため、1試合分後ろにずれた3連戦。初戦は福原と川越の投手戦となった。タイガースは6回裏、ヒットの赤星を藤本が送りシーツのタイムリーで先制。金本もヒットで続いてチャンスを広げたが今岡が併殺で追加点はならず。直後の7回表、6回までノーヒットノーランを続けていた福原がガルシアに初安打を許し、中村のレフトスタンドに飛び込む逆転2ランでリードを許す。バファローズは菊池原と加藤という中継ぎ投手で切り札大久保までつないだ。その大久保から9回裏、金本が32試合ぶりとなる同点ソロホームランをライトスタンドまでライナーで叩き込む。タイガースはダーウィンが好投し、無失点で藤川にバトンタッチ。その藤川もきっちり抑えて10回裏の攻撃に。萩原から中村豊が四球を選び、赤星がバントでランナーを進める。萩原は続く関本の頭部に当ててしまい、危険球退場となった。急遽マウンドに登った本柳の外角スライダーをここぞとばかりに叩いたシーツの打球はレフトスタンドに。劇的なサヨナラ勝ちというだけではない。敗戦目前のところを追いつき、そして勝った。これで連敗中のバファローズが流れをつかむのを阻止したのだ。試合終了後、関本が二塁ベースを空過したのではないかと抗議したが、1死からのシーツのホームランではその抗議が通っても勝敗はついていたわけで、何か間の悪い抗議になってしまった。ただ、抗議に出たバファローズの中村監督に「帰れ」コールを浴びせたタイガースファンは、あまりにも態度が悪いとしか言えない。
◎バファローズ2回戦……5−3
 バファローズ先発の平野佳は甲子園の雰囲気に呑まれたのか初回、1死二塁でシーツのセンター前タイムリーで先制を許す。金本もライト前ヒットでつなぎ、桧山のイレギュラーバウンドの打球がセンター前に転がる間に2点目。鳥谷の投手ゴロは、タッチしようとした平野佳のグラブをかいくぐり内野安打になる。その間に3点目が入った。江草は5回表、3四球で満塁とし、代打清原がプロ入り通算1500打点となる2点タイムリーをセンター前に弾き返し、1点差に詰め寄られた。タイガースは6回にはダーウィンを投入し、反撃を食い止める。6回裏、三番手菊池原から代打濱中のレフトスタンドに運ぶ2ランで突き放した。7回表に能見が塩崎にホームランを打たれたが、バファローズの粘りもそこまで。藤川、久保田とつないだタイガースの勝ちパターンの前になすすべもなかった。
◎バファローズ3回戦……8−2
 先制したのはバファローズ。オクスプリングから初回に1死一三塁とし中村の犠牲フライで1点先取した。しかし、タイガースも昨年までチームメイトであった前川から赤星が四球を選び盗塁、関本の内野ゴロで三塁に進めシーツのフェンスぎりぎりのライトフライで生還し、同点とする。3回裏、二塁打のオクスプリングは前川の暴投で三塁に進み、赤星のレフト前ヒットで勝ち越しのホームを踏む。2四球などで満塁とした前川はここで降板し、ユウキがマウンドに。ここはユウキがしのいだが、4回裏、鳥谷がレフトポール際に飛び込むソロホームランを放ち突き放す。5回裏にはシーツのレフトライナーが谷のグラブをかすめる二塁打でチャンスを作り、金本は敬遠気味の四球。前日胃腸炎で欠場した今岡がレフトポールをまく3ランで大きくリード。オクスプリングは6回表に水口のタイムリーで2点めを失い、この回限りで太陽に交代。太陽は8回まで無失点の好投。6回裏に金本と濱中のタイムリーで2点を追加したタイガースは9回には相木を投げさせ、藤川と久保田を休める継投策。相木も古巣相手に好投し、楽々逃げ切った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……久保田智之 セーブがつかない場面でもしっかりしめくくり、一時の不調からは完全に脱した。自信が戻ってきたら、もう大丈夫。4月のお返しをする番だ。
野手……アンディ・シーツ 2試合のサヨナラ打はもちろん、先制点がほしい場面で確実に打点をあげる。目下セ・リーグ首位打者。頼れる男である。

 次節は移動日なしで千葉マリンスタジアムへ。交流戦好調のマリーンズに挑む。甲子園で2連勝しただけではファンの気持ちはおさまらない。甲子園の勢いをそのままマリンスタジアムに持ちこんでほしい。続いてはインボイス西武ドームでのライオンズ戦だ。雨の影響で9連戦となったが、流れをつかみかけているタイガースとしては、勢いに乗って連勝をのばしてほしいところだ。

(2006年5月22日記)


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