フルキャスト宮城球場でのイーグルス戦は、予想以上に相手に粘られ1勝2敗と苦戦した。野村野球が浸透しつつあると考えていいだろう。交流戦通しては3勝3敗のタイとなった。地元に戻り、スカイマークと大阪ドームでのバファローズ戦は2勝1敗と久しぶりのカード勝ち越し。特にバファローズには本交流戦では5勝1敗と大きく勝ち越すことができた。しかし、せっかく調子をあげてきた今岡がバファローズ戦で手首に死球を食らい戦線離脱を余儀無くされた。この間にドラゴンズが着実に勝ち星を重ね、タイガースは2位に転落。今節トータルで3勝3敗。今季通算では36勝27敗1分、勝率.571。首位との差は1.0ゲーム。
◎ゴールデンイーグルス4回戦……7−8
初回、山村から金本の2ランで先制したが、その裏、井川がフェルナンデスの二塁打で1点を返される。4回裏、井川が崩れた。1死一二塁のピンチに礒部のレフト線二塁打と塩川のタイムリーで3点を奪われ逆転を許す。その直後の5回表、スペンサーが同点2ランをレフトスタンドに叩き込むが、その裏に礒部のタイムリーで再び1点リードを許してしまう。結局井川は6回まで投げて降板。味方の援護を生かせないふがいない投球だった。6回表、吉田、青山、有銘の小刻みな継投に食い下がり2死満塁のチャンス。ここで五番手徳元から濱中が押し出しの四球を選び同点、スペンサーもタイムリーで続いて勝ち越した。7回表には赤星の犠牲フライで2点差とし、8回裏のマウンドにはウィリアムス。これで逃げ切れるかと思われたがヒットの塩川と四球の森谷を塁に置き、リックに同点タイムリー二塁打を打たれ、試合は振り出しに。同点のまま迎えた延長10回裏、久保田は先頭のカツノリにヒットを打たれると浮き足立つ。森谷のショートゴロは内野安打となり、リックのバントは久保田自らヒットにしてしまう。無死満塁で打席にはかつての同僚沖原。センター前に弾き返され絵に書いたようなサヨナラ負け。
◎ゴールデンイーグルス5回戦……3−1
福原と一場の投手戦。福原は3回裏に関川の先制タイムリー二塁打で1点を失うが、5回裏のピンチには鉄平をショートゴロ併殺に、そして6回裏無死一二塁のピンチでは沖原のバントが小飛球となったのを矢野がワンバウンドで取り三塁、二塁、一塁と送って三重殺という好プレーでピンチを免れた。一場の速球に振り遅れていたタイガース打線も、8回表にようやくチャンスをつかむ。1死一二塁から濱中がライト前にうまく流し同点のタイムリー。試合は2日連続の延長戦に。10回表、六番手の有銘を攻めて1死満塁から今岡のショートゴロ併殺崩れの間に鳥谷がホームインして勝ち越し、続く桧山のサードへのゆるい当たりも内野安打になってシーツが返って2点差に。10回裏には延長の長引くのをにらんで藤川を投入。見事に抑えて逃げ切った。
◎ゴールデンイーグルス6回戦……1−2
雨中の熱戦もイーグルスの粘り勝ち。タイガース打線は先発愛敬のスローボールに手こずり打てない。杉山は立ち上がりを無難に切り抜けると好投を続けた。しかし、5回裏、四球の礒部を沖原に送られ、なんと2球も暴投を投げてしまい、ノーヒットで先制点を奪われる独り相撲。二番手川本を攻めて鳥谷と赤星が連打でチャンスを作り、三番手小倉は金本を敬遠、今岡はライトに同点の犠牲フライを放つ。8回裏、杉山は先頭の憲史を歩かせ、藤井に簡単にバントを決められ、リックのヒットで三塁にまで走者を進ませてしまう。二番手能見は関川に決勝タイムリーを打たれてついにリードを許し、最後は福盛に抑えられ逃げ切られた。投手陣の弱いイーグルスに逆に抑え込まれる結果になってしまった。
◎バファローズ4回戦……6−3
ベテラン下柳と新人の平野佳の先発で始まった試合は、ワンチャンスをとらえたタイガース打線に軍配が上がった。2回表、今岡、藤本のヒットなどで2死満塁とし、鳥谷のショート内野安打で先制。続く赤星はセンター前に打ち返して2点追加。さらにシーツがレフト線へ二塁打を放ち2点。とどめは金本のライトへの二塁打でこの回6点目。3回以後は凡ゴロを打たされて1点も奪えなかったのだから、2回のストレート狙いの集中打が効いた。下柳はその裏、日高のタイムリーと相川の内野ゴロで2点、そして3回裏には迎のタイムリーで1点を失うなど内容がよくなく、なんとか5回を投げ切ったところでダーウィンにスイッチ、そのあとは藤川、久保田が好投しバファローズの追撃を断ち切った。
◎バファローズ5回戦……5−1
この日久々に一軍に昇格したオクスプリングとオバミュラーの両新外国人投手の投げあい。2回表、藤本のセンター前への先制タイムリーで1点を先取。4回表には死球の今岡とヒットの濱中を塁に置いて林が今季第1号3ランをライトスタンドへ。オバミュラーはこの回途中で山本にマウンドを譲った。6回表、二番手吉川から林が2打席連続となるソロホームランをライトスタンドの同じようなところに放り込んで5点目をたたき出し、これで試合はほぼ決まった。6回裏、疲れの見えたオクスプリングは北川の二塁打で1点を失ったが、7回以降はJFKのリレーで楽々逃げ切り。しかし、吉川も赤星と矢野に死球を与える荒れ球で、今岡は翌日から欠場という後味の悪い結果が残った。
◎バファローズ6回戦……1−5
バファローズは久々に好投を見せた本柳の活躍でタイガース戦の連敗を10で止めた。矢野が3回表にソロホームランで先制したが、本柳の必至の投球に押され、追加点がとれない。一方タイガースは江草を送り込んだが勝利投手を意識したか5回裏につかまる。村松、北川の連続タイムリーで逆転すると、清原もヒットでつなぎ、中村のサードゴロを片岡が弾いてしまう間にランナーが続々生還。江草はこの回の途中で金澤にマウンドを譲った。バファローズは菊地原、加藤、大久保の必勝リレーで逃げ切り。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……クリス・オクスプリング 外国人枠の関係で二軍落ちしていたが、8連戦というこもあって久々の一軍登録。ここで期待に応える好投を見せてくれた。今年のタイガースは外国人枠の競争も激しいのだ。
野手……林威助 プロ入り初の2打席連続ホームラン。期待の大砲が火を噴いた。ライトは好調のスペンサー、復活の濱中、実績の桧山と激戦区なだけに、ここで自信をつけて乗っていってくれればと思う。
次節は雨天中止の予備日で、甲子園でのファイターズ、マリーンズ戦がそれぞれ1試合、2日のインターバルを置いて甲子園で同一リーグのスワローズと久々の対戦となる。交流戦で序盤のもたつきから一気に挽回したスワローズだけに、ここで叩いておきたいところ。私も第1戦は甲子園で応援する予定です。
(2006年6月19日記)