愛すれどTigers


打線低調、どん底Gに連敗

 北陸シリーズはカープに1勝1分。東京ドームでは10連敗中のジャイアンツを助けるように2連敗して1勝2敗。今節、2勝2敗1分。打線では、5番打者を固定できないのが大きく、金本が好調なのにもかかわらず自分が決めないとという気持ちが強すぎるのか力みが目立つ。投手陣は先発投手もちゃんとゲームを作っているのだから、打線が奮起せねば。センター返し、流し打ちという基本的なバッティングがあまり見られず、どの打者も引っ張りにかかっている。これでは相手投手の術中にはまるだけである。ここまで通算では41勝31敗2分、勝率.569。セ・リーグ2位で、首位ドラゴンズとのゲーム差は1.5である。

◎カープ6回戦……2−2
 福井県営球場での試合は、福原と黒田の両右腕が好投。福原は5回裏に内野安打とエラーなどでピンチを作り、梵と前田の連続タイムリーで2点を先制された。しかし直後の6回表、なんと藤本がライトスタンドに今季第1号のソロホームランを打ち込んで1点差に追いすがる。タイガースは7回から安藤、江草、ウィリアムスとつぎこんでカープの攻撃を防ぐと、カープも8回にはベイルを、9回表には永川を投入して逃げ切り体勢にはいる。その永川が2死までとったところで決め球と投げ込んだ速球を矢野がセンターバックスクリーン左に起死回生の同点ホームランを放つ。延長戦は、カープが高橋、横山を、タイガースが藤川、能見をそれぞれ投入し、延長12回引き分け。12回裏は末永が振り逃げ、代打井生が二塁打とサヨナラのピンチだったが、能見が東出をレフトフライに打ち取って敗戦を免れた。
◎カープ7回戦……3−2
 舞台を富山アルペン球場に移し、今度はダーウィンと大竹の投手戦。タイガースが3回表に金本のセンターバックスクリーン右への2ランで先制すれば、その裏には2死三塁、梵の打席でダーウィンが暴投、1点差とされる。5回裏には倉にレフトスタンドに運ばれ、初先発のダーウィンは同点のまま6回まで投げて降板した。カープは8回から高橋、ロマノの継投。昨日と同様延長戦かと思われたが、9回表、ロマノから鳥谷がレフトスタンドへ勝ち越しのソロホームラン。最後は藤川が締めて逃げ切る。勝ち投手は三番手の安藤で、中継ぎにまわって初めての勝利である。
◎ジャイアンツ7回戦……11−0
 下柳と工藤のベテラン対決。初回、1死満塁で濱中がサードゴロを打つ。サードのディロンの本塁送球は関本のヘルメットを直撃、弾む間にシーツも生還し、2点先制。さらに矢野の内野ゴロの間に金本も返っていきなり3点をもらった。3回表には濱中のソロホームラン、5回表にはシーツのバックスクリーンへのホームランと、着々と加点。6回表には1死満塁から下柳がセンターへ高いバウンドのタイムリーを放って2点追加し、工藤をノックアウトした。7回表には真田から矢野が2ラン、9回表には福田が2死二三塁から2球連続の暴投で2点をくれて、なんと大量11点という得点。下柳は元気のないジャイアンツ打線を7回まで0点に抑える。5回裏、1死満塁のピンチも小坂を併殺に打ち取るなど、計算通りの投球術。8回からは能見が登板し、完封リレー。ディロン、福田のプロとは思えない失策に助けられた。ジャイアンツはもう末期症状だと思われたのだが……。
◎ジャイアンツ8回戦……2−4
 オクスプリングが初回に1死三塁から内野ゴロの間に1点を奪われたが、直後の2回表、上原から1死三塁で鳥谷の内野ゴロの間に金本が生還して同点に追いつく。膠着状態を打破したのは金本。4回表、センターバックスクリーン右にはいるソロホームランで1点をリードした。しかし、オクスプリングは6回裏、力で抑え込もうとしたのか2死三塁から二岡、イ・スンヨプ、高橋由と3者連続初球狙いのタイムリーを放たれ、一気に逆転されてしまった。先頭の上原に四球を出したところでコーチが声をかけにいってやってもよかったのでは……。その後はタイガースが江草、金澤、ジャイアンツが高橋尚、豊田と継投。互いに得点はならず、2点差のままジャイアンツが逃げ切った。ジャイアンツの連敗は10でストップ。タイガースに油断があったか。
◎ジャイアンツ9回戦……0−2
 井川は2回裏、イ・スンヨプのホームランで先制され、7回裏、この日先発サードの上坂の悪送球エラーでランナーを許すと、イ・スンヨプのライト前ヒットは濱中が内野に返したものの誰もカットにいかず悪送球という形になって二岡がホームインと全体には抑えながらも不運な2失点。一方の内海は速球を見せ球にして変化球を引っ掛けさせるというパターンでタイガース打線を手玉にとる。4回表、1死一二塁のチャンスで矢野がまんまとこれにひっかかって併殺に打ち取られ、以後はチャンスらしいチャンスもないままにプロ入り初完封を許してしまった。打線の工夫があればもう少し違う展開があったかも。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 自らもタイムリーヒットを放つなどして、ベテラン対決を制した。今季初めてというほど、のらりくらり投法がきっちり決まった。これで昨年の感じを取り戻してくれれば。
野手……金本知憲 重苦しい打線の中で孤軍奮闘という感じだ。ホームランも出だしたし、夏に強い男がいよいよ本領を発揮する季節がきた。

 次節は京セラドーム大阪と甲子園という地元に戻ってベイスターズと3連戦。さらに秋田へ遠征してスワローズと2連戦。移動日があき、ローテーションは楽にまわりそう。だからこそ、打線がつなぐ野球をしなければ。

(2006年7月3日記)


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