愛すれどTigers


リリーフ陣総崩れも打線が盛り返す

 今節は京セラドーム大阪でベイスターズに2勝1敗。神宮球場のスワローズ戦は初戦大量リードを守れなかった上にサヨナラ負けという屈辱的な敗戦を喫しながらあとは盛り返し2勝1敗。通算4勝2敗と着実に勝ち越した。リリーフ陣、特に中継ぎ投手がなかなか機能せず苦しい状況ではあるが、打線はつながるようになり、ドラゴンズ戦の連敗のショックから立ち直りつつある。最後まで粘り強く戦い抜いてほしい。ここまで59勝47敗3分、勝率は.557。首位ドラゴンズと8ゲーム差の2位。お、ドラゴンとの残り試合すべてに勝つと追い抜くゲーム差ではないですか。

◎ベイスターズ16回戦……6−1
 タイガース先発井川は11奪三振5安打1失点の完投。ナゴヤドームでがたがたに崩れたリリーフを休ませる好投だった。ベイスターズは門倉が先発。3回裏、金本のタイムリーで先制。5回表に井川が先頭の金城を歩かせてから連打を浴び同点に追いつかれたが、その直後の5回裏に関本のレフトスタンドに飛び込むソロホームランですぐさま勝ち越し。6回裏には藤本のセンター犠牲フライで2点差とした。この1点が大きかった。7回裏にはシーツのタイムリー二塁打で1点を加えると、ここで門倉は降板、二番手は山北。金本の犠牲フライと濱中のタイムリーでさらに2点を加えて試合を決定づけた。金本はこの試合で連続フルイニング出場の世界記録を1000とした。
◎ベイスターズ17回戦……4−3
 タイガース先発は安藤。2回表、佐伯のソロホームランで先制点を許した。しかしその裏、苦手三浦から、二塁打の金本を藤本がセンター前タイムリーで返して同点に追いつく。続く3回裏には赤星が出塁し関本が送り金本がタイムリーで返すという理想的なパターンの得点で勝ち越した。ただ、やはり三浦からそうそう点はとれず、1点差のまま試合が止まる。動いたのは6回表、相川の犠牲フライでついに同点に追いつかれてしまった。安藤はこの回限りで降板。7回裏、赤星のタイムリー二塁打で1点リードし、三浦を降板させたが、8回表、三番手ダーウィンが代りばなの初球を村田にレフトスタンドに運ばれてまたまた同点に。そのあとも四球が続いて苦しみ、ウィリアムスにスイッチし、9回まで同点でしのいだ。延長10回表には今季初登板の五番手橋本が走者を出しながらもなんとか抑える。ベイスターズは河村をはさんで加藤をマウンドに送ってきた。10回裏、2死からシーツが二塁打を放つと、金本が敬遠気味の四球で歩かせられる。ここで濱中がレフト前に運んでシーツを迎え入れ、サヨナラ勝ち。橋本は今季初登板が勝利になった。
◎ベイスターズ18回戦……1−7
 初回、吉見からシーツがレフトスタンドにソロホームラン。しかし、結局この1点だけしかとれない「スミ1」に終ってしまった。吉見は尻上がりによくなり、8回を8安打無失点に抑える。ランナーは出しても点が取れないという一時のタイムリー欠乏症のころの再現となった。下柳はいつもの散らす投球ができず、4回表、吉村の2点タイムリーで逆転され、6回表には村田と吉村の連続ソロホームランでさらに2点を奪われた。7回表には1死満塁から小池のタイムリーでさらに1点を失い、下柳はここで降板。代わった相木が村田に2点タイムリーを打たれ、ケリをつけられた。2回裏、鳥谷と矢野の連続ヒットのあと、藤本がアウトカウントを間違えて内野ゴロで全力疾走せず併殺に。8回裏には無死一二塁で関本がライト前ヒットを打つが二塁ランナーの浅井は三塁で止まり、一塁ランナーの赤星は一気に三塁まで走ってくるというチグハグな走塁で浅井がアウトになるというお粗末なミスが目についた。
◎スワローズ15回戦……11−12
 初回、坂元から金本が先制の3ランをライトスタンドへ。1死二三塁から矢野が2点二塁打でこの回一挙5点。しかしオクスプリングも安定せず、ラミレスと宮出の連続ソロホームランで3点差に。2回表、シーツのタイムリーで1点を加えると、坂元はここで降板し二番手は松井。金本のタイムリーと鳥谷の内野ゴロでそれぞれ1点を加え、6点差に広げる。3回表には藤本のソロホームランがライトスタンドに飛び込み、7点差をつけた。オクスプリングは3回裏、連続四球でピンチを作り、宮出の2点タイムリーを浴びる。差は5点に縮まった。6回表、三番手高井から3連続四球で満塁に。濱中の犠牲フライで1点取ったのみ。これをビッグイニングにできなかったことが流れを相手にやったか。点差は6点に。6回裏、投手はダーウィンに交代。三塁に宮本を置いてワイルドピッチで1点を献上し、5点差。そして悪夢の7回裏がやってきた。三番手江草が死四球で1死満塁のピンチを招く。ここで投手は橋本に。ラミレスの犠牲フライで4点差とされる。続く宮出は左中間に2点タイムリーで2点差。宮本内野安打のあと田中浩のレフト前タイムリーで1点差。代打真中はレフト前に同点タイムリー。たまらず相木にスイッチするが、度会にライト前勝ち越しタイムリーを打たれ、ついにひっくり返されてしまった。それでもタイガース打線は粘った。9回表、六番手木田から鳥谷が同点タイムリーをレフト前に運んだ。9回裏、タイガースは切り札ウィリアムスを投入したが、ストライクが入らず3四球で2死満塁。青木にも四球を与え、押し出しでサヨナラ負け。切り札のはずのウィリアムスまでが乱調という無惨な試合だった。7点差をひっくり返されてしまうとは思いもよらなかった。橋本はすぐに二軍降格となった。
◎スワローズ16回戦……10−4
 福原と鎌田の投手戦も、4回表に均衡が破れた。2死満塁から藤本が2点タイムリーをライト戦に。続く福原もタイムリーで3点先制。4回裏、福原は岩村にソロホームランを打たれたが、直後の5回表、1死二三塁としたところで鎌田から丸山貴にスイッチ。鳥谷の2点タイムリーのあと、四球などで1死満塁に。福原がレフト前ヒットでさらに1点追加。なんと福原はこれが猛打賞。関本にもタイムリーが出、シーツも押し出し四球でさらに1点。この回一挙5点の猛攻だ。福原は5回裏に鈴木健の代打2ランで5点差とされたが、6回表、三番手花田から矢野がソロホームランで突き放す。福原は6回裏に米野にタイムリーを打たれて1点を返されたが、7回を投げ切った。9回表には五十嵐から中村豊が執念のポテンヒットで1点を追加し、ダーウィン、ウィリアムスの継投で逃げ切った。
◎スワローズ17回戦……8−3
 3回表、ガトームソンから関本の2点タイムリーで先制する。その裏、杉山はピンチを招くがラミレスの併殺の間の1失点にとどめた。5回表、三塁打の赤星を関本が二塁打で返し、シーツが関本をセンター前ヒットで返し、金本がヒットでつなぎ、鳥谷がヒットでシーツを返し、矢野がライト前ヒットで金本と鳥谷を返し一挙5点の猛攻。5回裏、杉山はリグスの2ランで4点差にされたが、なんとか責任の6回を投げ切った。7回表、三番手高井から金本がとどめのソロホームランをレフトスタンドに打ち込んで、大勢は決した。ダーウィン、そして桟原がそれぞれスワローズ打線をぴしゃりと抑え、逃げ切る。これでスワローズとの今季の対戦成績がやっと五分となった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 苦しい投球ではあったが、悪いなりにスワローズ打線をなんとか抑えた。今季は安定感が高まり、名実ともに「右のエース」と呼んでいい働きをしている。特筆すべきは猛打賞。打撃が得意とはいえない福原の執念を見せてもらった。
野手……藤本敦士 アウトカウントを間違えて併殺というチョンボもあったけれど、今節は特に守備がすばらしかった。ショートバウンドのゴロをどれだけさばいてくれたか。打撃も後ろにつなぐだけでなく自分で決めるという思い切りのよさが出ている。

 次節の広島でのカープ戦で長期ロードは終了。虎が甲子園に帰ってくる。甲子園のタイガースは強いぞう。まずカープに勝ち越して長期ロード勝ち越しを決定づけ、甲子園でジャイアンツにここまでのお返しをしてほしい。なにしろ、藤川と久保田が一軍に戻ってくるのだ。復帰早々元通りの活躍は苦しいかもしれないが、少なくとも太陽や橋本のようなおどおどした投球はしないだろう。遅まきながら追撃体勢ができてきた。あとは今岡の復帰を待つのみ。

(2006年8月21日記)


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