愛すれどTigers


熱闘!首位ドラゴンズに連勝!

 甲子園でのドラゴンズ3連戦は間に惜しい引き分けをはさみ2勝1分。3連勝を逃したことで逆転優勝の可能性は薄れたかに思われたが、横浜球場でのベイスターズ戦に2連勝し、ドラゴンズがジャイアンツ戦で星を落したためにゲーム差は6.0に。これで直接対決を残り全て勝てば追いつく数字になった。試合消化が早いため、ドラゴンズ優位は変わらないが、独走をとめる体勢ができてきた。ここから勢いにのっていってほしい。ベイスターズ戦で吉野がプロ入り初セーブ、安藤がプロ入り初完封。先発ローテーションもリリーフも乗れる材料が揃ってきた。今節4勝1分で前節からの連勝を5とした。ここまで64勝52敗4分、勝率.552。

◎ドラゴンズ14回戦……9−2
 タイガース打線が苦手の中田を攻略した。初回、2死一三塁から濱中がレフト前に先制のタイムリーを放つ。井川は2回表、谷繁のタイムリーで同点に追いつかれたが、打線がすぐに反撃する。3回裏、1死満塁から濱中のショートゴロの間に関本が生還して勝ち越すと、鳥谷が歩いて満塁とし、矢野の打席で中田が暴投して労せずして2点のリード。そして4回裏、関本、金本のタイムリー二塁打で1点ずつ奪い、濱中もタイムリー、そして鳥谷は三塁打でさらに1点ずつ加え、とどめは矢野の2ラン! この回大量6得点。中田をノックアウトした。井川は6回表に福留にソロホームランを打たれたが、8回表が終った時点で豪雨となり、コールドゲームの宣告。勝負の連戦はまずタイガースが先勝した。
◎ドラゴンズ15回戦……3−3
 この試合から、久保田が腰痛で戦列を離脱した。それだけ藤川に負担がかかることになった。
 初回、下柳はT・ウッズのタイムリーで先制され、4回表には英智のセンター前タイムリーで2点差とリードを広げられてしまう。ただ、1点はとられても後続を断つところが下柳らしく、流れを完全に相手に渡さない。6回裏、それまで手こずっていた今季初対決の朝倉から濱中がタイムリーを放ち、1点差に詰め寄る。7回裏、二番手の平井から代打の桧山が二塁打を打ってきっかけを作り、関本のタイムリーでついに同点に追いついた。8回からは藤川がマウンドに上り必勝体勢。それにこたえるように8回裏、三番手岡本から三塁打を打った金本を藤本が必死で食らいつくレフト前タイムリーで返してついに勝ち越した。9回表、2死で打者は井上。藤川は2ストライクまでとりながらファールで粘られ、ふららっと上がった当たりはライトスタンド最前列に吸い込まれるように飛び込んだ。まさかの同点ソロホームランだ。ドラゴンズは岩瀬、鈴木、デニー友利の継投。タイガースは安藤、ウィリアムス、ダーウィン、吉野の継投でお互いに相手打線をなんとか封じ込めてついに12回規定により引き分けとなった。負けに等しいとまで思われたまさかの引き分け。これでタイガースの緊張の糸が切れるかと思われたのだが……。
◎ドラゴンズ16回戦……8−7
大乱戦!
 福原、川上と先発が発表された時は投手戦が予想されたが、あにはからんや乱打戦となった。初回、金本の先制タイムリーで幕を開ける。2回表、福原は2死からヒットと四球で満塁とし、荒木のライト前タイムリーで同点に。井端の一塁前の小飛球をシーツがダイビングキャッチしようと飛び込んだが惜しくも取れず2者生還し、2点差とされる。3回表には前日から好調の井上が2点タイムリー、川上にもタイムリーを打たれてこの回3点を失い、福原は4回途中で降板することになった。3回裏、タイガースが反撃を開始する。関本を塁に置き、シーツの2ランで2点差に迫った。続く4回表には福原がピンチを作って井上を迎えたところで吉野が一塁ゴロに抑えて難を逃れる。その裏、代打桧山のタイムリー二塁打で1点を返し、1点差に詰め寄った。5回表、三番手のダーウィンが福留のタイムリーで1点を奪われ、2点差にされたけれど、6回裏、無死一三塁で矢野が併殺打を打つ間に濱中が生還して再び1点差にする。リリーフは江草、安藤、ウィリアムスとつないでドラゴンズに追加点を許さない。そして8回裏、四球の金本を置いて、濱中の打球はレフトスタンドに飛び込む逆転2ランホームラン! 続く鳥谷もバックスクリーン右横にはいるソロホームランで2点差に。9回表、マウンドには前日のお返しをせんと藤川をマウンドに送った。藤川は立浪のヒットからピンチを作り、福留のタイムリーで1点差に迫られ、打席にT・ウッズを迎えた。ここで岡田監督がマウンドに足を運んで藤川に喝を入れる。藤川は渾身の投球でT・ウッズを空振り三振に打ち取り、大乱戦はタイガースの勝利で幕を閉じた。
◎ベイスターズ19回戦……5−3
 ベイスターズの先発那須野から2回表、鳥谷のライトスタンドにふわりとはいる先制2ランと矢野のスタンドに突き刺さるような連続ソロホームランで3点を先取した。4回表には無死二三塁で杉山がセンター前に抜ける2点タイムリーを放ち、点差は5点に。那須野はここで降板した。4回裏、村田のタイムリー三塁打と小池の犠牲フライで2点を返され、7回裏には石井にソロホームランを打たれ、2点差とされたところで杉山も交代。しかし、8回にはウィリアムスが、9回には吉野が登板しベイスターズ打線をなんとか抑えて逃げ切った。吉野はプロ入り初セーブ。ここのところ苦しんでいた藤川を温存できたのは大きかった。
◎ベイスターズ20回戦……8−0
 ここまで2勝しているルーキー三橋がタイガース戦初先発。3回表、ルーキーに猛打の洗礼だ。2死から赤星が歩き、関本がヒットでつなぐと、シーツが先制タイムリー。金本もレフト線に二塁打を放って2点を加えた。5回表にはシーツの2ランで5点差をつけ、三橋をノックアウト。8回表には濱中が秦から3ランを放ち、試合を決定づけた。安藤はリリーフ登板から中2日の先発となったが、6回までわずか1安打の快投。7回裏には2連打を浴びたが主砲村田を併殺にとるなどしてピンチを脱し、プロ入り初完封勝利を飾った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……吉野誠 今シーズン、登板のチャンスに恵まれなかった左腕リリーフの雄がみごとに復活。2003年優勝時の自信を取り戻した。前節、リリーフ陣が崩れて逆転の連敗を食らっただけに、吉野の復活には心強いものがある。
野手……濱中治 もし、今季、奇跡の大逆転優勝があるとすれば、濱中のドラゴンズ16回戦での逆転ホームランがその引き金になったと記憶されるだろう。目の前でスタンドに飛び込む大飛球を見た時、私はしびれた。

 次節は甲子園に腰を据え、ジャイアンツ3連戦とベイスターズ2連戦。ジャイアンツも8月は好調だっただけに油断はできないが、目標のあるチームとないチームとの差を見せつけてほしい。ベイスターズは牛島監督が辞任を表明。なぜこの時期にという疑問はあるが、選手が監督の恩に報いたいと一丸となってくれば、あなどれない。ドラゴンズが苦手のカープと3連戦するだけに、次節は落せないのだから。

(2006年9月4日記)


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