愛すれどTigers


福原連続完投、首位に5差

 甲子園でのジャイアンツ戦は雨中止をはさんで1勝1敗。続いて甲子園で行われたベイスターズ戦は2連勝。福原が中4日で完投勝利をあげる奮闘を見せ、試合のなかった日にドラゴンズが2敗したこともあって、首位との差は5ゲームに縮まった。まだまだ逆転の夢を残し、いよいよペナントの行方を左右するナゴヤドーム決戦に臨むことになる。今節3勝1敗。通算では67勝53敗4分、勝率.558。ドラゴンズのマジックは20。

◎ジャイアンツ17回戦……5−2
 ジャイアンツのパウエルから毎回安打を放つも3回までは得点につながらない。先制したのはジャイアンツ。福原から4回表にエラーや暴投などで進んだランナーをイ・スヨンプに犠牲フライで返された。しかし、直後の4回裏、三塁打の金本を濱中が左中間に弾き返す二塁打で返して同点に追いつく。さらに矢野が勝ち越しのタイムリーをレフト前に打ち返した。5回裏には先頭福原のヒットをきっかけにシーツのタイムリーが出て1点を追加。6回表にはイ・スンヨプの内野安打で1点を返されたが、その裏、四球、ヒット、ボークで無死二三塁になったところを矢野がレフト前2点タイムリーで突き放す。タイガースは続く林、前田からもヒットを重ね、なんとチームとしては60年ぶりとなる先発全員毎回安打を記録した。福原は7回以降は危なげない投球で完投、久々のシーズン10勝を記録した。
◎ジャイアンツ18回戦……0−3
 井川が東京ドームに続いてイ・スンヨプ一人にやられて破れた。初回、バックスクリーン右への2ランで先制され、4回にはバックスクリーン真横にソロホームランを叩き込まれる。ここまで相性が悪ければ、勝負を避けるという方法もあったのでは。シーズン終盤の大事な時だからこそ、チームの勝利を優先させる慎重な投球をしてほしかった。打線はグローバーの低めの球を打ちあぐね、8回途中まで得点できず。8回にチャンスを作り、マウンドから引きずり降ろし、二番手林も赤星に四球で1死満塁のチャンスを作ったが、反撃もそこまで。三番手豊田に関本、シーツが連続三振で望みを断たれた。
◎ベイスターズ21回戦……5−3
 下柳は立ち上がりを攻められ村田のタイムリーで1点を奪われる。しかし、3回裏、門倉から赤星が塁に出、関本とのエンドランが決まりライト線の二塁打で同点のホームを踏む。そして5回裏、下柳のヒットを足掛かりにチャンスを作り、金本がレフトスタンドに運ぶ逆転3ランホームラン。下柳は6回表に鶴岡にタイムリーを打たれたが、後続を断ち傷口を広げない。7回2失点で藤川にバトンタッチ。藤川も8回表、2者を三振に打ち取る快投。7回裏には三番手牛田から林が代打ソロホームランをライトスタンドに運び、だめ押し。9回表、ウィリアムスは小池の二塁打で1点を失ったが、なんとか逃げ切り、下柳の2年連続の10勝目を助けた。
◎ベイスターズ22回戦……6−1
 文句なしの圧勝。初回、土肥から濱中の先制タイムリー二塁打、鳥谷の2点タイムリーで一気に3点を奪う。2回裏には矢野の「完璧な当たり」がレフトスタンドに飛び込み、4点差。5回裏にはシーツのタイムリーも出て、土肥をノックアウトした。7回裏には二番手牛田から矢野が三塁アルプスのフェアゾーンに飛び込むソロホームランで6点目を入れて勝利を決定づけた。福原は緩急自在のテンポのよい投球でベイスターズ打線を寄せつけず、9回表、金城の二塁打で失点し惜しくも完封は逃したが、2試合連続の完投勝利で11勝目をあげた。この試合でベイスターズ戦は予定終了。18勝4敗という圧倒的な強さを見せつけた。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 中4日で連続完投勝利。勝ち星は11勝、規定投球回数に到達し、防御率でもカープの黒田に次ぐ2位に躍り出た。次の登板予定は中5日でドラゴンズ戦。安定感を増した右のエースの投球に期待大である。
野手……矢野輝弘 お立ち台で福原が2回続けて「矢野さんのおかげです」とやって満場をわかせたが、ここにきて勝負の機微を知る矢野がリード、打撃とも好調なのは大きい。

 次節は広島でカープと、ナゴヤドームでドラゴンズと6連戦。さらに次々節には甲子園に戻ってスワローズと2連戦するので都合8連戦となる。胸突き八丁とはこのことか。この1週間でペナントレースの最後の流れが決まると思う。前回苦杯を喫したカープにきっちりお返しをした上で、ドラゴンズに一気に追いついてほしい。正念場である。

(2006年9月11日記)


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