広島市民球場のカープ戦を3連勝で突破し、首位ドラゴンズを4ゲーム差にまで追い上げて迎えたナゴヤドームでの3連戦は、2戦目に山本昌にチームとしては41年ぶりとなるノーヒットノーランを食らっての敗戦などで2連敗。3戦目に一矢報いたものの1勝2敗と負け越してその差は5ゲームとまた少し開いた。しかし、鬼門ナゴヤで今季初勝利をあげ3タテだけは免れた。今後の展開次第ではまだ可能性は残されてはいる。とにかく残り試合を着実に勝っていくしかないのだ。今節は4勝2敗。今季通算71勝55敗4分、勝率.563。
また、二軍ではタイガースが連覇を果たした。島野監督が病気で倒れるという不安なスタートだったが、立石代行を中心に若手が活躍しての優勝だけに、来季以降の世代交代が楽しみだ。
◎カープ16回戦……6−2
初回、金本が大竹からライトスタンドにライナーで飛び込む先制2ラン。安藤はその裏梵にソロホームランを打たれて1点差とされるが、3回表、鳥谷のレフトスタンドに突き刺さる3ランで突き放す。4回裏、緒方のタイムリー二塁打で1点を奪われた直後、5回表には金本がこの試合2本目となるソロホームランをバックスクリーンに叩き込み、雨脚が強くなる中安藤は5回裏を抑え切り、降雨コールド勝ち。
◎カープ17回戦……5−4
初回、フェリシアーノからシーツが先制2ラン。矢野のセンター前タイムリーでさらに1点を追加し、楽勝かと思われた。しかし井川は2回裏に前田にソロホームランを打たれる。3回表、濱中が犠牲フライを打って寄り戻したが、その裏、新井の犠牲フライ、前田のタイムリー、広瀬の三塁のグラブを掠めるレフト前タイムリーで同点に追いつかれた。井川はこの回限りで降板。急遽登板した桟原が2イニングをぴしゃりと抑えれば、5回表には1死満塁から鳥谷のショートゴロの間に関本が生還して勝ち越し。8回表には失敗したものの関本がスクイズを試みるなど、1点を必死にとりに行く姿勢を見せた。6回以降は吉野、ダーウィン、ウィリアムスと小刻みに継投、9回には藤川が2三振を奪う好投を見せて締めくくった。桟原は今季初勝利。ドラゴンズは雨天中止のため、ゲーム差は4.5に。
◎カープ18回戦……4−2
2回表、佐々岡から金本が先制のソロホームラン。4回表には無死満塁で矢野の併殺の間に金本が生還して2点目をあげた。杉山は3回まで好投を見せたが、4回裏、新井のバックスクリーンへの2ランで同点に追いつかれた。しかし、6回途中から吉野、桟原、江草、ダーウィンとつないでなんとか無失点で切り抜けた。8回表、二番手高橋から関本がヒットを打つと、三番手梅津に交代。敬遠などでランナーをため、鳥谷がレフト前にタイムリーを放ち、ついに勝ち越した。9回裏にはウィリアムスがランナーを出しながらも懸命の投球で抑え切り、カープに3連勝。ダーウィンは来日初勝利。ドラゴンズは試合の予定がなくゲーム差は4に。
◎ドラゴンズ17回戦……0−7
川上の前に手も足も出ず。内外角の厳しいところを突かれて見逃し三振の山。初回、下柳は荒木にセンター前ヒットを打たれるが、緊張で動きの悪い赤星が前にこぼして二塁を陥れられる。井端の先制タイムリー、そしてアレックスにもレフト前に2点目のタイムリーを打たれた。先制を許して、打線も焦ったのだろうか。6回裏には谷繁のライトフェンス際のヒットを濱中がクッションボールの処理を誤ってタイムリーにしてしまう。7回裏に登板した久保田は満塁から井上の走者一掃タイムリーで3点を失い、8回裏にも桟原が荒木の二塁打で1点を奪われ、一方的な敗戦となってしまった。胃腸炎でシーツが欠場したのも痛かった。
◎ドラゴンズ18回戦……0−3
山本昌に史上最高齢となるノーヒットノーランを達成された。唯一の出塁は4回表、赤星が三塁森野のエラーで出たものだけ。ここは関本が送ってシーツ、金本に期待したが、いずれも打ちゴロの球をうまく外され凡退。福原は初回に井端に先制ホームランを打たれ、4回裏にはT・ウッズの2ランで沈んだ。それ以外は好投していただけに、もったいない。特に初回の先制点が試合の流れを決めてしまった。
◎ドラゴンズ19回戦……2−0
安藤が力投。内角を思い切って突く投球でドラゴンズ打線を完璧に抑え込んだ。6回まで朝倉の力強い投球に打ち負けていた打線だが、7回表、顔の近くに投げるボール怒ったシーツは四球。続く金本は動揺した初球を狙いすましたように左中間スタンドに叩き込む。9回表には二番手岡本を攻め1死満塁から久々に復帰の今岡が代打で登場したが、見逃し三振。タイガースは8回表途中で安藤からウィリアムスに交代。四球を出すと藤川にスイッチして逃げ切った。今季のナゴヤドームでのドラゴンズ戦は1勝10敗と大きく負け越してしまった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 沈滞ムードのナゴヤドームで、内角を思い切って突く気合いの入った投球を見せ、見事ドラゴンズ打線を抑え切った。望みは薄くなってきたが、それでもあきらめないという姿勢を見せてくれたのだ。
野手……金本知憲 カープ戦では雨中の2発、そしてドラゴンズ戦では3タテ阻止の先制ホームラン。鉄人金本もまだあきらめない。
甲子園でスワローズ2連戦の後、3日あけて週末は東京ドームでジャイアンツ3連戦。ここでとりこぼさなければ、再来週の週末にある対ドラゴンズのラスト3試合までまだ楽しみを持ちこせるだろう。とにかく残り半月、ドラゴンズの優勝が決定するまではなんとかしがみついていってほしいのだ。
(2006年9月17日記)