愛すれどTigers


あきらめない!執念の5連勝で3ゲーム差に

 甲子園でのスワローズ戦では優勝への執念をみせるサヨナラ勝ちなどで2勝。東京ドームのジャイアンツ戦では苦手の内海や姜から点をもぎ取り2勝。今節は4戦全勝。通算75勝55敗4分、勝率.577。ドラゴンズがスワローズに連敗しゲーム差は7月以来という3に縮まった。選手たちの気迫が違う。ヒーローインタビューで矢野はにこりともせず「絶対あきらめません!」と叫んだ。まだまだシーズンは終っていない。今、タイガースナインは今季最高の熱気をただよわせている。

◎スワローズ18回戦……6−5
 井川が初回につかまった。岩村とラミレスの連続タイムリーで2点を先制された。タイミングをずらそうと投げた間が甘いところに入ってしまうのだ。しかし、タイガース打線はあきらめない。藤井から2回裏に1死二三塁として矢野のセカンドゴロの間に金本が生還して1点を返し、3回裏に関本が同点ホームランをレフトスタンドに叩き込む。井川は2回以降よく抑えていたが、5回表にリグスにレフトスタンドに運ばれた。さらに6回表、鳥谷のエラーで先頭の岩村を出塁させ、福川にセンター前にタイムリーを打たれて2点差とされてしまう。6回裏、二番手の五十嵐を攻めて2死一三塁。ここでマウンドには石川が上がる。リリーフ慣れしていない石川から矢野がレフトスタンドに逆転3ランを放った。このまま逃げ切れるかと思ったが、二番手ダーウィンがリグスに2打席連続の同点ソロホームランを左中間スタンドに運ばれ、試合は振り出しに。スワローズは佐藤、花田、木田とリレーしてタイガース打線を封じ込み、タイガースは藤川、ウィリアムス、久保田のJFKリレー。延長11回表、久保田は福川と城石にあわやというような当たりを放たれたが、金本や赤星がよく守り、11回裏を迎えた。マウンドには七番手館山。関本、シーツの連打でチャンスを作る。特に関本はシングル性の当たりを果敢な走塁で二塁を陥れる活躍。金本が歩かされて満塁に。濱中の当たりは平凡なセンターフライだったが、二塁の田中浩が深追いし過ぎて青木が前進を躊躇、グラブからボールがこぼれ、関本がサヨナラのホームを踏んだ。
◎スワローズ19回戦……9−1
 先発川島から2回裏、矢野が四球を選び、藤本がライト戦を破る三塁打で返してまず1点を先制。続く杉山はライト線に二塁打を放ち2点目。6回裏、関本のソロホームランを皮切りに、濱中のタイムリー、矢野のレフト線への2点二塁打でこの回一挙4点を奪って川島をKOした。7回裏には佐藤から金本が一塁エラーで1点を加え、とどめは矢野の2点タイムリー。大差をもらって杉山も低めへのコントロールが冴え、スワローズ打線を翻弄する。9回表、今季初完封の期待もふくらんだが絶好調のリグスにソロホームランを打たれ、惜しくも完封は逃してしまった。しかし、それに落胆せず岩村とラミレスを内野フライに打ち取った。投打の噛み合ったすばらしい試合であった。
◎ジャイアンツ19回戦……11−2
 下柳は初回にイ・スンヨプのタイムリーで先制されたが、その後は得意のはぐらかすような投球が見られ、7回をこの1失点に抑え切った。打線は苦手の内海から2回表に濱中が逆転の2ランを放つ。4回表には2死から四球でチャンスを作り、矢野のライトフライを矢野謙が弾いてさらに2点追加した。内海は5回を投げ切ったところで降板する。6回表、二番手の野間口から藤本がライトスタンドに運ぶホームランで1点を追加し、勝負を決めた。8回表には1死満塁から赤星と関本の連続タイムリーなどでさらに4点を追加した。8回裏、二番手江草は小久保にホームランを打たれたものの、後続を断ち9回表には前田から1点を追加して大勝。
◎ジャイアンツ20回戦……4−1
 初回、姜がランナーを三塁においてワイルドピッチ。幸運な先制点をあげる。5回表には1死一三塁から金本のタイムリー、濱中の2点二塁打で3点を入れて試合を決した。福原は必ずしも最高のできとはいえなかったが、6回裏に二岡にタイムリーを打たれて1点を失ったのみ。ここでは藤本がファインプレーを連発して福原を助けた。7回からウィリアムスが、9回は藤川がマウンドに立ち、ランナーは出しながらも落ち着いて打者を打ち取り、見事に逃げ切った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……杉山直久 今季初完封目前でホームランを打たれたのが残念。しかし、今季期待を裏切り続けてきたホープが、ここにきてこの好投。なにか勢いを感じる。
野手……関本健太郎 スワローズ戦での大活躍、ジャイアンツ戦でも安打を稼ぎ、今岡が戻ってきてもサードのポジションは譲らない。赤星の不調が続く中、2番を打つ関本の猛打はそれを補って余りある。

 次節は、甲子園で6連戦。まずはカープと3試合した後、いよいよドラゴンズとの最後の3連戦だ。泣いても笑ってもこの3試合が最後の直接対決。今シーズンの総決算といえるような白熱した試合を見せてほしい。やるだけやって駄目でも、私は何も文句はいわない。あ、駄目でもとかいうてる段階でもうあかんな。ここらが長年タイガースファンを続けてきた者の気持ちの持ちようというのかなんというのか。とにかく勝って! それだけ!

(2006年9月25日記)


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