愛すれどTigers


竜虎合い討つ首位決戦で痛い1敗

 甲子園でのカープ戦で3連勝し、迎えたドラゴンズとの首位決戦。1勝1敗となったところで雨中止。3連勝すればゲーム差なしという状況での1敗は大きかった。甲子園での最終戦は10月なかばになるだろうが、その時、優勝争いはどうなっているだろうか。ドラゴンズのマジックは7に。今節は4勝1敗。通算79勝56敗4分、勝率.585。首位ドラゴンズとのゲーム差は3.0と変わらず。この雨が今後の展開をどう変えるか。

◎カープ19回戦……3−2
 先制したのはタイガース。小島から初回にシーツのタイムリー二塁打と濱中のセンター前タイムリーで2点を奪う。安藤は安定した投球で5回まで2安打無失点。6回表、新井の犠牲フライで1点を返され、さらにピンチは続いたが、森笠のライトライナーを濱中がよく走って好捕。安藤を助けた。そして6回裏、鳥谷がライトスタンドへ決勝点となるホームランを放つ。7回表、二番手ダーウィンが死球とヒットでピンチをつくり、なんとか2死をとったが緒方の内野ゴロの間に1点を失った。代打に前田を迎えたところで降板、三番手吉野も連続四球で満塁のピンチ。ここで久保田を投入し、井生をショート頃に打ち取って難を逃れた。あとはウィリアムス、藤川の必勝リレー。連勝を6にのばした。
◎カープ20回戦……5−1
 4回裏、関本がロマノからこの試合の初安打を放つと、シーツがレフトスタンドに先制2ラン。金本が二塁打で続き、濱中が追い討ちの2ラン。これで試合は決まった。5回裏にも金本の二塁打で1点を追加。井川は今季最高の投球内容で8回に森笠の内野ゴロで1点を失ったものの、完投勝利。試合終了の瞬間、井川の目から涙が止まらない。涙の意味はともかく、ドラゴンズも勝ち続けているのでこの勝利は大きかった。
◎カープ21回戦……6−0
 初回、佐々岡から金本が遠慮なしの先制2ランをライトスタンドへ。この先制は効いた。6回までは佐々岡の投球に沈黙してしまったが、7回裏、1死一二塁で代打林がライト前に貴重な追加点となるタイムリー、赤星もライト前にタイムリーで佐々岡を降板させた。二番手梅津からも赤星の盗塁と捕手の悪送球が重なっている間に秀太が生還しこの回3点目。関本にもタイムリーが出て一挙4点のビッグイニングとなった。杉山は7回途中まで無失点の好投。杉山の調子が落ちるとウィリアムスを投入してピンチの芽を摘む。8回表には久保田が満塁のピンチをつくるが、井生を併殺に切ってとって切り抜けた。最後は桟原で締め、8連勝。
◎ドラゴンズ20回戦……4−0
 いよいよ首位決戦。先発は下柳と川上。下柳は初回にヒットを2本許したが併殺などでピンチを切り抜け、以後は6回まで相手をかわし切る。5回表には英智のフェンスぎりぎりのセンターフライを赤星が好捕。6回表には井端のフェンス直撃かというレフトライナーを金本がみごとにキャッチ。下柳をもり立てた。2回裏、濱中がライト前ヒットで出塁すると、川上が暴投。このチャンスに矢野がライト前にタイムリー。そのあとしばらく川上のカットボールを打ちあぐねていたが、7回裏、金本のセカンドゴロを荒木が弾いてエラーで出塁、濱中と矢野のヒットなどで2死満塁に。ここで岡田監督は復帰後ヒットのない今岡を代打に起用、外角のカットボールをセンター右に持っていって走者一掃の二塁打。これで試合は決まった。7回にはウィリアムス、そして8回に投入した久保田が2死一二塁のピンチをつくると、迷わず藤川を投入し、見事に逃げ切った。藤川も150キロ台の速球をひさしぶりにびしびしと投げ込んだ。これでゲーム差は2.0に。連勝は9にのばした。私はスタンドで見ていたが、しびれるようなすばらしい試合だった。
◎ドラゴンズ21回戦……1−7
 前回ノーヒットノーランを食らった山本昌から初回に先制。金本がライト前にタイムリーを放って赤星を迎入れる理想的な得点だ。しかし、以降は山本昌の老獪な投球に翻弄される。福原は4回まで無失点の好投。しかし、5回表に荒木、福留のタイムリーで逆転を許してしまった。そして7回表、先頭の谷繁を歩かせ、山本昌のバントを矢野がつかみ損ねて落す。続く荒木のバントは福原が一塁に悪送球で満塁に。井端の二塁打で2点、さらに森野の犠牲フライで1点を追加され、試合は決した。8回表には久保田が荒木のタイムリーなどで2失点。ドラゴンズのマジックは7に。焦りからくるエラーで失点を重ねたのは、ここに来て感じ始めたプレッシャーからか。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 完投勝利をおさめた瞬間からとどめなく流れた涙は何を意味していたのか。やっとチームに貢献できたという思いか、甲子園への惜別の涙か。
野手……濱中治 今節は絶好調。カープ戦でのここぞという時のホームランといい、ドラゴンズとの最初の試合の猛打賞といい、ここにきて存在感が増してきた。今の経験が来季へのステップアップの糧となることは間違いなかろう。

 次節は、神宮でスワローズ3連戦、甲子園でジャイアンツ2連戦。雨中止の後でもあるし、気持ちを入れ替えて再び勝ち続けてほしい。まだドラゴンズとの決着はついていないのだ。最後に笑うためには勝つしかないのだ。

(2006年10月1日記)


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