神宮球場でのスワローズ戦で2連勝し、甲子園でのジャイアンツ初戦に勝ったところでドラゴンズとのゲーム差は2.0に。しかし、第2戦に敗れ、まだドラゴンズの優勝は確定していないまでも、奇跡の逆転優勝の望みはほぼ断たれた。今節は3勝1敗。ドラゴンズのマジックは2に。通算82勝57敗4分、勝率.590。しかし、この時期まで優勝争いを続け、ドラゴンズにマジックが出てから1ヶ月半も苦しめたのだ。たとえ優勝はできなかったとしても、選手たちがこのタフな優勝争いの感触を忘れていなければ、来季以降大きな財産になるだろう。ありがとう、タイガースナイン!
※なお、スワローズ戦の選評はリアルタイムで追うことができませんでしたので、録画したスポーツニュースと新聞記事を参照しました。
◎スワローズ20回戦……4−0
井川と石川の両先発投手が好投。6回表、濱中のタイムリーでタイガースが先制、石川は鳥谷に四球を出して降板、続く矢野が二番手花田から2点タイムリーを放つ。9回表には四番手坂元から関本がタイムリー。井川は3安打で三塁を踏ませない完封勝利。この試合で金本が連続試合出場記録を1181とし、歴代単独4位に。
◎スワローズ21回戦……4−2
スワローズの先発石井一から2回表に矢野が3ラン。プロ入り通算100号アーチが優勝への望みをつなぐ大きな一発となる。3回表には金本のタイムリーで4点目。安藤は3回裏にリグスの2点タイムリーを打たれるが、そのあとは要所を締めて7回途中までを抑え切る。8回まで藤川が投げ切り、9回はウィリアムスが抑えて快勝した。
◎ジャイアンツ21回戦……5−3
苦手の内海から2回裏、金本がライトフェンスぎりぎりいっぱいに入るホームランを放って先制。4回裏には濱中が三塁アルプス席のポール内側に飛び込むホームランで2点差とする。福原は7回まで、2回も満塁の危機を迎えるが、赤星や鳥谷がライナーを好捕するなどバックに助けられて0点に抑える。こうなると必勝リレーというわけで、8回表にウィリアムスが登板したが、高橋由にレフトスタンドにライナーで飛び込む同点2ランを打たれてしまった。しかし、8回裏、三番手久保から赤星がレフト前にヒットを打ってチャンスをつくると、関本が確実に送り、久保の暴投で三塁まで進む。シーツはセンター前に弾き返して勝ち越し。そして金本がレフトスタンドへ打った瞬間それとわかる2ランホームラン! 9回表、藤川は変化球を狙われて清水にソロホームランを打たれたが、最後はきっちり抑えて逃げ切った。ドラゴンズの敗戦でゲーム差は2に。
◎ジャイアンツ22回戦……1−5
デーゲームでベイスターズがつまらぬエラーからドラゴンズに逆転を許した。それで気落ちしたか堅くなったか、タイガース打線は若い西村の前に凡打の山。チャンスをつくってもランナーを返せない。井川は初回にイ・スンヨプに先制タイムリー二塁打を打たれたものの、2回以降はほぼ完璧な投球で打線の奮起を待つ。6回裏、2死満塁のチャンスに井川に代打林を出して勝負にいった岡田監督だったが、初球に手を出して投手ゴロ。7回表には安藤を登板させる総力戦。7回裏、1死二塁からシーツがレフト前にしぶとくはコンで赤星が生還し、同点とする。しかし、続く金本はサードフライに倒れる。ふがいなさに怒った金本はヘルメットをグランドにたたきつけて悔しがった。ジャイアンツは林、豊田、高橋尚を投入、タイガースもウィリアムス、藤川をつぎこむ。9回裏、高橋尚を攻めて2死一二塁とし、藤川に代打今岡を出して勝負にいったが、今岡はかなりファールで粘ったもののライトフライに終る。延長10回表、五番手久保田は球に力がなく、1死から4連打を浴び、イ・スンヨプと高橋由のタイムリーで2点を失う。小久保を打ち取ったあと、阿部と斉藤に連続タイムリーを浴び、この回4失点。10回裏、先頭の鳥谷がヒットで出塁したが、矢野は打ち上げ、代打浅井はダブルプレー。優勝の望みは断たれた。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 神宮で完封、甲子園でも1失点のみに抑える好投。メジャーへの移籍を希望しているにしても、ここで見せた力投はアメリカでプレーする時のためにも大きな経験となるだろう。
野手……矢野輝弘 タイガース在籍の捕手としては田淵幸一さん以来という通算100ホームランを達成。そのほとんどがタイガース移籍後に打ったものであることを思うと、久慈と関川を出してまでも獲得した(いってもトレードの目玉は大豊だったが)当時の編成部の英断と、矢野本人の努力を讃えたい。
10月9日のスワローズ−ドラゴンズ戦はドラゴンズの大勝に終り、マジックはいよいよ1に。ドラゴンズは10日にジャイアンツと対戦する。いらんところでタイガースをいじめたジャイアンツよ、ここは素直に負けて目の前で胴上げを見なさい。下手に勝ったりしてはいかんよ。というのも、12日の今季最後のドラゴンズ戦は甲子園の最終戦なので、私は球場まで見に行くのです。目の前で相手の胴上げは見たくない! タイガースが意地でも胴上げを1日でも先にのばすべく総力を挙げて勝ちにいくことを祈るしかない。
(2006年10月9日記)