愛すれどTigers


片岡涙の引退、井川奪三振王に

 10月10日にドラゴンズがジャイアンツを破り自力優勝を決めた。翌々日の甲子園での最終戦は、ドラゴンズに勝って安藤に10勝をプレゼント。この試合で片岡篤史内野手が引退し、引退式が行われた。広島市民球場のカープ戦では新人岩田がプロ入り初登板初先発。野手も喜田、赤松、坂などでかためて若手に一軍を経験させたが、残念ながら敗れる。今季最終戦となった神宮球場のスワローズ戦は、井川に奪三振王のタイトルを取らせるべく先発させ、みごとに川上(D)と並ぶ194三振を記録してタイトルをものにし、チームも勝利で今季を締めくくった。
 阪神タイガース、今季の成績は84勝58敗4分。勝率.592。セントラルリーグ2位。首位ドラゴンズとの差は3.5ゲーム。80勝をこえる成績で2位ということが、今季のタイガースの激しい追い上げを物語る。
※なお、カープ戦とスワローズ戦の選評はリアルタイムで追うことができませんでしたので、録画したスポーツニュースと新聞記事を参照しました。

◎ドラゴンズ22回戦……5−1
 2回裏、マルティネスから安藤が自らライト前ヒットを放って先取点を奪うと赤星もレフト前にタイムリーを放って2点を選手。安藤は3回まで一人の走者も許さず、4回表には連打を浴びたがアレックス、森野を連続三振に打ち取り、7回表に森野にソロホームランを打たれてこの回限りで降板するまで、好投を続けた。5回裏、引退試合で先発していた片岡がセンター前にプロ入り最後の打点となるタイムリーを放つ。6回裏には二番手の若い吉見から関本の二塁打と林の三塁打で2点を追加し、勝利を確定した。8回以降はウィリアムス、藤川とつないだが、藤川はシーズンの疲れからか速球に威力がなく、四球とヒットでピンチをつくった。それでも落ちる球を有効に使い若手のホープ新井を三振に、因縁の井上をセカンドゴロに打ち取って今季最終登板を無失点で飾った。試合終了後、片岡の引退セレモニーが行われ、高校同期の立浪やファイターズ時代からのチームメイト下柳らから花束を受け取り、グランドをゆっくり一周し、三塁ベース付近で胴上げが行われた。
◎カープ22回戦……2−6
 初回、大竹から鳥谷がホームランを放ち先制。ヒットの連打でチャンスをつくり、喜田がプロ入り初打点となる2点目をあげる。しかし、プロ入り初先発の岩田はすぐにベテラン前田に同点ホームランを打たれ、四球のランナーを暴投の連続で三塁に進め、広瀬のサードゴロの間に勝ち越しのホームを踏まれてしまう。ほろ苦いデビュー登板となった。2回裏、岩田は鳥谷のエラーでさらに1点を奪われ、3回を投げ切って降板した。タイガース打線は2回以降、大竹、川内、小山田、梅津、永川という小刻みなリレーの前に沈黙。7回裏、伊代野が倉に2ランを浴び、リードを広げられてしまった。若手は来季に向け、この試合を糧としてほしい。
◎スワローズ22回戦……3−0
 初回、石川から金本の2ランで先制。6回表には二番手坂元から林がソロホームランを放ち、リードを広げた。井川はこの試合10三振を奪うと奪三振王のタイトルに手が届く。8回表まで7奪三振。9回のアウトは全て三振にとらねばならないというところで、岩村、ラミレス、田中浩を三振に打ち取り、今季14勝目を完封とタイトル奪取で飾った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 2年連続となる10勝を、しかも片岡の引退試合に花を添える形であげた。途中中継ぎにまわったりとフル回転だっただけに、この10勝には意味がある。
野手……金本知憲 最後の試合を締めくくったのはやっぱりアニキだった。今年も最終戦までフルイニング出場を続けた。鉄人はまだまだ若手にその座を譲らない。

 かくして、最後まであきらめなかったシーズンは終了した。いわゆる消化試合が3試合にとどまったことを特筆しておきたい。今季の終盤の驚異的な追い込みは、来季に生きるものと信じている。
 年間総括は次回に行いたい。いまはただ、みんなしっかり休んで疲れを取ってほしい。

(2006年10月17日記)


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