愛すれどTigers


ダメ虎復活?あえなく7連敗

 横浜球場のベイスターズ戦は、初日を雨で流して気分が変わるかと思われたが、投手がゲームを作れば打線がふるわず、打線が追いついたら勝ちパターンのウィリアムスがホームランを打たれたりとちぐはぐな展開で2連敗。甲子園に戻ってカープ戦、こちらも打線が完全に力の入り過ぎでチャンスに打てず2連敗したあと、3試合目は雨で流した。前節の3連敗から続いて7連敗となり、まだストップしていない。今節終了時点で12勝17敗1分、勝率.414。首位ジャイアンツとは6.0ゲーム差で5位。最下位スワローズとのゲーム差はわずかに1.0。お尻に火がついてきた。「ダメ虎」と呼ばれていた時期を思い出させる負けっぷりである。

◎ベイスターズ4回戦……0−4
 下柳は2回裏に吉村の犠牲フライ、3回裏に内川の三塁打、4回裏に相川のタイムリー、6回裏に仁志のタイムリーと、ピンチをしのぎ切れずじわじわと失点を重ねる。対するベイスターズ三浦はタイガースを見下ろすような投球で狙い球を絞らせず、7〜8回にかけてはなんと6者連続三振という投球。9回表、シーツ、林、藤本のヒットで満塁としたものの、走塁に積極性を欠いて一気にホームをつくような姿勢が見られず、期待の代打狩野が内野ゴロに打ち取られて完封負けを喫した。
◎ベイスターズ5回戦……6−7
 ベイスターズの先発吉見は二軍から上がったばかりで決して本調子ではない。こういう試合はものにしなければならないのだが、怪我が完全に治っていないジャンも吉見に調子を合わせてしまう。1回表、金本のタイムリーで先制したものの追加点が取れず。その裏、村田のタイムリーで同点にされる。2回裏には吉見の犠牲フライ、鈴木尚の内野ゴロで2点を奪われた。2回表と4回表にはそれぞれ矢野と関本が連打でチャンスを作ったのだが、ジャンに代打を送ることができない。結局チャンスはそこで断ち切られ、流れがつかめない。しかも続投したジャンが3回裏には金城のホームラン、4回裏には古木のタイムリーで1点ずつ失って5失点。5回表には先頭のシーツが内野安打で出塁したが金本が併殺、その直後に今岡がソロホームランというチグハグな攻撃で1点しか取れない。ジャンは5回表、2死一二塁としたところで降板、左打者の石井琢に左腕の江草をぶつけたが6点目となるタイムリーを打たれてしまった。7回表、久々に反撃が始まった。二番手の牛田から鳥谷と赤星の連打でチャンスをつくり、金本が歩いて満塁に。三番手木塚の前に今岡は三振に倒れたが、四番手那須野から林が2点タイムリー! さらに8回表、五番手ホセロから1死満塁でシーツが押し出しの四球を選び、金本の犠牲フライでとうとう同点に追いついた。しかし、満を持して登板したタイガースの五番手ウィリアムスが、村田にまさかの決勝ホームランを打たれてしまう。ベイスターズはクルーンを投入して、逃げ切った。勝てた試合なのに、全体にチグハグな好守で流れを逃してしまったという感じだ。
◎カープ7回戦……5−11
 福原が初回にいきなり新井の犠牲フライで1点を失ったが、悪いなりに後続は断った。3回表、栗原のレフトスタンドへの2ランで5回3失点という結果に終ったが、前回の登板よりはゲームを作れるようになってきてはいる。タイガース打線は前回もしてやられたフェルナンデスのナックルに5回まで2安打とふるわず。6回表には二番手渡辺がヒットと四球でピンチを招き、すぐに江草に交代。森笠、嶋に連続タイムリーを浴び、満塁のあとは梵、松本に連続押し出し四球でマウンドを伊代野に譲った。伊代野が栗原を三振に打ち取り、流れがきた。6回裏、ついにフェルナンデスを捕まえる。赤星の二塁打などでチャンスを作り、林が2点タイムリーを放てば、矢野もライト前のタイムリーで続く。ここでフェルナンデスはふくらはぎに異常を訴え降板。二番手広池から代打狩野が2点差に詰め寄る2ランをレフトスタンドに運ぶ。ここから勝ちをもぎ取るぞと7回表に登板した久保田が大誤算。いきなり新井にホームランを打たれ、さらに満塁にして梵に走者一掃の三塁打を打たれ、大差をつけられてしまった。カープは林、高橋の継投で逃げ切り。江草は二軍落ちで橋本健が一軍に復帰することになった。赤星が7回表にダイビングキャッチを試みて首痛を悪化させ退場。次の試合も欠場して様子を見ることになった。
◎カープ8回戦……0−2
 ついに打線を大きく動かした。欠場の赤星に代わり、今岡が一番に。鳥谷が二番に入って五番は林。九番に赤松を入れてなんとかつながりを持たせようという苦肉の策である。しかし。結果はベテラン佐々岡の前に7回を5安打無失点。対するボーグルソンは前回までの汚名返上という投球。5回途中までノーヒットの好投だったが、5回表の先頭前田智に出した四球が命取りに。森笠の投手ゴロで二塁に進まれ、この試合初めてヒットが嶋のタイムリーに。6回表には新井にタイムリーを打たれて2失点となったが、狩野の大胆なリードで別人のようなすばらしい投球を見せてくれた。7回裏、唯一のチャンスがまわってくる。金本の二塁打と狩野のヒットで1死一三塁。ここで先日前田忠にかわって一軍に帰ってきたベテラン桧山が代打に送られたが、センター返しは不運にも投手ゴロとなり併殺、逆転の好機を逸した。カープは梅津、永川の必勝リレーで逃げ切り、タイガース戦5連勝となった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……中村泰広 敗戦が続く中、敗戦処理のリリーフとして登板しながら、連日よく健闘している。オープン戦では結果がともなわずに開幕一軍を逃したが、得意のスライダーと速球で実績を積みつつある。思い切って先発させてみるのも面白いかもしれない。
野手……林威助 5番に昇格した試合では打てなかったが、それまでは打てない中軸を助けるようにコンスタントに好打を放っている。このチャンスで一気にレギュラーを奪ってほしい。

 赤星がダイビングキャッチの際に持病の首痛を悪化させ、欠場した。代役の赤松はまだまだ持ち前のパワフルなバッティングができていない。今のタイガースの野手で生き生きしているのは林と狩野くらいだ。赤松にはこのチャンスに赤星からレギュラーを奪うくらいの気持ちで活躍してほしいのだが。次節は甲子園でのジャイアンツ戦、神宮でのスワローズ戦。首位のジャイアンツは強敵だが、甲子園のジャイアンツ戦はタイガースを燃え立たせるものをもっている。このままずるずるいく戦力ではないだけに、このジャイアンツ戦をきっかけに近年のタイガースらしさを取り戻してほしいものである。

(2007年5月7日記)


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