愛すれどTigers


悪夢の再現、マリーンズに屈辱の大敗

 過去2年は得意としてきたセ・パ交流戦だが、今年は様相が違う。ヤフードームのホークス戦は1勝1敗で乗り切ったが、京セラドーム大阪とスカイマークのバファローズで2連敗。本拠地甲子園ではマリーンズに一昨年の日本シリーズの悪夢を思い出させるような大敗を喫して2連敗。今節はなんと1勝5敗。しかも、正捕手の矢野がふくらはぎ痛で、そしてホールドポイントトップのウィリアムスも肩痛で戦列を離脱という緊急事態に。いったいどうなったのか、タイガース。本当に「ダメ虎」に逆戻りしたのか。今節終了時点で20勝27敗1分、勝率.426。首位ジャイアンツとは7.5ゲーム差で5位。4位のベイスターズとのゲーム差は1.5。

◎ホークス1回戦……1−2
 福原が2回裏に伏兵森本の二塁打で1点先取されたが、そのあとはよく踏ん張った。しかし、打線は苦手の杉内に手も足も出ない。援護のないまま、福原は7回裏に山崎、大村に連打を浴びてピンチを招き、降板。二番手の久保田が本多にタイムリーを打たれて貴著な中押し点を奪われた。9回表、ホークスの抑えの切り札馬原から金本が特大のソロホームランをライトスタンドに放り込んだが、反撃もそこまで。
◎ホークス2回戦……3−1
 初回、やはり苦手としている和田から金本が先制タイムリー。2回表には林のタイムリーで2点目を奪って主導権を握る。下柳は内外角に細かく投げ分け、4回裏のアダムのソロホームランの失点だけに抑えた。7回表にはシーツのタイムリーも出て決定的な3点目をとった。6回途中からは久保田、ウィリアムス、藤川のJFKトリオが登板し、見事逃げ切った。
◎バファローズ1回戦……1−2
 ボーグルソンは4回裏、先頭打者のラロッカを歩かせ、ローズにバックスクリーンに飛び込む2ランを打たれて先制された。しかし、7回2失点は責められるような内容ではない。タイガース打線はカープ時代から苦手にしているデイビーに完全に抑え込まれた。8回表、先頭打者赤星のタイムの取り方にいらついたデイビーが暴言退場。デイビーからは6回表のシーツのソロホームランだけ。8回、吉田、本柳から四球を選んで一死満塁としたが、頼みの林が凡退するなどして同点に追いつく事さえできなかった。
◎バファローズ2回戦……0−7
 ジャンが初回に北川の2点二塁打、下山のタイムリー二塁打であっという間に3失点。2回を投げたところで降板した。続く能見は4回裏に村松のタイムリーなどで2失点。6回裏には橋本健がラロッカに2ランを浴びて試合は決した。バファローズ先発の平野佳は緩急のメリハリがついた投球でタイガース打線を寄せつけず、高木、大久保とつないで完封勝利。
◎マリーンズ1回戦……3−14
 杉山はいきなりTSUYOSHIに死球。動揺したのか福浦、ベニーなどのタイムリーで3失点。さらに2回表にも四球と連打で4点を失い、回の途中で降板した。2回裏には林のホームラン、6回裏には金本の内野ゴロでそれぞれ1点のみにとどまり、マリーンズの勢いとは対照的な結果に終った。8回表には中村泰が今季初失点。9回表には能見が里崎、ベニーの連続ホームランに満塁押し出し四球に暴投とあらゆるパターンで5失点。二軍落ちが決まった。9回裏、マリーンズの藤田が金本に故意かと思われる死球を当て、両チームが揉み合いになるという後味の悪い試合であった。
◎マリーンズ2回戦……0−10
 福原は2回表に青野のタイムリーで先制点を奪われたが、5回まではさすがと思わせる好投。しかし、マリーンズ先発の小林宏の前に凡打の山。5回裏、今岡と狩野の連打で逆転のチャンスを作るが、福原三振、赤星と関本も凡打を打たされチャンスをつかめなかった。その直後の6回表、サブローのタイムリーと青野の満塁本塁打で一気に7失点。試合はこの時点で決まった。7回表には桟原がサブローのホームランなどで2点を失い、2試合連続10点差をつけられて負けるという屈辱的な大敗を喫してしまった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 ベテランが本来の持ち味を発揮し始めた。ホークスの強力打線を見事に見下す投球術で久々の勝利をもぎ取った。チームが苦しい時だけに、ベテランの好投は光る。
野手……林威助 今はもう林しかいないという感じだ。他の選手も林の打撃を見習って思い切り振り切っていけばいいのに。

 赤星が復帰したが万全ではなく、シーツもスタメンを外される。鳥谷は不調に陥り、元気なのは林と桜井、そしてジャンに代わって満を持して一軍に上がったダーウィンだけという感じだ。次節は甲子園でライオンズ、そし札幌に飛んでファイターズと、波に乗るチームが続く。エンドランや盗塁などを多用するマリーンズにやられっぱなしだったが、タイガースも調子のいいチームのいいところはどんどん取り入れるべきだろう。甲子園では昔ながらの野次が飛び交い始めているという。ああ泥沼! 

(2007年5月29日記)


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