交流戦が終り、4日間のインターバルをはさんでリーグ戦が再開された。横浜球場でのベイスターズ3連戦は、初戦は雨で流れ、そのあと2連勝。目の上の直接の相手だけに、この連勝は大きい。交流戦ではもうひとつ調子に乗り切れなかった金本が2試合連続ホームランを放ち、若い坂克彦がプロ入り初安打をホームランで飾るなど、新旧の選手の活躍が噛み合っての連勝だけに、これ以降のリーグ戦に展望が開けた感じだ。今節終了時点で30勝36敗2分、勝率.455。首位ジャイアンツとは11.0ゲーム差で4位。3位のベイスターズとのゲーム差は4.0。
◎ベイスターズ9回戦……8−2
苦手の三浦を2回表に攻略した。金本が二塁エラーで出塁し、今岡、林の連打で満塁に。横浜球場とは相性のいい矢野がセンターオーバーフェンス直撃の二塁打で2点を先制。下柳の高く弾む二塁ゴロの間に林が生還して大きな3点目を入れた。下柳は3回裏2死満塁のピンチを作るが、小池を冷静に内野フライに打ち取り窮地を脱した。6回裏、吉村のホームランで1点を失ったところで久保田にスイッチ。久保田はきっちり後続を断つ。7回表、二番手木塚、三番手那須野を攻めたてチャンスを作り、代打桜井のセンター前へのタイムリーで1点を返し、8回表には四番手高宮からシーツの犠牲フライ、金本のライトスタンド前列へのソロホームラン、林のライトスタンドへ突き刺さる完璧な当たりの2ランでこの回一挙4点を奪って試合を決めた。久保田のあとは橋本健が2イニングをきっちり抑え、大差がついた9回裏には渡辺が登板、鳥谷のまずい守備などで1点は失ったものの3位べいすたーずをまずはしっかり叩く事ができた。
◎ベイスターズ10回戦……5−1
先制したのはタイガース。3回表、寺原から坂が内角をうまくさばいてライトスタンドにプロ入り初安打がホームランとなるすばらしい当たり。しかし、タイガースの先発上園は、4回裏、高校時代のチームメイト吉村からレフトスタンドに同点ホームランを打たれてしまう。それでも上園は気持ちの切り替えがうまく、そのあとも強気の投球でベイスターズを抑える。5回表、野口がヒットで出ると、坂がレフト線の二塁打で続き、上園がライトへ犠牲フライを放って1点リード。続く鳥谷もレフト前にタイムリーを放ち、突き放す。6回表には金本の2試合連続のソロホームランが出て、3点差に。6回以降は久保田、ウィリアムスが登板し相手を寄せつけない。8回表には二番手三橋から野口がタイムリーを打って4点差と開く。セーブのつかない場面だったが9回には藤川が登板し、JFK揃い踏みで連勝を決めた。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 リーグ戦再開初戦に、得意の緩急差を生かした投球術でベイスターズ打線を抑えた。この勝利でチームもリズムに乗った感じだ。ここ一番でのベテランの底力を感じさせるピッチングはみごとだった。
野手……金本知憲 2試合連続のホームランで三浦、寺原の2本柱を沈めた。さすがは4番打者である。ほかにいうことなし。
林の好走塁、上園の好投、桜井の好打など、若手の活躍が目立った。反面、3番にすえたシーツが本来の打撃を取り戻せず。シーツのプライドもあるかもしれないけれど、林を一塁にまわし、桜井と庄田をライトとセンターで競争させるという選手起用もあっていいと思う。ファイターズやマリーンズのように、若手がのびのびとプレーするチームは勢いがついてくる。勢いだけで乗り切れない時こそベテランに助けてもらう時だ。今のタイガースなら、それができるはずだ。次節は倉敷と甲子園でスワローズ戦。こちらもリーグ戦再開後2連勝と上げ潮だけに、侮れない相手だ。そしてナゴヤドームに乗り込んでの2位ドラゴンズとの3連戦が週末には待っている。不思議な日程で、そのあとはジャイアンツ−ドラゴンズ−ジャイアンツと3チームのリーグ戦みたいになってしまうだけに、鬼門とかそんなことはいっていられない。勝率5割に向けて1戦ずつものにしていってほしい。
(2007年7月2日記)