愛すれどTigers


鬼門ナゴヤドームで下柳100勝達成!

 倉敷マスカット球場でのスワローズ戦に勝って連勝を3にのばしたあと、甲子園に戻って2連敗。嫌なムードもただよったが、鬼門ナゴヤドームで下柳がプロ入り通算100勝を達成し、流れが変わった。2戦目は落したものの3戦目はとって2勝1敗と勝ち越した。これで今節は3勝3敗。今節終了時点で33勝39敗2分、勝率.458。首位ジャイアンツとは9.5ゲーム差で4位。3位のベイスターズとのゲーム差は4.5。
 なお、オールスターのファン投票の結果、藤川球児投手が抑え投手部門で選出され3年連続の出場を決めた。監督推薦では久保田投手が選ばれたが野手は一人も選ばれず、今季の状態をはっきりと示す形になってしまった。

◎スワローズ9回戦……2−1
 先発ジャンは3回表にラミレスにホームランを打たれたが、それ以降は抑えて7回を投げ切った。コントロールのよさがだんだん結果につながるようになってきた。ボークを取られることもなくなり、勝ち星こそつかなかったが、次の登板に期待を持たせる投球だった。スワローズの先発石井一は低めのコントロールがさえ、4回裏に林がライトスタンドに同点ホームランを叩き込んだが、こちらもその1発だけ。スワローズは高井、木田とつなぎ、タイガースは久保田、ウィリアムス、藤川とつないで試合は延長戦に。11回表、橋本健が速球で押してスワローズを三者凡退に抑える。そしてその裏、四番手遠藤から先頭の金本が四球で出塁し、林のヒットなどで2死一三塁に。打席には途中代走からの出場となった藤本。渾身のピッチャー返しは遠藤のグラブを弾き、あわてて拾いにいったが間に合わず尻餅をつく。三塁ランナーが帰り、ついにサヨナラで勝利をもぎ取った。
◎スワローズ10回戦……1−4
 高卒からのプロ入り2年目の若竹が初登板初先発。2回表、ガイエルに四球を与え、宮本のサードゴロは今岡の送球が間に合わず内野安打に。そして福川にレフトスタンドに運ばれる。苦いデビュー戦となったが、3回以降は持ち味の超スローカーブが決まり出し、5回を投げ切った。若竹をリードする野口が5回裏にスワローズ先発の若い松岡からレフトスタンドにホームランを放ったが、結局得点はこのホームランのみ。二番手江草がラミレスにソロホームランを打たれ、打線は高井、吉川、木田のリレーの前に沈黙。不振のシーツを外したけれども、結果は変わらず。
◎スワローズ11回戦……3−4
 初回、藤井から赤星がヒットと盗塁でチャンスを作り、金本がタイムリー。先制点はタイガースだった。しかし、福原は2回表、宮本の2ラン、福川のソロと2本のホームランで3失点。あっさり逆転を許してしまった。タイガースはじわじわ追い上げる。5回裏、関本と桜井のヒットで作ったチャンスは鳥谷の内野ゴロで1点を返すという形に。つづく6回裏には金本がソロホームランで同点に追いついた。7回表、マウンドには必勝リレーでウィリアムスが上がる。レフト前ヒットの渡会を一塁に置き、続く青木はサードゴロに打ち取ったが、併殺を焦った今岡が二塁へ悪送球、ラミレスのセンター返しは鳥谷が一歩遅れて取り切れず、二塁手の関本がバックアップしてもホームには間に合わず、痛い失点となった。9回裏、四番手遠藤から庄田が四球を選ぶ。続く藤本のライト線へのヒットでランナーは三塁に打席には坂。おしいファールのあと、捕手の福川が遠藤の落ちる球を横に弾いた。庄田は一気にホームを突こうとしたが、バウンドしたボールは捕手のもとにまっすぐ戻ってきて三本間にはさまれアウトに。坂はヒットを打ってつないだが、鳥谷の内野ゴロで万事休す。
◎ドラゴンズ7回戦……2−0
 ドラゴンズの先発は久々の登板の山井。初回、赤星と鳥谷の連打と今岡の四球で2死満塁。林の打球はセンター前にぽとりと落ちる2点タイムリーヒットとなった。結局、この2点が決勝点となった。勝負勘を取り戻した山井の前に毎回のようにランナーは出すものの決定打が出ない。しかし、2点あれば大丈夫。下柳は緩急をつけたのらりくらり投球でドラゴンズ打線を翻弄。三振を食らったT・ウッズがバットをへし折って怒るという場面も。下柳は6回を3安打に抑え、JFKにあとを託した。7回裏、久保田が井上に三塁打を打たれたがウィリアムスが立浪を内野ゴロに打ち取る。8回裏、ウィリアムスが福留に四球を与えれば、藤川が登板してT・ウッズを打ち取り、そのまま9回も抑えて逃げ切った。下柳は39歳1ヶ月の史上最高齢でプロ通算100勝を飾り、試合後のヒーローインタビューにも能弁なところを見せた。もっとも敵地なのでスタンドの観客には全く聞こえてないのだが。
◎ドラゴンズ8回戦……0−3
 上園は4回裏、先頭の福留を歩かせてT・ウッズにレフトスタンドに運ばれ先制点を与える。思い切りのいい投手だけに、被本塁打も多いのだ。しかし、それ以外の回はほとんどランナーも出していないのだから、上園を責めるわけにはいかない。タイガースは川上から初回に2安打でチャンスを作るが、今岡が三振してチャンスをつぶし、川上を乗せてしまった。8回表、野口の打球が川上を直撃し、投手強襲ヒットとなる。急遽登板した岡本は落ち着いて桧山、赤星を連続三振。8回裏には橋本健が1点を失い、最後は岩瀬に出てこられ、いいところなく逃げ切られてしまった。
◎ドラゴンズ9回戦……6−3
 ジャンが3回裏につかまった。先頭の小田を死球で出し、犠打で塁を進められ、井端と福留の連打で2点を先制された。しかし、直後の4回表、山本昌から林がライトスタンドに同点2ランを放り込む。5回表には四球の桜井を塁に置き、鳥谷の投手ゴロは二塁に送られたが名手井端がポロリと落し、チャンスが広がる。そし金本の勝ち越しタイムリー。ジャンはその裏四球を連発してT・ウッズにタイムリーを浴びて再び同点に追いつかれた。しかし6回表、矢野の今季第1号ホームランが飛び出し再びリード。続いて赤星が出塁し、バントで進塁。鳥谷の投手ごろをクルスがもたついて内野安打とし、赤星は二塁から一気にホームイン。7回表には1死満塁から赤星の犠牲フライで追加点。最後はJFKのリレーで逃げ切った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 前節に続いて好投。しかも史上最高齢の39歳1ヶ月での達成は、若いころくる日もくる日も勝ち星のつかない中継ぎで投げ続けていたから。タイガースに移籍してから積み重ねた勝ち星は51となった。まさに円熟ということばがふさわしい。
野手……赤星憲広 体調は万全でなくスタメン落ちする試合もある。しかし、途中から出場したとしても、常に前を狙う積極的な走塁はタイガース随一。今岡よ、鳥谷よ、桜井よ、赤星の走塁を見て何か感じるところはないのか。

 鬼門での勝ち越し。そして次節からは東京ドーム、甲子園でジャイアンツ、ドラゴンズ、ジャイアンツと9連戦だ。2強を叩いて一気にAクラスを指呼にいれてほしいものだ。まだ勢いというほどのものはないにしても、一時のどん底は脱した。二軍から岩田、筒井らが昇格してくる。渡辺、上園、若竹に続いて、若手投手陣はこのチャンスをつかんでほしい。いや、ここでチャンスをつかまねばいつつかむのか。

(2007年7月9日記)


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