愛すれどTigers


ベテラン奮闘でG戦勝ち越し

 前半を締めくくる甲子園でのジャイアンツ3連戦は、初戦こそ苦手内海の前に苦杯をなめたが、残り2試合に連勝し、勝率5割にまた一歩近づけた。今節は特に赤星、下柳、金本らベテランの奮起が目についた。若手の躍進に対してベテランが立ちはだかる。いいリズムができてきた。今節は2勝1敗。今節終了時点で38勝41敗2分、勝率.481。首位ドラゴンズとは6.5ゲーム差で4位。3位のベイスターズとのゲーム差は4.0。
 なお、橋本健投手が腰痛で、ウィリアムス投手が肩痛でしばらく戦列を離れることになった。これにより江草、ダーウィンらの存在が重くなったということだ。藤川と久保田にばかり負担をかけない継投がのぞまれる。
 オールスター戦ではその久保田と藤川が第1戦に登板し、それぞれ1イニングを三者凡退に切ってとった。残念ながら受賞にはいたになかったが、特に藤川はセのストッパーとして押しも押されぬ大看板になったということを印象づけられた。

◎ジャイアンツ13回戦……2−4
 福原と内海という、前節と同じ顔合わせの対戦になった。しかし、福原は前回登板とは違い、球が高めに入ったところを打ち込まれる。2回表、二岡に死球を与え、ホリンズの二塁打でピンチを作り、清水に先制の2点タイムリーを打たれる。2回には四球で出したランナーをホリンズのタイムリーで返され、4回にも古城のタイムリーで合計4失点、そこで途中降板となった。江草、橋本健、ウィリアムス、渡辺とリリーフした投手全てが無失点で抑えただけに、先発の福原がしっかりしていれば前回同様粘り勝ちも期待できたのに。一方の打線は内海の前に完全沈黙。低めの球に手を出して内野ゴロの山。ようやく9回裏、遅まきながら反撃開始だ。鳥谷とシーツの連打で2死一二塁とし、林のセンター前ヒットで完封を免れた。原監督は急遽上原をマウンドに送る。ここで桜井がレフト線にタイムリーを放って2点差としたが、矢野が三振して追い上げもそこまで。
◎ジャイアンツ14回戦……4−0
 ジャンと福田の投手戦。ジャンはランナーが出ても冷静な投球で、特にコントロールがよかった。特に5回表、ホリンズの二塁打と清水のヒットで無死一三塁のピンチを作るが木村拓を投ゴロに打ち取って三塁ランナーを封殺、福田にはバントを決められたが谷はセカンドゴロを打たせて無失点で切り抜けた。そしてその裏、林の二塁打と桜井の四球、矢野のバントで1死二三塁のチャンスに代打として桧山を起用、これが当たる。次がジャンということで桧山は敬遠。ここで好投のジャンを降ろして代打庄田を送る。庄田が押し出しの四球で先取点を取り、続く赤星が2点二塁打、坂の犠牲フライで庄田がホームインしてこの回一挙4点を奪った。6回からはウィリアムス、久保田、藤川が4イニングを3人でまかなうというリレーで逃げ切り。1ヶ月ぶりに甲子園で勝利をあげた。
◎ジャイアンツ15回戦……5−3
 金刃から3回表、赤星が四球で出、盗塁を仕掛けたところを関本が打って出てセカンドゴロで二塁に進める。鳥谷がレフトオーバーの先制の二塁打を放てば、続く金本がバックスクリーンに2ラン、金刃を3回でノックアウトした。下柳は先制すると投球術が冴え渡る。4回表、木村拓の犠牲フライで1点は失ったものの、5回を投げ切った。5回裏、二番手姜から赤星がヒット、関本が送ったところで左腕野口に交代。しかし、鳥谷は打ち取られたものの、金本は四球を選び、林の2点タイムリーで点差を4と広げた。6回表に橋本健が登板したが、2球投げたところで腰痛を訴え降板。急遽マウンドに上がったダーウィンは二岡にヒットは打たれたものの盗塁を仕掛けてきたところを矢野が刺してピンチを脱した。7回には久保田が登板。代打小関にライトのポールすれすれの2ランを打たれてしまう。私はアルプススタンドで目の前でこの打球を見たのだが、ファールにも見えるくらいの微妙な打球だった。まあ、監督の抗議もなかったのだから内側を通ったのでしょう。8回途中から藤川が登板し、最後まできっちり抑えて連勝。前日の登板で肩の痛みを訴えたウィリアムスがベンチから外れていたのだが、よくぞ逃げ切ってくれた。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 2試合連続、イニングをまたいでのリリーフも、最後まで全力で投げきり前半戦を連勝で締められた。火の玉ストッパーは後半戦も投げ続ける。
野手……赤星憲広 椎間板ヘルニアの持病をおして出場し、満塁でのタイムリーだけでなく投手に球数を投げさせる粘りの打席が勝利を呼んだ。通算300盗塁は後半に持ち越したけれど、梅雨があけて湿度が低くなったら痛みも和らぐことだろう。

 オールスター休みの間に、シーツと今岡を再生させるべくミニキャンプが行われた。また、杉山と玉置が後半戦から一軍に帯同する。敵地ナゴヤドームでのドラゴンズ戦に勝ち越して弾みをつけ、甲子園に戻ったベイスターズ戦で勢いに乗るという形が理想なのだが。先発ローテーションはジャンを柱にまわすようである。ボーグルソンも復帰間近だ。とにかくまず勝率5割を目標にして勝ち進んでほしい。

(2007年7月23日記)


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