初の愛すれどTigers


ナゴヤドーム初の3連勝で5割復帰!

 オールスター明けのナゴヤドームのドラゴンズ3連戦。昨年はここで3連敗して大きく後退したのだが、今季は違うぞ。なんと3連勝。いずれも接戦をものにし、抑えの切り札岩瀬を打ち崩したという意味のある勝利だ。これで勝率5割に戻し、続く甲子園のベイスターズ3連戦では2勝1敗と勝ち越していわゆる貯金を1に増やした。今節は5勝1敗。今節終了時点で43勝42敗2分、勝率.506。首位ジャイアンツとは4.5ゲーム差で4位。3位のベイスターズとのゲーム差は1.0。首位が射程圏内に入ってきたぞ。

◎ドラゴンズ11回戦……8−5
 初回、山井から鳥谷が二塁打を放ち赤星が送って金本がタイムリーで理想的な先制点を奪う。ジャンは2回裏に四球を連発し、併殺で立ち直ったかに見えたが井上のショートゴロを鳥谷がゆっくりした送球で内野安打にしてしまい同点に。3回裏には山井に高く弾む三塁内野安打を許し、犠打を失策。イ・ビョンギュの一塁ゴロの際ベースカバーに入ったところで腰痛を訴え降板した。急遽マウンドに上がったダーウィンは井端の内野ゴロで三塁走者山井を刺すなど懸命の投球。森野の一塁ゴロをシーツがベースを踏み損ねるタイムリーエラーが出て1点リードは許したが、5回までは無失点でゲームを作っていく。5回表、山井の前に沈黙していた打線に活を入れたのが矢野。レフトフェンスの上に当たるソロホームランで同点とする。6回裏に登板した江草は荒木のピッチャー強襲タイムリーと井端のレフト前タイムリーで2点を失い、敗色濃厚となったが、6回表にシーツの二塁打と葛城の四球でチャンスを作ると山井が降板。二番手はS・ラミレス。ここで関本が1点差に迫るタイムリーを放つ。8回表には平井から2死からシーツが四球を選び、矢野の三塁打で長駆生還、同点とする。さらに藤本がライト戦に勝ち越しの二塁打を放ち、とうとうひっくり返した。しかし8回裏、久保田がT・ウッズの同点タイムリーを浴びて試合は振り出しに。9回表には岩瀬が登板。先頭の鳥谷がヒットで出塁すると、赤星が送り、代打狩野が右中間に二塁打を放って再び勝ち越した。だめ押しはシーツだ。ライト線に2点タイムリー二塁打を放ち、試合の大勢を決した。9回裏には藤川が登板し無死満塁のピンチを招くが、堂上剛を三振に打ち取り最後は荒木が併殺で逃げ切った。
◎ドラゴンズ12回戦……8−6
 今岡が登録抹消。それでもタイガース打線は好調で、苦手の山本昌から初回に3点を奪う。内野安打の赤星が通算300盗塁を決めると、シーツは四球。そして林がライト前にタイムリー。続く桜井もセンター前に打って2点目、矢野の二塁打で3点目が入る。しかし、下柳も不調で、1回裏、荒木、森野、中村紀の連続タイムリーであれよあれよという間に4点を失い逆転を許した。4回表、1死満塁から林のタイムリーと桜井のライナー性のタイムリーで逆転する。それでも下柳の投球は安定せず、その裏、荒木のタイムリーでまた同点にされる。5回表、久本から赤星のタイムリーで勝ち越したが、その裏下柳がレフトスタンドに飛び込む同点ホームラン。8回表クルスから3四球で満塁とし、藤本の勝ち越しタイムリー。9回表にはシーツ、金本、林の三連打で1点を追加、最終回は藤川が登板して逃げ切った。
◎ドラゴンズ13回戦……3−2
 ボーグルソンと川上の投手戦。先制したのはドラゴンズ。6回裏、イ・ビョンギュのライトスタンドへのソロホームランは失投を逃さず打ったイ・ビョンギュをほめるべきだろう。しかし、タイガースも負けてはいない。7回表、シーツがセンター前ヒットで出塁し、金本がライトスタンドに逆転2ラン。林のセンターオーバーの当たりは、積極的な走塁で三塁打となり、矢野の犠牲フライで2点差とする追加点を奪った。あとは逃げ切り体勢だ。ダーウィンが7回裏を無失点で切り抜け、8回には久保田が登板。ところが久保田はイ・ビョンギュと谷繁に連打を浴び代打立浪のタイムリーで1点差に詰め寄られる。打席にはT・ウッズ。ここでオカダ監督は躊躇せず藤川を投入。みごと空振り三振に打ち取り難を逃れる。そして9回裏、藤川は森野、中村紀を連続三振。イ・ビョンギュのレフト線へのファールフライは金本が塀にかけのぼって捕球し、みごとな敵地3連勝。タイガースはこの勝利でとうとう勝率5割に戻した。
◎ベイスターズ11回戦……5−2
 上園と三浦の投手戦。3回表、1死一三塁で村田が三振したが、この球を捕手野口が後逸。三塁ランナー仁志はホームを突くがうまい具合にボールがまっすぐ跳ね返り、ホームをブロックした上園の捕手ばりのプレイでタッチアウト。そして5回裏、桜井の二塁打と関本、鳥谷の四球で満塁のチャンス。好投の上園に対する代打桧山は三振。しかし、代打矢野がファーストベースに当たって大きく跳ねる2点タイムリーで先制する。6回裏には金本がホームラン。ヒットの林を塁に置き、桜井のレフト戦への二塁打で林は一気にホームインした。関本にもタイムリーが出て三浦をKOした。二番手ダーウィンは7回表吉村に2ランを打たれたが、リードは保ったまま久保田、藤川につないで連勝を6とのばした。
◎ベイスターズ12回戦……2−7
 初回、金本と林の連続タイムリーで2点を先制し吉見を苦しめる。対が素は岩田が先発。2回表、暴投などでピンチを作り、吉村の内野ゴロの間に1点を返された。5回表、2死を簡単にとった岩田が突如崩れる。村田のタイムリーで同点とされ、さらに四球で満塁に。ここで豪雨が降って中断し、再開後、岩田は四球。渡辺が登板したが、吉村、鈴木尚に連続押し出し四球を与えて傷口を広げた。6回は杉山が野中にタイムリーを、8回には筒井が村田の犠牲フライで生還し、5点差と開いた。シーツの2度にわたるチャンスでの凡退が大きなブレーキとなった。
◎ベイスターズ13回戦……9−4
 腰痛をおして中4日のジャンが先発。立ち上がりは満塁のピンチを作ったりしたが、なんとか切り抜ける。しかし3回表、佐伯のソロホームランで先制された。タイガース打線は新人高崎に手こずっていたが、3回裏、関本、鳥谷の連打と赤星の四球で満塁。ここでシーツが前日の汚名返上でレフト線に走者一掃の二塁打を放って一気にひっくり返す。そして6回裏、二番手秦から関本が左中間に打ち返す2ラン。鳥谷も2ランをレフトスタンドに。江草、渡辺はよく抑えたが、9回表に筒井が乱調、2点を失った。それでも大量得点に守られ無事逃げ切り。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……ダーウィン・クビアン 外国人枠の関係で二軍落ちしてしまったが、先発が急遽マウンドを降りた時にいきなり登板して好投するなど、試合を壊さないリリーフぶりである。ウィリアムス不在の穴をみごとに埋めてみせてくれた。
野手……矢野輝弘 開幕戦からずっと不調が続いていたが、ここにきて本領発揮である。持ち前の勝負強さには、さすがの狩野も間に割って入る隙がない。

 打撃不振の今岡がついに二軍落ち。一方で桜井や坂をスタメンでどんどん起用していく。過去の実績にとらわれず力を発揮している選手を起用する。それに負けじと藤本や関本ら中堅の選手たちが活躍する。若手がのびのびとプレイするようになったら、勢いもついてくる。この好調をなるべく長く保っていってほしい。次節は高校野球選手権大会前最後の甲子園。長期ロードには勢いをつけてから出発をしてほしいものである。

(2007年7月30日記)


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