広島市民球場のカープ戦で連勝がストップし、1勝2敗と負け越し。甲子園に戻って首位攻防のドラゴンズ戦は2勝したら優勝マジックが出る可能性もあったが1勝2敗と負け越した。今節は2勝4敗。打線が湿りがちで、2位に陥落してまった。今節終了時点で69勝56敗4分、勝率.552。首位ジャイアンツに0.5ゲーム差で2位。3位ドラゴンズとのゲーム差も0.5。優勝争いは混沌としてきた。
◎カープ21回戦……0−9
能見は審判の判定に泣かされた。初回、アレックス、新井ときわどいところを突くも連続四球。栗原にも三振と確信した球をボールと判定され、四球を出したくない意識で真ん中に投げて先制3ラン。5回には鞘師と梵にきわどい球をボールと判定されて四球を与え、東出の内野安打で満塁。アレックスに2点タイムリーを打たれて降板した。続く渡辺は新井栗原の連続タイムリーと前田智の犠牲フライで3点を失い、大差をつけられた。7回裏にはダーウィンが暴投で1点を失い、だめ押し。タイガース打線は長谷川の前に簡単に打ち上げてしまい、ヒットのランナーを返せない。大差のついたあとは林、佐竹、フェルナンデスにも同じようにやられてしまった。これでカープ戦の今季負け越しが決定。連勝は10で止まった。
◎カープ22回戦……2−6
上園と青木高のルーキー対決。先制したのはカープで、東出、新井のヒットでチャンスを作り、前田智、そして森笠のタイムリーで2点を奪われた。6回表、金本のホームランで1点差としたが、その裏上園が栗原に2ランを浴びて3点差に。8回表には四番手青木勇から濱中がソロホームランを放つも、またまたその裏に今度は橋本健がヒットや四球で満塁とし、つないだ江草が代打井生に2点タイムリーを打たれて勝負は決まった。上園は福原と交代で二軍に降格した。
◎カープ23回戦……5−3
杉山と高橋の投手戦。4回裏、東出のヒットを赤星がこぼして二塁まで進めると、アレックスがレフト前にタイムリーで先制を許した。しかし、5回表、金本のホームランで同点。1死のあと、3者連続四球と攻めたが杉山に出した代打桜井は二塁走者矢野に当たるアクシデントで内野安打にとどまり、鳥谷が凡退して勝ち越しはできず。6回表、二番手上野と三番手佐竹から2死四球などで満塁に。四番手林は桧山と葛城に連続押し出し四球。そして矢野がレフト前に2点タイムリーを放ち、この回一挙4点で試合を決した。9回裏、藤川が栗原にレフトスタンドに2ランを打たれて2点差となったが、後続はしっかり断った。
◎ドラゴンズ20回戦……5−7
序盤はタイガースペース。3回表、ボーグルソンが中村紀の二塁打で先制されたが、4回裏、朝倉が乱れ、2死一塁から金本桜井と連続四球で満塁に。葛城が押し出し四球で同点に。続く矢野も四球で勝ち越し。藤本のセンター前への2点タイムリーで一気に3点差とリードした。ところが、5回に崩れるボーグルソンの悪癖が出た。三塁打の井端を中村紀の犠牲フライで返され、さらにT・ウッズにもヒットを打たれたあと森野にライト線への三塁打を打たれて1点さと迫られ降板した。ドラゴンズは鈴木、久本の好投でタイガースに追加点を許さない。タイガースも江草、渡辺がしっかりと抑えて久保田につなぐ。7回表、荒木を塁に置き、T・ウッズに内角のボール球を打ち上げさせたが、馬力で球を運ばれ何と逆転2ラン。8回表は橋本健が抑え、その裏、岡本から1死二塁で金本が同点タイムリーをレフト前に落す。9回表、同点の場面で藤川を起用したが、代打立浪にヒットを打たれ、井端のバントと荒木のヒットでピンチに。中村紀は内野ゴロに打ち取って打席には藤川を苦手とするT・ウッズ。空振りで2ストライクを取ったあと、徹底的にファールで粘られ、ひたすら直球を投げ込み、11球目、T・ウッズは軽くミートしてセンター前に転がし、ついに決勝点となる2点を失った。見ごたえのある対決だった。最後は岩瀬に抑えられて逃げ切られた。この試合、赤星がプロ入り1000本安打を達成した。
◎ドラゴンズ21回戦……2−0
前回同様小笠原に翻弄されたが、6回裏、先発安藤に代わる代打野口の二塁打、そして濱中のレフトスタンドへの効果的な2ランが効いて結局これが決勝点に。安藤は悪いなりに粘り強く投げ、ピンチを迎えても鳥谷や関本のファインプレーでしのぎ、7回以降はJFKトリオが昨日のお返しとばかりにしっかり抑えて逃げ切った。久保田はシーズン81試合登板のセ・リーグ新記録を達成した。
◎ドラゴンズ22回戦……0−7
苦手の中田に苦しんだ。それでもチャンスはあった。4回裏、中田が四球で崩れて1死満塁と攻めたが、矢野が二塁併殺。8回裏にも1死満塁で濱中三振、葛城内野フライ。あと1本が出ない。福原は2回表に併殺を取れた打球を三塁シーツが二塁に悪送球して作ったピンチで谷繁が犠牲フライ。4回表には2死から谷繁に2塁打を打たれると中田のレフト前小フライで2点目のホームインをした。9回表、橋本健が満塁から走者一掃の二塁打を打たれるなど突然の乱調で一挙5点を奪われ試合は決した。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 先発復帰3試合で2勝といういいペース。ピンチになっても味方のファインプレーなどもあってしっかり切り抜けている。勝ち運があるということだ。終盤の首位争いの鍵を握る男といえるだろう。
野手……濱中治 桜井の不調でスタメン起用が増えている。ドラゴンズ戦の決勝ホームランなど、いいところでの一打も目立つようになってきた。やはり終盤の鍵を握る男の一人であろう。
次節は甲子園でジャイアンツと3連戦。ジャイアンツも台所事情は厳しいだけに、東京ドームの3連戦のように一気にいける隙はある。ここを乗り切ると、1日おいて神宮と横浜で分のいいスワローズとベイスターズの連戦が待っているだけに、気持ちを切り替えて臨んでほしい。できれば甲子園に戻った時のドラゴンズ戦で……。期待したい。
(2007年9月17日記)