愛すれどTigers


再奪首も一転連敗街道へ……

 甲子園でのジャイアンツ戦、連勝スタートで再び首位を勝ち取ったが、ボーグルソンの危険球退場などで大敗してからは流れが一気に変わった。神宮球場でのスワローズ戦では、Bクラスが確定し古田監督が退団発表をしたばかりという状況の相手にまさかの3連敗。先発は思い切って腕が振れず、若いリリーフ投手は初体験の緊張感でコントロールを乱す。打線は金縛りにあったように打てない。今節も2勝4敗。3位に陥落し、自力優勝も消滅してしまった。今節終了時点で71勝60敗4分、勝率.542。首位ジャイアンツに3.5ゲーム差で3位。2位ドラゴンズとのゲーム差も2.5。優勝争いから脱落しつつある。

◎ジャイアンツ22回戦……4−1
 下柳と木佐貫の投手戦。先制したのはタイガース。4回裏2死から葛城が歩き、矢野がヒットでつないで、関本のタイムリーがでた。下柳はていねいな投球で久々に持ち味を発揮し、ジャイアンツ打線を手玉に取る。しかし6回表、谷に失投をとらえられて同点ホームランをレフトスタンドに放り込まれる。7回は久保田でつなぎ、その裏2死から赤星が高いバウンドの投手前安打で出塁、エンドランでシーツが出したバットに当たった球はうまくライト線へ。赤星は一気にホームへ。足で稼いだ勝ち越し点だ。8回裏には三番手西村から矢野と関本の連続タイムリーが放たれ3点差とする。8回にはウィリアムス、9回には藤川が満を持して登板し、ジャイアンツ打線をしっかり抑え切った。タイガースは再び首位に。残り2試合を連勝し、ドラゴンズが敗戦した場合、優勝マジックが点灯するというところまでこぎつけたのだったが……。
◎ジャイアンツ23回戦……5−4
 初回、能見が高橋由、谷の連打でピンチを作り、小笠原の内野ゴロの間に先制点を奪われた。しかしその裏、久保から無死満塁で金本の内野ゴロで同点と、ここまではよく似た展開。能見は2回にも1死満塁のピンチを作ったので、岡田監督は思い切りよくあきらめて3回から江草を投入した。江草は3イニングを無失点で切り抜けチャンスを待つ。4回裏、金本が右中間スタンドに勝ち越しのホームランを放つ。それを渡辺が守って7回表、ウィリアムスを投入。しかしウィリアムスは二岡に同点タイムリーを打たれてしまう。ジャイアンツは6回裏になんと高橋尚をリリーフで投げさせる。7回裏、西村から関本の四球、赤星の内野安打などで作ったチャンスにシーツのタイムリーで勝ち越し。さらに金本が敬遠気味に歩かされると、この試合5番に抜擢された葛城が四番手山口からタイムリーで差は2点に。8回表、今度は久保田がつかまる。2死から、高橋由の内野安打や自らのエラーでピンチを作り、小笠原にセンター前に抜ける同点タイムリーを浴びた。ジャイアンツはマウンドに門倉を送る。代打の野口が二塁打を放ち、関本が送って打席には代打桧山。ここで門倉はキャッチャーのミットを弾くワイルドピッチ。あっけなく決勝点が入り、最後は藤川が抑えて連勝を決めた。
◎ジャイアンツ24回戦……1−11
 ボーグルソンは2回表にゴンザレスに満塁ホームランを浴びて先制されると、4回表にはホリンズにヒットを打たれたあと投手の内海の頭部近くに危険球を投げ退場。ボーグルソンは内海に一瞥もくれずさっさとマウンドを降りる態度の悪さ。緊急登板したダーウィンは高橋由に3ランを打たれ、勝敗は決した。タイガースは内海の前に凡打の山。6回裏、代打桜井の二塁打を足掛かりにシーツの内野安打で1点を返すのが限度だった。敗戦処理とはいえ、福原が8回に1失点、橋本健が9回に3失点したのも気掛かりである。敗れはしたが、0.5差で首位は維持した。しかし、ボーグルソンの態度といい、打線の湿り具合といい、なにやら嫌な負け方ではあった。
◎スワローズ21回戦……1−8
 ここまで好調だった安藤を連戦の頭に持ってくる作戦は、みごとに外れた。故障上がりなのだから、もう少し慎重にローテーションを守るべきだった。2回裏、川本を敬遠してグライシンガーと勝負にいったが、レフトオーバーの2点二塁打。3回表、関本がグライシンガーからソロホームランを放って1点差としたが、その裏2死満塁から田中浩に走者一掃の二塁打を打たれ、続くラミレスに2ラン。この回限りでKOされた。5回表、2死満塁のチャンスでシーツがセカンドゴロに倒れ、反撃ならず。8回裏には福原もラミレスの犠牲フライでだめ押しの1点を奪われ、最後は木田に締められて痛い連敗。タイガースは3位に転落した。
◎スワローズ22回戦……6−9
 初回、川島から鳥谷と金本の四球でチャンスを作り、葛城が先制の2点二塁打をライト線に。これで先発杉山も楽になったかと思いきや、この2点を守ろうという意識が強すぎてコーナーを狙っては外れ、ストライクを取りにいっては打たれるという悪循環。初回は2死から2四球などで満塁とし、宮本に押し出しの四球を与える。さらに畠山に右中間に運ばれ逆転を許した。2回にはラミレスにタイムリーを打たれて江草と交代。江草がそのあとの失点を防ぐと、打線も応える。4回表、2死から矢野が歩き、関本の同点2ランがレフトスタンドに。さらに代打高橋光がヒットで続き、鳥谷がライトスタンドに2点差をつける勝ち越しホームラン。このリードを守るべくその裏、渡辺をマウンドに送ったが、無死から連打でピンチを作り、なんとか2死までこぎつけながら宮本の同点2点二塁打、畠山の勝ち越しタイムリーを許す。さらに5回裏には田中浩のタイムリーなどで2点を失い、ここまで勝ち得てきた信頼に応えられない結果を残すことになった。打線は6回表、二番手鎌田から連続四球でチャンスを作ったが、古田監督の早い決断で花田にスイッチ、濱中、鳥谷、シーツと全て三振に打ち取られて逆転の望みは断たれた。杉山は二軍に降格、上園が再昇格した。
◎スワローズ23回戦……0−3
 上園は初回、四球で作ったピンチでユウイチにタイムリーを打たれたが、そのあとは相手の打ち気に立ち向かうピッチングで5回途中までよく踏ん張った。ここのところ先発投手が3回ともたないのに、上園は新人ながら先輩投手をしのぐマウンド度胸だ。しかし、不振のシーツを外して野口を3番に置く奇策はみごとはずれた。石井一の前に凡打の山。外野に球が飛ばないのだからしかたない。唯一のチャンスは、6回表にチーム初安打を放った藤本を代打藤原が送り、捕手川本のお手玉で藤原も塁に残り、鳥谷の犠打が決まって1死二三塁とした場面。ここで代打濱中は三振。続く野口も三振。これ以降はチャンスらしいチャンスも訪れないまま完封勝利を許してしまった。5回以降の投手陣は、江草、久保田が踏ん張ったが8回裏にウィリアムスが宮本に2点三塁打を打たれてしまった。しかし、ここ数日では一番締まった試合。とにかく石井一がよすぎた。どうしようもない。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……江草仁貴 先発が崩れたあと、しっかり試合を作ってあとの投手にバトンを渡している。こういう投手がいるから、JFKが生きるのである。特に今節は先発や他のリリーフ投手の出来が悪かっただけに、江草の存在は光った。
野手……葛城育郎 金本のあとの5番を打ち、しっかりと結果を残している。林の故障、シーツの不振、桜井の不調など打線が組みにくい中で、葛城の存在感が増してきた。

 次節は横浜球場でベイスターズと3連戦。そして甲子園でドラゴンズと2連戦したあとカープと1試合。いよいよ大詰めである。残念ながら甲子園での大逆転胴上げの可能性はゼロになってしまった(実は胴上げを期待して2試合とも甲子園にいく予定なのですが、夢と終ってしまった)。なんとかベイスターズに2連勝してAクラスだけは確保してほしいものである。もっとも、3位に終ってクライマックス・シリーズに出場し、勝ち上がって日本シリーズに出場し、シリーズ制覇をしたとして、純粋に喜べるかどうか自信はない。たぶんその時は嬉しいと思うけれど、本当の日本一という実感はわかないのではないか。まあ、そんな先のことを心配するというのは、現実から目を背けてるなあという気がする。

(2007年9月24日記)


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