Aクラスを賭けた横浜球場でのベイスターズ戦を1勝1敗でしのぎ、Aクラス確定。これでクライマックスシリーズへの出場権を確保した。今季最終戦となる神宮球場のスワローズ戦は勝利で締めくくり、今節は2勝1敗。公式戦全日程終了で74勝66敗4分、勝率.529。優勝のジャイアンツに4.5ゲーム差で今季3位。
◎ベイスターズ23回戦……9−7
初回、今岡が吉見から3ランを放ち、試合の主導権を握った。5回には下柳のヒットを足場に2四球などで2死満塁とし、吉見を引きずり降ろす。二番手横山から今岡がセカンドのグラブを弾く強い当りの2点タイムリー。これで試合は決まったかと思われた。しかしその裏、内川を歩かせたあと、代打呉本の二塁ゴロは二塁封殺を狙いながらタイミングが遅れ野選に。仁志のショートゴロを秀太が弾いて満塁にすると、下柳は帽子とグローブをたたきつけて怒り、相川のショートゴロが併殺崩れとなって失点を許すと再びグローブをマウンドにたたきつけた。下柳はこの回限り、勝ち投手の権利は確保したまま降板となった。7回裏、四番手ウィリアムスが金城に3ランを打たれて1点差とされ、嫌なムードになった。しかし9回表、2死一二塁から関本、シーツ、金本の3連打で4点を奪い、勝利を確実なものに。9回裏、五番手ダーウィンが乱れ3連打で2点を奪われ3点差とされたところで藤川が登板。金城を併殺に切って取ってピンチを脱した。ところが、あと1つアウトを取れば試合終了というところで村田にソロホームランを打たれ2点差に。それでも気を取り直し吉村をフライに打ち取ってなんとか逃げ切り、3位を確定した。
◎ベイスターズ24回戦……0−5
新人高崎の前に打線が沈黙。前日勝利したことでほっとして疲れがでたのかというような感じ。とにかく淡白な打撃であった。唯一よかったのが野口で、2安打。しかし、それ以外の選手はノーヒット。先発の安藤は初回いきなり内川に死球を与え金城のタイムリーで先制される。2回には投手の高崎にタイムリーを打たれ、金城の犠牲フライやショート秀太がフライを落すなどしてさらに2点を追加された。6回には期待されている左腕筒井が金城にホームランを打たれてしまい、せっかくもらったチャンスをつかめない。この日ジャイアンツがスワローズを下して自力優勝を決めただけに、対比が大きい1日となった。
◎スワローズ24回戦……3−0
先制したのはタイガース。苦手グライシンガーから2回表に今岡がレフトスタンドへ先制のソロホームランを放った。3回表には先頭の野口が歩き上園が送り、桜井が二塁打で追加点をあげると、そのあと失策や四球で満塁として今岡の三塁ゴロを畠山がお手玉する間にさらに1点を加えた。投げては上園が7回までぐいぐいと力で押す投球でスワローズ打線を抑える。8回裏には久保田が今季90試合目の登板を果たして最優秀中継ぎ投手のタイトルを手中に、9回裏に登板した藤川は日本タイ記録となる46セープをあげ、最優秀救援投手のタイトルを確実にした。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……上園啓史 ついに今季8勝目で新人選手トップの勝ち星をあげた。同日にジャイアンツの金刃も久々に登板し先発したが勝ち星はつかず。希望枠で入った金刃よりも、下馬評にものぼらなかった上園が多く勝ち星をあげた上に、最下位から首位に登り詰めた時の貢献など考えると、ぜひ新人王をあげてほしい。ただ、金刃は優勝チームの所属だけに、印象からいうと上園の新人王はきびしいか。
野手……今岡誠 やっとというか、クライマックス・シリーズには間に合ったというか。しかし、バッティングフォームなど見ていると、いい時の今岡に戻っている。1試合5打点でAクラスを確定させたのは大きい。来季こそ本格的に復活を遂げてもらいたい。
最終戦の日、高校生ドラフトが行われ、本命の中田翔(大阪桐蔭)はくじ引きでのがしたが、高濱卓也内野手(横浜)をベイスターズと争って岡田監督がくじを引き当てた。森田一成内野手(関西)、清原大貴投手(常総学院)の交渉権も獲得した。ぜひ大きく育ってほしい。くる人あれば去る人あり。戦力外通告も行われ、三東、水落、田村らが今季限りでタイガースのユニフォームを脱ぐことになった。三東は肩の故障に悩まされここ数年は登板もできない状態だった。このまま引退という。水落は打撃投手として球団に残り、他の選手はトライアウトを受けて次の機会を狙う。一軍で活躍した選手もそうでない選手も、新しい場所での飛躍を期待したい。
さて、13日からクライマックス・シリーズの第1ステージがナゴヤドームで始まる。2勝した方が第2ステージに勝ち上がることになる。システムに対する疑問は残っているが、やる以上は全力で今季を締めくくってほしいものである。
(2007年10月7日記)