愛すれどTigers


岩田G戦初勝利、快調単独首位 !

 今節は広島市民球場から東京ドームへと1週間のロード。カープ戦は2連勝し開幕から5連勝、しかも勝ち星全てが先発につくという快挙を成し遂げた。連勝は杉山が止めてしまったが、ジャイアンツ戦も足でランナーがかきまわして最少のヒットで得点するという理想的な展開で2勝1敗と勝ち越した。特に岩田がもう少しで完封という好投でジャイアンツ戦初勝利をあげた投球はすばらしかった。金本も着実にヒットを放ち、2000本安打まであと1本というところまできた。第2節は4勝2敗と2つの勝ち越しで、通算7勝2敗、勝率.778。2位ドラゴンズとは0.5ゲーム差で単独首位。

◎カープ1回戦……5−3
 初回、高橋に襲いかかり、平野のヒットと新井の四球でためたランナーを金本がレフトスタンドに突き刺さる3ランを浴びせる。アッチソンは初回は不安定な投球。いい球がきたかと思うとストライクが入らないという1球ごとに変わる。前田智のタイムリーで1回裏に1点を返された。試合はその後膠着状態になったが、5回表、新井と金本の連打でチャンスを作り、今岡がレフト前にタイムリー、鳥谷もセンター前に弾き返し2点を加えて高橋をマウンドから降ろした。アッチソンは5回裏にアレックスのホームランで2点目を失ったが、リードを保ったまま7回から江草、渡辺、久保田にバトンを渡す。久保田が栗原にホームランを浴びて2点差となったが、9回裏には藤川が登板して中東、天谷、森笠と三者三振に切ってとって逃げ切った。ヒーローインタビューは来日初勝利のアッチソン。
◎カープ2回戦……4−2
 先発の下柳は初回こそ初登板のためか球が高めに浮いてシーボルのタイムリーで先制されたが、後続を断って最少失点にとどめた。直後の2回表、宮崎から今岡がセンター前のヒットで出塁すると、鳥谷が逆転の2ランをライトスタンド中段にもっていった。鳥谷は4回表にもヒットで出塁すると、フォードのレフト前の当たりで三塁にまで進み、矢野の併殺打の間に生還して下柳を助ける。6回表には三塁打のフォードのが犠牲フライで返して4点目。下柳は7回裏に連打で走者をため前田智の内野ゴロの間に1点を失ったが、カープの攻撃もそこでストップ。8回からは故障でベンチから外れたウィリアムスの穴を感じさせない久保田と藤川のリレーで逃げ切り、開幕から5連勝。ヒーローインタビューは鳥谷だった。
◎カープ3回戦……2−4
 先制したのはタイガース。ルイスから赤星が二塁打で出塁し、守備の乱れに乗じて三塁に。新井の投手ゴロエラーの間にホームインした。3回表には金本がセンター前に追加点のタイムリーを放ち、この試合もタイガースペースかと思われたが、連勝を意識した杉山が3回裏に隙を見せた。ヒットの東出を犠打などで得点圏に進め、石原のタイムリーで1点差とされる。そして5回裏、同じように東出に打たれると同じように犠打で得点圏に進め、天谷にもヒットを打たれてランナーをため、石原に逆転の2点タイムリーを打たれた。さらに前田智にもタイムリーを打たれ、この回限りで阿部にマウンドを譲った。タイガース打線は4回以降ルイスの速球に押されてヒットが出ず、横山、コズロウスキーのリレーで逃げ切られ、開幕からの連勝がストップした。
◎ジャイアンツ1回戦……6−1
 安藤は初回いきなり高橋由に先頭打者ホームランを浴びた。しかし、これで気持ちが引き締まったか、後の投球は低めのコースいっぱいを突く文句なしの内容。直後の2回表、高橋尚からのヒットで出塁した金本は鳥谷のライト前のシングルヒットで三塁に進み、フォードのサードを襲う強い当りのヒットで同点のホームを踏んだ。4回表には今岡が左中間のスタンドに勝ち越しのソロホームランを運ぶと、フォードも負けじと来日第1号をレフトスタンドにもっていった。6回表には四球の鳥谷とヒットの今岡を塁に置いて高橋尚が降板。二番手の吉武からフォードがタイムリーをセンター前に、そして矢野も犠牲フライで加点して点差を広げる。8回表には栂野から鳥谷がライトスタンドに内角球の難しいコースを運んで試合を決めた。8回から江草、久保田のリレーで楽々逃げ切り、勢いの違いを見せつけた。ヒーローインタビューはフォード。
◎ジャイアンツ2回戦……3−1
 岩田とグライシンガーの投手戦。岩田は初回に亀井の投手強襲ヒットと盗塁でピンチを作るが、小笠原を三振に、ラミレスをショートゴロに打ち取ってピンチを乗り切り、流れを作った。先制したのはタイガース。先頭の鳥谷が歩き、フォードとのヒットエンドランで無死一三塁のチャンスを作る。若い投手をリードする野口が打席でも援護だ。ライトに犠飛となるライトフライを打つと、鳥谷が全力でホームインして1点をもぎ取った。6回表にはヘッドスライディングで内野安打を放った平野が新井の三振の時に盗塁し、続く金本がライトスタンドに豪快なホームランを叩き込む。3点をもらった岩田はランナーを出しても強気に攻める投球でピンチを脱していったが、8回裏に代打の谷にヒットを打たれ、坂本の二塁打で三塁にまで進まれてしまう。代打大道の内野ゴロの間に1点を失ったが、後続を落ち着いて抑えた。9回には藤川が登板し、ラミレス、イ・スンヨプを連続三振に打ち取って締めくくった。ヒーローインタビューは岩田。
◎ジャイアンツ3回戦……1−9
 福原は初回から先頭打者を毎回出塁させてしまう。序盤はそれでももちこたえたが、3回裏に脇谷を塁に置いて高橋由に先制2ランをライトスタンドに運ばれてしまう。5回裏には亀井、小笠原の連打に続き、ラミレスのタイムリー、イ・スンヨプには四球を与え、阿部の止めたバットに当たった打球がセンター前に飛んでいくラッキーなタイムリーと2点を失ったとろで満塁のまま福原は降板した。代わった二番手の阿部は低めのいいところに投げたものの、高卒2年目の坂本にプロ入り初ホームランをレフトスタンドに運ばれてしまう。8点差がついたところで勝負は決定してしまった。タイガースは初回に金本が1999本目のヒットを放ったものの、木佐貫にコースをていねいにつく投球をされて凡打の山を築く。8回表に二塁打のフォードを代打葛城がライトオーバーの二塁打で返して完封を免れるのがやっと。8回裏にはテスト登板の左腕筒井が左打者の高橋由にこの試合2本目のホームランを打たれてしまうなど、最後までジャイアンツペースの試合であった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 もう少しでプロ入り2勝目を完封で飾れるところだったが、楽しみは次回に取っておこう。野口の思い切ったリードにこたえて強気でぐいぐい攻めていく投球はおみごとの一語に尽きる。
野手……鳥谷敬 昨年金本に指摘された走塁面での物足りなさを払拭するすばらしい走塁。そしてここぞというところで飛び出す内角を思い切り引っ張ってのホームラン。目下首位打者争いを展開するほどの好調ぶりである。次代のリーダーとしての自覚が感じられるようになってきた。

 次節は内野席が新装なった甲子園に帰って眼下の敵ドラゴンズを迎え撃つ。2000本安打の記録がかかる金本はもちろん、初めて甲子園のファンを味方につける不振を脱した新井ら打線のつながりが見どころ。むろん、赤星、平野、鳥谷、フォードらがみせる全力疾走も楽しみの一つだ。私も第3戦はライトスタンドに陣取って思い切り応援します。ついに甲子園にタイガースが帰ってくるぞ、わくわく。そして横浜球場でのベイスターズ戦でしっかりと勝ち星を積み重ねていってもらいたい。今年のタイガースの試合には、なにか胸が躍るものを感じるのだ。それはやはり勝ち方がいいからだろう。

(2008年4月7日記)


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