愛すれどTigers


金本400号、新井対12球団ホームラン!

 北陸シリーズは、初戦こそアッチソンの乱調で落したものの下柳とボーグルソンがしっかり抑えてカープに2勝1敗。甲子園に戻ったスワローズ戦は前回やられた村中と石川の両左腕を打ち砕き2勝1敗。第8節は4勝2敗とふたつ勝ち越し、通算28勝13敗1分、勝率.683。2位ドラゴンズとの差は一時期4.5ゲームと広がったが、3.5ゲーム差に落ち着いた。富山では金本が通算400号ホームランを打ち、金沢では新井が古巣カープ戦でのホームランで対12球団全てにホームランという金本を追い掛ける記録を作った。今節で同一リーグ戦はひと段落。交流戦に向けて好調を維持している。

◎カープ6回戦……3−9
 北陸シリーズ初戦は富山アルペン球場。アッチソンが2回裏に自らのエラーで走者を背負い、ボーク。そして投手のルイスに2点タイムリーを打たれる。さらに5回裏、天谷、アレックス、栗原の3連続二塁打で2点を失い、シーボルに四球を出したところでヒジ痛を訴えて降板、そのまま登録抹消となった。急遽登板した阿部は小窪にタイムリーを打たれたものの後続を断ち、その後も安定したコントロールで失点を防いだ。タイガース打線はルイスの前に7回まで3安打無得点。重い速球に手こずった。8回表、二番手のコズロースキーから鳥谷が内野安打で出塁し、バルディリスのライト線へのポテンヒットが来日初打点となる二塁打となってなんとか1点を返した。ところが、直後の8回裏、三番手の杉山が無死満塁からアレックス、栗原、シーボルの三連続タイムリーで4点を失い、試合は決まった。豪雨の中、9回表、横山から金本がプロ入り通算400号となる2ランをライトスタンドに運び、敗戦の中であってもファンを熱くさせた。
◎カープ7回戦……4−2
 北陸シリーズ第2戦は、金沢の石川県立野球場。タイガースの先発下柳は土の掘れやすいマウンドという悪条件にもかかわらず、2回裏に二塁手平野のエラーで失った1点で踏みとどまる。タイガース打線は前夜のルイスの投球で調子を崩し、この夜は大竹の速球につまってばかり。しかし、6回表、二塁打の新井を置いて今季初先発の桧山が左中間を破る同点タイムリーを放つ。そして7回表、エラーと犠打野選で出たランナーを平野が内野ゴロで返して勝ち越し、新井がレフトスタンドに運ぶ2ランで突き放す。7回裏には二番手久保田が元チームメイトの赤松のタイムリーで1点を失ったが、8回にはウィリアムス、そして9回には藤川がマウンドにのぼり、それぞれ土の掘れたマウンドに手こずりランナーを許しながらも無失点で切り抜けて逃げ切った。
◎カープ8回戦……5−2
 北陸シリーズ第3戦は福井県営球場。ファールゾーンの広い甲子園に似たタイプの球場である。今季まだ勝利のないボーグルソンは初回に打ち取りながらもポテンヒットという当りが続いてアレックスのタイムリーで先制された。6回裏には2死一三塁から前田智のタイムリーで2点目を失うが、センター赤星の好判断で一塁走者を刺してチェンジ。失点を最小限にとどめた。宮崎に6回までわずか1安打と抑えられていた打線も、7回表にようやく火がついた。先頭の金本が投手強襲のヒット、続く葛城が死球。鳥谷のライト前ヒットで満塁に。マウンドに梅津が上がると、代打桧山がライト線に2点二塁打を放ち同点に追いつく。坂、藤本と倒れた時は同点止まりかと思われたが、赤星がレフト線を破る勝ち越しタイムリーで一気に逆転した。8回表には横山から鳥谷の犠牲フライで1点を追加し、さらに9回表にはコズロースキーから新井のタイムリーでだめ押しの5点目を奪った。7回裏には渡辺が、そしてウィリアムス、藤川とつないで逃げ切り。ここのところ調子の悪い久保田はブルペンで休養。北陸シリーズは3試合とも移動の関係でヒーローインタビューはなし。
◎スワローズ7回戦……8−5
 初回、村中から赤星が四球を選び、平野のバントで二塁に。新井がすかさずライト線の二塁打で1点を先取した。さらに3回裏、四球の新井と二塁打の金本を塁に置き、今季初スタメンの桜井凡退のあと、鳥谷がライトオーバーの三塁打でさらに2点を追加。圧巻は4回裏。バルディリスの二塁打を皮切りに安藤がセンター前ヒットで続き、赤星がセンター前に弾き返して1点。関本もヒットで続き、新井が満塁の走者を一掃するライトオーバーの三塁打を放って村中をノックアウトした。安藤は7回まで安定した投球。完封勝利も期待されたが、8回表、田中の2点タイムリーで失点。それでも志願の続投で9回のマウンドに上がったが、衣川にプロ入り第1号3ランをレフトスタンドに運ばれ、無念の交代。最後は江草が締めて逃げ切った。ヒーローインタビューは新井。
◎スワローズ8回戦……3−0
 初回、石川のコントロールが定まらず3四球で満塁に。鳥谷がうまいバッティングでセンター前に2点先制タイムリーを放つ。岩田は初回のピンチで宮本を内野ゴロに打ち取って逃れると、苦しいながらもセットポジションに変えるなど工夫してスワローズ打線を抑えた。石川も調子を戻し2回以降は狙い球を絞れない。しかし、6回裏、金本とフォードの連打でチャンスを作ると、ここでも鳥谷がセンター前にタイムリー。岩田は7回までなんとか無失点で切り抜け、8回にはウィリアムスが、9回には藤川が登場、完封リレーで逃げ切った。ヒーローインタビューは全打点をあげた鳥谷と5勝目の岩田。
◎スワローズ9回戦……2−3
 杉山は初回からあっぷあっぷ。ヒットと四球でピンチを作り、ガイエルにポテンヒットの先制タイムリー。3回表には衣川にタイムリーを打たれて2点目を失った。とにかく毎回ランナーを許し、バックの守備に助けられてなんとか切り抜けるという内容。3回であっさり降板。4回からは阿部、江草が2回ずつ投げて無失点と粘る。荒れ球の増渕をとらえたのは新井と金本の連打でチャンスを作り、この日スタメンの桧山が犠牲フライで1点差に。増渕はここで降板し、マウンドは左腕の佐藤。これを鳥谷がレフト前に同点タイムリー。試合は振り出しに戻った。8回を渡辺で締めて、9回のマウンドにはウィリアムス。低めの難しい球をすくいあげた福地の打球はレフトスタンド最前列に飛び込む決勝ホームラン。スワローズは9回裏はイムを投入し、関本のヒットでチャンスを作るも最後の打者となった赤星が併殺でゲームセット。杉山は度重なる背信の投球で二軍落ちに。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 先発投手の完投がなくなってきた中、登板すれば必ずセーブという球児の安定感は頼もしい限り。今節はウィリアムスが痛恨の一発を食らうなどJFKが完璧でないだけに、球児の活躍が光って見える。
野手……桧山進次郎 今季初先発でタイムリー。代打でも打点をあげ、ベテラン健在を印象づけた。交流戦ではDHでの起用もあるだろう。「代打の神様」継承者の勝負強さは無類である。

 京セラドーム大阪のバファローズ戦から交流戦は始まる。平野と濱中が古巣相手にどんな活躍を見せるか。ヤフードームでのホークス戦も過去に苦杯をなめさせられている相手だけに楽しみだ。そしてセ・パ首位決戦となるライオンズ戦はホームランをタイガース投手陣がいかに防ぐかがみもの。グラデーションの交流戦用ユニフォームが強く見えるような試合を期待している。

(2008年5月19日記)


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