甲子園で引き続きマリーンズとの2連戦。初戦は勝ちパターンの試合を落したが2戦目で逆転勝ちして1勝1敗。札幌ドームに移動してファイターズとの2連戦は、初戦を痛いエラーで落したが2戦目は接戦を制して1勝1敗。初戦を落すと連敗していた昨年の交流戦と比較し、今季は連敗をしない。初戦の勝てる試合を落さなければ連勝の可能性もあっただけにもったいない感じはするが、いい調子で首位を堅持している。もっとも、マリーンズとの初戦で平野がふくらはぎをいためて登録抹消となったのは痛い。ただ、そのかわりに一軍に復帰した林がいきなり打点をあげるなど、この選手層の厚さはどうしたことか。すごいことです。交流戦第2節は2勝2敗の五分で、通算34勝17敗1分、勝率.667。2位ドラゴンズとの差は5.5ゲームとさらに広がった。
◎マリーンズ1回戦……4−5
この日は私の今季初甲子園。初回、平野が高卒ルーキー唐川から四球を選び、新井とのエンドランで二塁にいったがファールになり帰塁する時に足を引きずりそのままベンチへ。代走に藤本が出た時に嫌な感じがした。ふくらはぎをいためてそのまま二軍落ちとなった。ここまでチームを引っ張ってきた存在だけに戦列離脱は痛い。新井のサードゴロの間に藤本が二塁に進み金本のセンター前タイムリーで先制。2回裏には三塁打の鳥谷を野口がライト前へのタイムリーで返して2点目。3回裏、ヒットの新井を塁に置き、金本が左中間スタンドに叩き込む2ランで、話題の新人をKOした。楽勝パターンだったが、ボーグルソンが試合をぶち壊した。4回表に大松の2ランで3点差に。そして勝ち投手の権利を意識したか5回表には三塁打の根元を里崎の犠牲フライでかえされ1点差に。さらにサブローに死球、大松にヒットとランナーをためて今江の同点タイムリーで降板した。見てる側からしたらあれよあれよという間の同点劇。急遽登板した江草は後続を断ったが6回表、西岡、根元の連打のあと、里崎に勝ち越しタイムリーをライト前に運ばれてしまう。マリーンズは二番手の久保が好投。タイガース打線は手玉に取られるように凡打の山。9回裏、四番手荻野から代打桧山がヒットで出ると、関本ががっちりと送る。代打矢野三振で2死となるが、赤星が四球を選び一気にサヨナラのチャンス。しかし、藤本が初球を打ち上げて内野フライで万事休す。
◎マリーンズ2回戦……8−4
先発安藤は初回から苦しい投球。根元を歩かせ里崎のヒットで三塁に進ませるとサブローの犠牲フライで先制される。さらに大松を歩かせ、今江のセカンドフライは関本が目測を誤り後ろに逃してライト前へのタイムリーとなった。マリーンズ先発清水の前に2回まではノーヒットのタイガース打線が、3回に反撃。バルディリス、関本らのヒットで2死満塁とし、新井の同点タイムリーがライト前に。5回裏、矢野が相手のエラーで出塁するもバルディリスが併殺。チャンスをつかめないと思われたが、安藤がしぶとくヒット。赤星が歩き関本がヒットでつないで満塁に。新井のセカンドゴロを二塁手根元が一塁に悪送球し、2者生還し勝ち越し。金本が敬遠されると、葛城がライトオーバーの走者一掃3点タイムリー二塁打を放ち、清水を引きずり降ろした。安藤は6回表、今江とオーティズの連打とベニーへの四球で満塁とし、降板。江草が西岡に2点タイムリーを打たれて3点差に迫られた。しかし、6回裏、三番手シコースキーから矢野が二塁打。そして代打の林が今季初打席に立つ。初球は一塁線上を抜くタイムリーとなる。7回以降は久保田、ウィリアムス、藤川のリレーで逃げ切り。特にウィリアムスは南、ベニー、西岡を連続三振に取る快投。前日の悔しさをはらした。ヒーローインタビューは林と葛城。
◎ファイターズ1回戦……1−2
岩田とスウィーニーの痺れるような投手戦。低めを丹念につくスウィーニーの前にタイガース打線は沈黙。一方岩田も強気の攻めから変化球をたくみに織りまぜる野口のリードに応える。均衡は7回表に破れた。新井がレフトスタンドに叩き込む先制ソロホームラン。これがプロ入り通算200号の記念アーチとなった。しかし、この1点を意識したか、岩田は稲葉、高橋に連打を浴び、スレッジの左前打で同点に追いつかれる。小谷野のサードゴロはバルディリスの正面をつくが、これが予想外のトンネルに。勝ち越しのホームを踏まれてしまった。岩田は最後まで投げて2点に打線を抑えたが、不運な敗戦となった。
◎ファイターズ2回戦……5−4
先制したのはタイガース。藤井から2回表に金本がライトスタンドに運ぶソロホームラン。2死からフォードが歩き、矢野がレフトフェンス直撃の二塁打で2点目。矢野は4回にも二塁打で追加点をあげた。タイガースのアッチソンは4回裏に高橋の犠牲フライで1点を返される。5回でアッチソンは大事をとり降板。6回裏、江草が田中、稲葉に連続タイムリーを奪われて試合は振り出しに。両チームとも信頼できる中継ぎを続々投入。試合は延長に。10回表、武田久から矢野がヒットで出塁。赤星の内野ゴロでランナーが入れ代わり、藤本が前進守備のライトの頭上を越す三塁打で勝ち越し。秀太が打ったセカンドゴロをホームで刺そうと田中がバックホームしたのが野選となり2点差とした。9回裏、藤川はストライクをとれない。なんと5死四球でスレッジに押し出しという予想外の苦しみよう。それでも最後の打者飯山をサードファールフライに打ち取ってなんとか逃げ切った。ヒーローインタビューは藤本。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 敗戦投手になったとはいえ、自責点1の完投負けで防御率はリーグトップに躍り出た。これから大きく成長してほしい選手だけに、負けていてもあえて続投させた岡田監督の気持ちも伝わってくる。
野手……矢野輝弘 ここにきて打撃好調。野口との併用ながら勝ち試合のいいところで打点を稼いでいる。矢野をおびやかす若手が出てこないのがもどかしく思えるほどである。
次節はKスタ宮城でイーグルスと対戦。本拠地で強い好調イーグルスだけに、かなり気合いを入れて野村監督をおおいにぼやかせてほしいところだ。1日置いて甲子園に戻り、交流戦折り返しの試合はホークスとの2連戦。続いて甲子園でバファローズと対戦する。ここまでビジターが多かったので、本拠地では地の利を生かした試合運びを期待したい。
(2008年6月2日記)