愛すれどTigers


5連勝で交流戦首位に並ぶ

 クリネックススタジアム宮城でのイーグルス戦は初戦こそ野村監督に読まれたように敗れたものの2戦目は着実にとって1勝1敗。甲子園に戻っての4連戦はホークスのタイガースキラー杉内を延長戦で破るなどして2勝し、バファローズ戦もベテランの活躍で2連勝。ホームチームでの強みを生かして5連勝し、イーグルスと並んで交流戦首位に躍り出た。交流戦第3節は5勝1敗と大きく勝ち越し、通算39勝18敗1分、勝率.6l84。2位ドラゴンズとの差は7.5ゲームと大きく広がった。また、オールスターファン投票の第一次中間発表が行われ、先発投手は岩田、中継ぎは久保田、抑えは藤川と投手3部門を独占、一塁手の新井、外野手の赤星、金本と現時点で6人が1位という出足となった。

◎ゴールデンイーグルス1回戦……4−11
 初回、イーグルスの田中から赤星がヒットを放ち、関本が送って新井の二塁打で先制した。しかし、イーグルスは下柳ののらりくらり投法を読み切ってその裏に反撃。渡辺直がヒットで出ると高須が送り、渡辺は三盗。意表をつかれた下柳はペースを乱されリックと山崎武を歩かせ満塁に。フェルナンデスの内野ゴロで同点に追いつかれ、中島の二塁打で2点勝ち越された。2回裏には2死一二塁からリックに外野フライを打たせたが、なんと金本と赤星がお見合いをしてしまい両者の間に打球が落ちてさらに2点を失った。3回表、金本のタイムリーで1点を返したが、その裏下柳は中島にソロホームランを打たれてせっかくの援護も吐き出してしまう。4回表には好調藤本にタイムリーが出たが、大量点にはつながらない。タイガースの二番手阿部は4回裏にリックに、5回裏には高須にそれぞれタイムリーを打たれて点差を広げてしまう。6回裏には三番手太陽が鉄平に2点打を打たれてなんと10点目のホームを踏ませてしまった。7回表、関本の二塁打で田中から4点目を奪い降板させたが時すでに遅し。イーグルスは8回裏にも草野の内野ゴロで11点目を江草からあげ、完膚なきまでに叩きのめしてくれた。
◎ゴールデンイーグルス2回戦……5−2
 2回表、イーグル永井を攻略。桧山のヒットと鳥谷の四球でチャンスを作り、藤本が先制の二塁打を放ってまず1点。3回表には二塁打の金本を置いて桧山がライトフェンス直撃の三塁打で2点目。5回表には四球の走者を2人おいて金本がライトスタンドに決定的な3ランを放った。タイガースの先発上園は5回裏の鉄平の2ランで3点差とされてこの回限りで降板。それでも6回からは渡辺、久保田、ウィリアムス、藤川と1回ずつ危なげなくつないで逃げ切った。ヒーローインタビューは金本。
◎ホークス3回戦……5−2
 この試合のホークスは南海黄金時代の復刻ユニフォームでの登場。先発は岩田と大隣。関西学生野球では関大と近大で投げあったというライバル。先取点はホークス。2回表、内野安打の長谷川を山崎が二塁打で返す。さらに3回表、川崎が二塁打で出ると松中がレフト前に弾き返して2点目。しかしタイガースも4回裏にバルディリスが二塁打で出塁し、赤星のセンター前タイムリーで1点を返した。続く5回裏、新井が左中間スタンドに同点ソロホームランを打ち込み、試合は振り出しに。7回表、二番手久保田は1死満塁のピンチを作ったが、小久保、柴原と連続三振で切り抜ける。8回裏、ホークスの二番手ニコースキーが乱調。先頭の新井が歩き、金本がヒットで続く。フォードも四球で満塁に。鳥谷は背中に死球を受け、押し出しで勝ち越す。変わった藤岡に、代打桧山はバットを折りながらセンター前に2点タイムリー。これで試合は決まった。最後は藤川が締めて逃げ切り。ヒーローインタビューは桧山。
◎ホークス4回戦……3−2
 先発は能見と杉内の両左腕。能見は2回表に的山のタイムリーと川崎の犠牲フライで2点を失う。初回から危ない投球だった能見はこの回限りで降板。2回裏、先頭の金本の二塁打などでチャンスを作ったタイガースは矢野のレフト前タイムリーで1点差とする。このあと、ホークスは杉内がタイガースキラーの本領を発揮、凡打の山を積み重ねる。一方タイガースは二番手の江草が3イニング、三番手の渡辺が2イニングをそれぞれ無失点で切り抜ける。7回裏、先頭の矢野がヒットで出塁。バルディリスが送って代打は杉内に強い浅井。狙いすましたように速球をライトオーバーに打ち返して三塁打。ついに同点に追いついた。ウィリアムスが9回まできっちり抑え、杉内も9回を投げ切って延長戦にはいる。10回表には藤川を投入し、勝ちに持っていく執念を見せる。杉内は延長になってもマウンドに。10回裏、代打葛城がうまくライト前にすくいあげるヒットで出塁し、赤星もセンター前に落す。関本がよくボールを見て四球を選び打席には新井。ここまでいいようにやられてノーヒットだったが、ここではレフト前に弾き返して代走の秀太がホームイン。劇的なサヨナラヒットで杉内に初めて黒星をつけた。ヒーローインタビューは同点打の浅井とサヨナラの新井。
◎バファローズ3回戦……4−3
 先制したのはタイガース。バファローズ先発の山本から関本が三塁手北川のエラーで出ると、新井がヒットでつなぎ金本の犠牲フライで1点を奪った。4回裏には新井のレフトスタンドぎりぎりにはいるホームランで2点目。しかし、この援護をアッチソンは生かせない。5回表、北川のレフトスタンドへのホームランで1点差とされ、1死二三塁でローズにセンター前2点タイムリーを打たれてひっくり返された。しかし、6回裏、新井が二塁打を打つと金本の外野フライで三塁に進み、フォードのフェンスいっぱいのレフトへの犠牲フライで追いついた。7回裏、バルディリスが二塁打。林の外野フライで三塁に進むと、赤星のタイムリーでついに勝ち越し。タイガースは7回から渡辺、久保田、藤川と1回ずつ投げてバファローズの反撃を封じた。ヒーローインタビューは赤星。
◎バファローズ4回戦……4−1
 タイガースがワンチャンスをものにして一気に攻撃。連勝を5とのばした。関本がショートのエラー、新井が二塁打で続き、金本が技ありのレフト前ヒットで2点を返した。さらに鳥谷と矢野の連続犠牲フライで一挙4点をものにした。下柳は6回表にローズに打たれたタイムリーの1点のみで降板。7回からは江草、久保田、ウィリアムスがランナーを許しても要所は締めて藤川にバトンタッチ。藤川は日高、後藤、由田を連続三振に打ち取って試合を締めくくった。ヒーローインタビューは下柳、金本、矢野の同級生トリオがお立ち台に。下柳はタイガースでは若林以来という四十代での勝利投手となった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェフ・ウィリアムス できれば渡辺、江草、久保田、藤川と5人まとめての大盤振る舞いといきたいところだが、ここは代表して一番の安定感を見せたウィリアムスとしておこう。とにかくこの5連勝は中継ぎから抑えの5人の投手のフル回転によってもたらされたといっていい。
野手……新井貴浩 いよいよホームランの量産体勢に入ったか。むろん積極的な走塁と身を呈しての好守にも投手陣はおおいに助けられた。杉内からのサヨナラヒットも印象に残る。打線のつながりと一発の威力を同時に見せつけてくれた。

 次節はビジターのみの4試合。西武ドームのライオンズ戦と千葉マリン球場のマリーンズ戦。交流戦最後のビジター戦を勝ち越せば、交流戦首位も見えてくる。リーグでの順位も安泰であるし、勝ち越しも21にまでのびた。チームの勢いが違う。とにかく今のうちに勝てるだけ勝ち続けてほしい。

(2008年6月10日記)


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