日程上例年よりもオールスター戦が遅いため、今節でやっと前半戦終了となった。長期ロード開始ともなる神宮球場でのスワローズ2連戦は、今季の相性の悪さもあったか1勝1敗。それでも前半戦終了時点で両リーグ一番乗りとなる60勝に到達して終えることができた。今節は1勝1敗、通算60勝32敗1分、勝率.652。2位ジャイアンツとのゲーム差は9.5と変わらず。CSマジック37。優勝マジック41。
京セラドーム大阪のオールスター第1戦は金本がダルビッシュ(F)からホームランを打つなどの活躍でMVP候補といわれたが、最終回に久保田が山崎(E)にサヨナラ打を打たれて敗戦投手となり、大魚を逃した。金本はベストバッター賞。横浜球場での第2戦では藤川が初出場以来パーフェクトピッチングの記録をこの試合でものばした。藤川はベストピッチャー賞。山形で行われたフレッシュスターでは表彰選手こそいなかったものの野原が2安打、坂が三塁打を記録するなど、タイガース勢は活躍。全ウ先発の大役を担った鶴は1失点。
◎スワローズ15回戦……3−4
初回、タイガース打線が村中をつかまえた。赤星が歩き、平野が送って関本が四球を選ぶ。村中のワイルドピッチで二三塁とし、金本のセカンドゴロの間に赤星が先制のホームを踏んだ。さら高橋光の四球で満塁に。鳥谷はライト前に落ちるタイムリーでこの回2点目。ただ、続く野口の三振で村中を完全に叩き潰せなかったのが痛かった。上園は初回のピンチこそ併殺でしのいだが、2回裏に打ち込まれる。先頭の畠山を歩かせ、田中のバントで二塁に進ませる。そして飯原にライトオーバーの三塁打を打たれて1点差とされ、川島慶に四球。福川のライト前タイムリーで同点。ピッチャーの村中には勝ち越しの犠牲フライを打たれてしまい、この回限りでマウンドを降りた。4回表、反撃のチャンスがきた。先頭の野口が左中間に二塁打を放ち、バルディリスのレフト前ヒットで一三塁とする。ここで代打浅井がライト前に落として同点。赤星のバントで1死二三塁とした。続く平野の当たりはセンター方向へのライナー。これをセカンド田中が好捕し、飛び出していた二塁走者浅井は倒れこむように帰塁しようとしたが手が届かずアウト。逆転のチャンスを逸した。タイガースは二番手の渡辺が前日のドラゴンズ戦の雪辱を果たす好投を見せたほか、三番手の阿部も好調を維持。5回まで同点で試合は進んだ。6回裏、久保田が登板。先頭の宮本のサードゴロをバルディリスが捕り切れずエラー。畠山のピッチャー返しの当たりはジャンプした久保田のグラブをかすめるように頭を越えて外野に。宮本が生還し、これが決勝点になった。スワローズは7回以降、松岡、押本、イムとつないで逃げ切った。
◎スワローズ16回戦……3−4
ボーグルソンが初回につかまった。センター前ヒットの青木を塁に置き、畠山のライトスタンド前列に飛び込む先制2ランがとびだした。しかしタイガースも3回表に赤星のセンター前ヒットを皮切りに平野の投手前バントヒット、関本のショート内野安打で満塁とし、金本が一二塁間を抜く2点タイムリーで同点とした。スワローズはその裏2死一三塁から一塁走者の宮本が盗塁を試み、内野手が狭殺プレーをしている間に三塁走者の福地がホームインして勝ち越す。これを自らの手で引き戻したのがボーグルソン。4回表、外角の球をひっぱたくと、球はレフトポール際スタンド中段に入る同点ホームラン。5回表には高橋光がライト福地の頭を越すライトスタンドぎりぎりにするりと入る勝ち越しホームランを放ち、ついにリードした。スワローズは6回から五十嵐、松岡を投入。タイガースもやはり6回からリーソップ、ウィリアムスと継投し、互いに譲らない。しかし、7回を終了した時点で激しい雷雨に見舞われ、試合は中断。22分後、主審が試合終了を宣告してタイガースの勝利が確定した。タイガースは前半終了時で60勝目をマーク。関本と、バルディリスが盗塁を決めたほか、アウトになったが庄田も果敢に走り、足でかき回しつつ一発で決めるという試合となった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……ライアン・ボーグルソン 自らのホームランもあって久々の先発勝利。好投してもバックが打ってくれないなどの不運な試合が続いたが、これをきっかけに来季残留を賭けて毎試合活躍してほしい。でないと来季はニコール夫人の出演するCMが見られな……(以下略)
野手……高橋光信 オリンピック出場で抜ける新井の代役として、左投手の時は高橋を一塁で起用できるめどがたった。というより、不調の新井よりもいいところで打っている。後半戦もこの調子で頼みますよ。
オールスターから1日だけおいて後半戦を開始し、5連戦のあと五輪チーム壮行試合などで公式戦が休みになるという変則日程である。もっともタイガースの場合は長期ロードの最中に自宅でゆっくりしたり鳴尾浜で練習したりできるのだから、ありがたいかもしれない。横浜でのベイスターズ2連戦、広島でのカープ3連戦は、対戦成績からいっても勝ち星を積み重ねるよい機会である。北京五輪のために藤川、矢野、新井が抜け、その補充という形で小宮山捕手、前田内野手、桜井外野手、橋本健投手が一軍昇格。この機会を逃してほしくない。
(2008年8月3日記)