愛すれどTigers


後半戦開幕大勝も五輪メンバー抜け4連敗

 オールスターから1日だけあけて後半戦が開幕した。横浜球場のベイスターズ戦は初戦こそ21安打19点という今季最大の得点で勝ったが、2戦目から投打の歯車が微妙にずれ始め、1勝1敗に終る。甲子園を高校野球に明け渡しているため京セラドーム大阪で行われたカープ戦はオリンピック代表選手が抜けた分気合いを入れたのが空回りしたか3連敗。4連敗も同一カード3連敗も今季初である。今節は1勝4敗、通算61勝36敗1分、勝率.629。2位ジャイアンツとのゲーム差は8.0と縮み、優勝マジックも消滅した。 

◎ベイスターズ12回戦……19−2
 初回からベイスターズ先発の真田を攻める。赤星のヒットのあと2四球で2死満塁とし、葛城があわやホームランかというライトフェンス最上部に当たる3点二塁打を放った。その裏安藤は2死から内川の一塁ゴロをベースカバーの安藤が捕球ミスして生かしてしまい、続く吉村の右中間の二塁打は、バックホームの送球を野口がこぼしてホームインを許した。ミスから取られた点で少し嫌なムードになったが、3回表、二塁打の鳥谷を塁に置き金本がレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打で返して4点目をあげると、関本の内野安打でランナーをため庄田のレフトフライが外野手のお見合いで二塁打となって2点を追加、5点差として流れをつかんだ。6回表、ベイスターズ三番手の吉原を2死満塁と攻め、鳥谷が押し出し四球。金本がセンター前に弾き返すと2者が生還して9点目。試合はほぼここで決した。6回裏、安藤は石井琢のタイムリーで1点を失ったが、7回まで安定した投球を見せて早めの交代となった。7回表、吉原を無死満塁と攻めたて、ここで四番手山北に交代。赤星が走者一掃の二塁打、平野は一塁ゴロも内川の送球が大きく外れて内野安打となりその間に赤星が生還。金本のタイムリー、関本の2ランと山北をめった打ち。この回は一挙7点。そして9回表、五番手横山から無死二三塁で金本がこの試合6打点目となる2点タイムリー二塁打。そのあとも2死二三塁からこの試合プロ入り初の一軍マスクをかむった小宮山がプロ入り初安打初打点となるライト前ヒットを放った。大量リードに守られて8回からは阿部、橋本健が無失点でつないで後半戦は21安打19点という大勝のスタートとなった。優勝マジックは40に。ヒーローインタビューはプロ入り初の1試合5安打を放った金本。
◎ベイスターズ13回戦……3−6
 初回、苦手の三浦から平野のヒットと鳥谷の四球でチャンスを作り、五番の関本がセンターへの先制3ラン。これで勝ちムードに乗ったと思われた。しかし、移籍後初勝利を意識する金村暁はその裏内川を振り逃げで出塁させると吉村にライト線への三塁打を打たれてすぐに1点を返された。さらに2回裏、石井琢にライトスタンドに運ばれ1点差に。それでも4回まではなんとかしのいでいたが5回裏につかまった。先頭の石川をヒットで出塁させ、三浦にバントを決められ、仁志のヒットで2死一三塁に。内川の同点タイムリー、吉村には勝ち越しタイムリーをレフト前に運ばれ、ビクビーにはセンター前に2点タイムリーでダメを押された。三浦は2回以降ペースを取り戻し2回から8回までわずか3安打散発。タイガースのリリーフも5回2死から登板した江草、そして渡辺、久保田と好投したが、打線の援護がなくそのまま最後は寺原に抑えられて敗れた。ジャイアンツが敗れたため優勝マジックは39。
◎カープ12回戦……1−6
 初回、岩田は先頭の東出にヒットを打たれ、赤松のバントで二塁に。アレックスのレフト前ヒットで一三塁とし、栗原はサードゴロ。関本がバックホームして三本間の挟殺プレーとなったが、岩田が東出にタッチにいって空振り。そのままホームインを許すという嫌な先取点。岩田はそのあとはもちなおし、5回までなんとか無失点で切り抜ける。一方カープ先発の前田健は狙い球を絞らせてくれない投球でタイガース打線を手こずらせる。6回表、先頭の嶋にヒットを打たれたが牽制でつり出してアウトにするなどいい感じだったのに、シーボルを歩かせることで流れをまたカープに。石原にもヒットを打たれ、小窪のショートへの強い当たりは鳥谷が必死でジャンプして取りにいくがグラブで弾いてヒットにしてしまい重い1点を追加された。6回裏、金本のライトスタンドへのソロホームランで1点差としたが、反撃もそこまで。7回表に登板した久保田がめった打ちにあう。無死満塁で嶋に2点タイムリー。さらに石原にも2点タイムリーを打たれて5点差に。カープは7回からブラウワー、横山、上野の継投で逃げ切り。この敗戦で優勝マジックも消滅した。久保田は二軍降格。
◎カープ13回戦……2−5
 ボーグルソンと高橋の投手戦で始まった試合も、ボーグルソンの独り相撲でおかしくなった。4回表、先頭の小窪に二塁打を打たれると、アレックスに死球、栗原に四球で満塁に。島とシーボルは連続三振に切って取ったが、天谷には押し出し四球。そして倉の打席ではワイルドピッチで2点目を与えてしまった。4回裏、金本、高橋光の連続二塁打で1点を返したが、そこからのつながりがない。それでも5回裏、内野安打の赤星を平野が送り、鳥谷のタイムリーで同点とした。5回表から登板したアッチソンはメジャーでも中継ぎ専任だったというだけあり好投。7回表に登板したリーソップが逆に期待を裏切る。7回はシーボルにレフトポール際にソロホームランを打たれてリードを許し、8回には三塁打の喜田剛を栗原のタイムリーで返されると、嶋にもタイムリーとなる二塁打を打たれてダメを押された。カープは7回まで高橋がしっかり抑え、ブラウワー、永川の継投で逃げ切られた。
◎カープ14回戦……3−4
 先制したのはカープ。3回表、下柳が小窪にレフトスタンドに運ばれた。しかしその裏、宮崎から鳥谷が逆転2ランをライトスタンドに運ぶ。さらに金本がライトスタンド中段へ連続ホームラン。下柳も6回表まで完全に自分のペースで投げる。しかし、7回に突如崩れた。先頭の赤松を歩かせると、アレックスの内野ゴロで二塁に。栗原の当たりはセンター前に高く上がり、赤星の前に落ちるタイムリー二塁打に。嶋を歩かせシーボルに同点タイムリー。石原の犠牲フライで勝ち越された。藤川不在の影響や前日のリーソップ乱調などがあっていつものように6回で交代といかなかったか。岡田監督も普段のペースを見失っているのか。8回以降はタイガースは渡辺とウィリアムスが好投し、次につないだ。カープは4回から継投に入り、元タイガースの牧野、そして若い岸本、ベテランの横山、永川とバラエティにとんだ中継ぎ陣。先発を崩していかないと、この強力中継ぎ陣は後半戦の強敵となりそうだ。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 大量得点に守られながら自分のペースをしっかりと維持して10勝目をあげた。低めにしっかりとコントロールされた投球は安藤ならではのもの。後半戦も柱として投手陣を引っ張っていく存在になれるか。
野手……金本知憲 肩に力の入ったほかの打者に対し、さすがは四番。自身初の1試合5安打を記録したかと思うと、カープ戦では3ホームランと打ちまくった。そういう姿勢こそ全ての打者への手本である。

 今節は東京ドームで眼下の敵ジャイアンツと2連戦。1日あけて京セラドーム大阪でベイスターズと3連戦。五輪チームとの強化試合などで4日間日程があいた。それにしても夏休みのかきいれ時にこんなに日程をあけるなどというのは興行的に損ではないのか。アマチュアの祭典であるオリンピックにここまで協力する必要があるのかという疑念は残る。特に土日を空き日にするなんてもったいない日程である。それはともかく、眼下の敵ジャイアンツには最低でも1勝1敗で乗り切ってくれれば、かなり気分的には楽になるだろう。連敗脱出を意識し過ぎず、これまでのペースを思い出してもらいたいものである。

(2008年8月11日記)


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