愛すれどTigers


打線深刻、ベイスターズに3タテ食らう

 五輪チームの強化試合などで4日間あいたあと、東京ドームでのジャイアンツ戦はグライシンガー、内海の両投手に抑え込まれながらも1勝1敗で乗り切った。しかし、京セラドーム大阪に戻っての最下位ベイスターズ戦でも打線の不振は深刻で先取点を取られても跳ね返せず予想外の3連敗。今節も1勝4敗、通算62勝40敗1分、勝率.608。2位ジャイアンツとのゲーム差は7.0と縮み、一度再点灯した優勝マジックも35まで減ったところで再消滅した。 

◎ジャイアンツ15回戦……0−7
 安藤が初回に小笠原に2ランを打たれる。それでも4回を投げ切って失点はこの回だけだったのだからよく頑張ったといえる。打線はグライシンガーの前に完全に沈黙。6回表には1死二三塁とチャンスを作ったが、関本が三振、野口もいい当たりながらセンターライナーでついに得点を奪えず。7回表には鳥谷が四球でチャンスを作るが左腕山口にスイッチされ金本は内野ゴロ。7回裏、自慢の中継ぎ陣が乱れに乱れる。渡辺は先頭の鶴岡を歩かせるなどして1死二三塁で降板。江草は木村拓に走者一掃の二塁打を打たれて降板。続いて登板した阿部はラミレスに3ランを打たれ、この回一気に5点を失った。ジャイアンツは、山口のあと金刃につないで逃げ切り。ついに5連敗となった。
◎ジャイアンツ16回戦……4−2
 初回、岩田が小笠原にタイムリーを打たれて1点を失ったが、2回以降は立ち直り、7回まできっちりと抑えてマウンドをアッチソンに譲った。タイガースは苦手の内海をうちあぐんでいたが、赤星の三塁内野安打をサードの二岡が一塁へ悪送球し赤星は一気に三塁へ。関本の三塁ゴロの間に赤星が生還して同点に。二番手アッチソンが8・9回を完璧に抑えて流れを作り試合は延長戦に。10回表、マウンドにはクローザーのクルーンが上がるが、関本、鳥谷と二者連続四球。たまらず原監督は左の藤田をマウンドに送る。金本は2球目の内角球を狙いすましてライトスタンドにぶちこむ。3ランは決定的だった。10回裏、ウィリアムスは二岡にソロホームランを打たれたが、後続はしっかりと打ち取って逃げ切った。優勝マジックが再点灯して36に。ヒーローインタビューは決勝ホームランの金本。
◎ベイスターズ14回戦……4−11
 下柳は初回に吉村の二塁打で1点を先制されたが、タイガース打線も2回裏にベイスターズの左腕ウィリアムスから桜井と野口の連打でチャンスを作り、ウィリアムス(YB)の暴投で同点とした。5回までマイペース投球の下柳だったが、6回表につかまった。1死二塁から内川のライト前タイムリーで勝ち越され、吉村を歩かせたあと金城の打球はセンター前に落ちる。赤穂しかバックホームを焦ってグラブを先に出し過ぎ後逸、この回2点目を献上した。7回表登板の二番手リーソップが大誤算。1死二塁から石川にセンター前タイムリーを浴び、打者仁志の時にその石川に盗塁を許す。仁志のショートへの強い打球は鳥谷がこぼしてエラーに。内川を歩かせて満塁となる。吉村を歩かせ押し出しで1点を献上し、ここで渡辺に交代。渡辺もいつもの制球が見られず金城にタイムリー、大西に押し出し四球、石井琢にタイムリー、ビグビーの内野ゴロでさらに1点、相川のレフト前タイムリーでこの回7点目。8回表には阿部が吉村にソロホームランを浴び、全部で11失点という投手陣大乱調。7回裏、二番手石井裕からヒットと四球で無死満塁として金本が押し出し四球。マウンド上には三番手小山田が上がるが、代打桧山がタイムリー。期待のかかる関本はセカンドゴロ併殺でその間に三塁ランナーは返ったものの反撃ムードが一気にしぼんだ。9回表、大量得点差があるのに四番手小山田が金本と林に頭の近くにくる球を投げ、金本は怒り、岡田監督も試合終了後納得がいかないとばかりにベンチから帰ろうとしなかった。捕手相川も謝意を示さず、遺恨になる可能性も。後味の悪い試合となった。ジャイアンツが敗れたためマジックナンバーは35に。
◎ベイスターズ15回戦……0−4
 先発ボーグルソンが3回に打たれる。ヒットの石川を塁に置き、首位打者内川を渾身の投球で三振に切ってとった直後、気の抜けたかのような好球を吉村に投じレフトスタンドに飛び込む2ラン。6回表には金城と大西の連打でピンチに。因縁の相川が打席に入ったがセンター前に運ばれて1点を失い、さらに呉本の打席で野口がパスボールして3塁走者を迎え入れてしまった。ベイスターズの先発は新人桑原謙。低めに決まるカットボール、ツーシームなどを有効に使い、特に左打者の内角膝元によく決まり、打線は完全に手玉にとられてプロ入り初完投初完封という悲惨な結果に終ってしまった。なお、この試合で金本選手はプロ入り通算2000試合を記録した。また、ジャイアンツが勝ったため、優勝マジックが再び消滅した。
◎ベイスターズ16回戦……1−5
 先発は久々の一軍登板となる杉山。3回表に藤田に二塁打を打たれると、投手の吉見に一二塁間を抜かれて、これが先制タイムリーに。吉見はこの試合猛打賞の活躍。それにしても投手に先制点をたたき出されると士気が下がることこのうえない。4回表には1死三塁から金城にタイムリーを打たれ、さらに佐伯にはライトスタンドに運ばれてこの回3点を失う。さらに2死一三塁としてしまい、ここで杉山は降板。後続は江草が断ち切った。6回表は久保田が四番手でマウンドに上がったが、吉見と石川の連打でピンチとなり、内川のタイムリーでダメ押しの1点を奪われた。ベイスターズ先発吉見の前に詰まらされていた打線だったが、8回裏、バルディリスが二塁打を放ち、この試合先発マスクの狩野が右中間を破るタイムリー二塁打で完封は免れた。タイガースはアッチソン、ウィリアムスの好投で最後まで粘ったが、9回裏、ベイスターズは小山田を投入し逃げ切った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……スコット・アッチソン アメリカ時代に慣れ親しんだセットアッパーに転向し、今節は無失点と安定した結果を残し、久しぶりの勝ち星も記録した。来季残留に向けてこの調子でアピールを続けていってほしい。
野手……該当者なし ジャイアンツ戦の決勝ホームランだけとれば金本といきたいのだが、ベイスターズ戦ではここぞというところでヒットが出ず、深刻な打線不調の象徴のようになってしまった。今節は奮起を促す意味で該当者なしとする。ここで私が奏したからタイガースの選手が奮起するわけないですか。

 次節は広島市民球場でカープ3連戦のあと、2日休んでから神宮球場でスワローズ2連戦という変則日程。五輪の決勝の日程の関係なのだろうけれど、試合のない日をいかに活用して気分を切り替えられるか。幸い閉息的なドーム球場で試合から、オープン・エアの球場での試合が続きかなり気持ちも変わるはず。変わるよね。変わってくれよ。

(2008年8月17日記)


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