前回3連敗したベイスターズと横浜球場での連戦はよもやの2連敗のあと、3戦目も敗色濃厚だったが雨に救われ中止。今季限りでお別れとなる広島市民球場での最後の3連戦となったカープ戦は、第2戦で延長12回に鳥谷の決勝打が出て連敗を5でストップしたものの1勝2敗と負け越し。投打とも苦しい中で勝つとマジックが出、負けると消滅するという繰り返し。一時はマジック22としたが結局消滅した。今節は1勝4敗、通算70勝47敗1分、勝率.598。2位ジャイアンツとのゲーム差は4.0とさらに縮まった。
◎ベイスターズ17回戦……3−5
岩田が今季最短の4回途中でのKO。初回、タイガースはベイスターズ先発の吉見を攻める。ヒットの赤星が盗塁、平野の進塁打のあと鳥谷のセンター前のタイムリーで1点を先取した。しかし、2回裏に岩田は吉村と大西の連打でピンチを作り、金城にレフトオーバーの二塁打で2点を奪われ逆転される。さらに満塁のピンチとなったがここは仁志をショートゴロに退けて傷口を広げずにすんだ。それでも不安定な投球は続く。3回には大西のタイムリーでさらに1点を失った。それでもタイガースは4回表に二塁打の関本を塁に置き、鳥谷と金本の連続内野ゴロでなんとか返し1点差に。そこから林と高橋光の連打でまたチャンスを作り、バルディリスのタイムリーで同点に追いついた。しかし反撃もそこまで。4回裏、相川のヒットと吉見の犠打、石川のヒットで1死一三塁とされたところで岩田は降板。二番手の渡辺が仁志に2点二塁打を打たれて勝ち越しを許す。吉見は5回で降板したが、牛田、石井裕、寺原のリレーにかわされ6回以降はチャンスらしいチャンスも作れなかった。タイガースも5回以降、能見、久保田、アッチソンのリレーでベイスターズ打線を封じて打線の奮起を待ったが、それも実らなかった。
◎ベイスターズ18回戦……0−8
天敵三浦に完封負け。好球必打の積極的な攻撃も実らず。6安打を放つも連打はなし。これでは点は入らない。タイガースは先発杉山が2回裏に金城の2ランと相川のソロホームランという2者連続のアーチで3点を先取され、4回限りで降板。二番手橋本健は5回裏に吉村のタイムリー二塁打と佐伯の犠牲フライで2点を奪われ、7回裏にも村田のセンターバックスクリーンへの2ランと吉村のレフトポールを巻く2者連続のホームランでさらに3失点。二軍に降格した。マジックは24で変わらず。
◎ベイスターズ19回戦(降雨中止)……3−6
先発は骨折から復帰した福原。初回、2死を取ってペースを作ったかと思われたが、あれよあれよという間に内川、村田、吉村、佐伯に4連打を食らい3失点。タイガースは2回表、初の5番に入った鳥谷の二塁打をきっかけに赤星のタイムリー二塁打などで同点に追いついた。特に投手の福原が一塁からホームへ一気に走る凄まじい気迫の走塁を見せたのには驚かされた。しか、その走塁の影響か、3回裏には連打を浴びて吉村に3ランを打たれる。しかし、3回を終了したところで激しい降雨で中断。一度は再開されたがすぐに2度目の中断。結局降雨ノーゲームとなって3連敗は免れる形になった。
◎カープ18回戦……3−6
初回、ルーキーの篠田から赤星がバントヒットで出塁したが牽制死。それでも関本、桜井、金本の3連打で満塁とし、鳥谷のライト前ヒットで2点を先制した。タイガースはベテランの下柳がマウンドに。東出のヒット、赤松の三塁バントをバルディリスが捕球しそこねて内野安打とされ、アレックスのヒットで満塁。栗原の左中間の二塁打で2点を奪われ同点に。嶋のセカンドゴロはイレギュラーバウンドして関本が後逸し、さらに2点を失った。3回裏には嶋のタイムリーでさらに1点を失い、4回で降板という結果に。篠田は2回以降立ち直り、タイガース打線をノーヒットに抑え込む。タイガースは7回裏に三番手の久保田が栗原のソロホームランで1点を奪われて万事休した。8回表、カープの三番手ブラウワーから関本が二塁打を放ち、内野ゴロで三塁に進むとブラウワーの暴投で生還し1点を返したが、永川にすぐにスイッチしたブラウン監督の判断のよさに反撃を断たれた。
◎カープ19回戦……5−3
初回、若い斉藤から金本のレフト前のタイムリーで先手を取り、2回表には関本のレフトスタンドに飛び込むソロホームランで2点目を入れる。安藤は3回裏にヒットの梵を犠打と外野フライで三塁まで進ませて赤松のタイムリーで1点を返された。そして5回裏、東出と赤松の連打でピンチに。栗原のライト前ヒットを桜井が三塁へ悪送球し、2者を生還させて逆転された。鳥谷がヒットを放ち、青木勇が登板。関本の一塁ゴロで鳥谷は二塁に進み、ここで三盗を決めた。矢野がライト線ギリギリにはいるタイムリーでなんとか同点に追いつく。タイガースはアッチソンと藤川が2回ずつ投げて無失点と反撃を待つ。カープも小刻みな継投でタイガース打線を封じ、試合は延長戦に。10回表、2死満塁のチャンスで鳥谷がセカンドゴロ。このまま引き分けも覚悟した12回表、七番手大島から赤星のセンター前ヒットを平野のバントと桧山の外野フライで三塁にすすめると、金本は敬遠。金本は盗塁で二塁に(盗塁の記録はつかず)。ここで鳥谷が三遊間を抜く2点タイムリーを放ち、最後は久保田が締めて苦しい連敗を止め、優勝マジックをまたまた点灯させた。ヒーローインタビューは決勝打の鳥谷。
◎カープ20回戦……2−5
金村暁は毎回先頭打者を出塁させながらもパームを武器に4回までなんとか無失点。しかし、5回裏、1死二塁でアレックスがタイムリー。嶋にもタイムリーを打たれて2点を先取される。カープ先発の前田健はタイガース打線を翻弄。6回表、先頭の赤星のヒットでペースを乱し、金本の一二塁間の当たりを東出に好補され、その間にとった1点のみ。この回は続く鳥谷、関本ともよい当たりをカープナインの守備にやられた。金村暁は6回裏、無死満塁からアレックスの併殺確実な当たりを鳥谷が取り切れず、平野の一塁悪送球の間に2点を奪われる。さらに栗原のタイムリーで大きく差をつけられた7回表、高橋光の代打ホームランで1点を返したが、上野、永川とつながれて逃げ切られた。、
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……スコット・アッチソン リリーフ転向後、いまだ失点なし。しかも、ほとんど三者凡退で流れを変える投球をする。テンポよく投げ込んで相手に考える隙を与えない。ここらあたり、岩田などよい手本となると思うのだが。
野手……鳥谷敬 カープとの3試合目に大きなエラーはしたものの、それまでは5番という打順でちゃんと結果を出している。連敗ストップの一打は胸がすっとした。この調子で金本敬遠という場面をなくしてほしいものだ。
次節は甲子園に戻ってスワローズ、そしてまたカープと6連戦。次々節のナゴヤドームのドラゴンズ戦とあわせると9連戦となる。先発投手のやりくりが苦しい中、鍵となるのはやはり打線だろう。こんなはずではなかったという焦りが悪球に手を出すというような形となってあらわれているように見える。ただ、2位とのゲーム差4.0は、この時期の首位チームとしてはかなり離している方なのだ。2005年のシーズンでは2位ドラゴンズに何度0.5差まで詰め寄られたことだろう。それをはねかえして優勝した、あの年の主力がまだまだ残っている。追いつめられているという感覚を持たずに開き直ってのびのびとプレーしてほしい。
(2008年9月8日記)