愛すれどTigers


スワローズに苦戦でまたもや同率首位に

 甲子園でのカープ戦は1勝。今季甲子園最終戦のドラゴンズ戦を雨で流し、さらに2日あけて行われたスワローズ4連戦は1勝2敗1分。5位確定のスワローズが逆にのびのびとプレイして、硬くなったタイガースの選手たちは防戦一方。ドラゴンズ戦を1勝1敗でしのいだジャイアンツとまたも同率首位で並ばれてしまった。今節は2勝2敗1分、通算81勝56敗3分、勝率.591。140試合到達時点で勝敗数も全く同じの同率首位というのはいやもう実にたまらんのである。

◎カープ24回戦……5−3
 先制したのはタイガース。2回裏、カープの先発青木高から今岡がセンターバッククリーンに叩き込むソロホームランを放つ。4回裏には新井と金本の連打で無死一二塁としたが、今岡がピッチャーゴロで併殺。2死二塁となってチャンスがついえたかに思われたが、鳥谷のセンター前ヒットで金本が生還し待望の追加点が入る。さらに関本がライト前にはこんでつなぎ、矢野のライト前タイムリーで3点差につけた。タイガースの先発石川は5回を投げて5安打無失点の好投。6回以降は得意の継投策で逃げ切ろうとする。しかし、この日は雨が強く降り二番手のアッチソンの投球が乱れる。6回表、天谷のヒットと栗原、嶋の連続四球で満塁とされ、シーボルのライトポール際への二塁打で2点を失い1点差と迫られた。続く7回表にはウィリアムスが2死から代打緒方を歩かせてしまい、アレックスの二塁打で二三塁に。栗原にレフト前にはじき返される同点タイムリーで試合は振り出しに戻った。タイガースは8回表から同点で藤川を投入し流れを作る。そして8回裏、三番手上野から新井が猛打賞となるライト前ヒットを放ち、金本がライトスタンドに飛び込む決勝2ラン! 藤川が9回を三者凡退に抑えて雨中の熱戦を締めた。ヒーローインタビューは金本と新井。金本のリクエストで葛城も呼ばれて「ウォー!」と雄叫びをあげた。
◎スワローズ21回戦……5−7
 序盤3回は安藤とゴンザレスがランナーを出しながらも無失点に抑えていたが、4回表に均衡が崩れる。新井と金本の連打でチャンスを作り、鳥谷のライト福地の目の前に落ちるヒットで新井が一気にホームイン。1点を先制した。続く5回表、安藤のヒットやサード畠山のエラーなどで2死満塁のチャンスにゴンザレスのワイルドピッチや今岡のレフトへの2点タイムリー二塁打などで3点を追加した。さらに6回表には二番手押本から関本、矢野の連打などで1死二三塁として赤星がレフト前に落として5点目を入れる。6回を3安打無失点で切り抜けた安藤は、次回のジャイアンツ戦先発をにらんで完封もできたが降板。7回裏に久保田を投入した。ところが、この久保田が飯原、ガイエル、田中に三連打をくらい降板、ウィリアムにスイッチした。2死までこぎつけたウィリアムスだったが、志田の内野ゴロで1点を与えた後、青木のセンター前タイムリーと川島慶の2点タイムリー三塁打で1点差にまで迫ってきた。8回裏、前の回から登板していたアッチソンが畠山の二塁打や田中のヒットなどで1死満塁のチャンスを迎えると、藤川を投入。藤川は打者川本の肩口をかすめるような暴投で同点の1点を献上し、落胆したか左中間に2点タイムリーを打たれて負け越した。完全な勝ちパターンで鉄壁のリリーフ陣が打たれたという結果に大きなショックを受けた試合であった。
◎スワローズ22回戦……2−2
 スワローズの新人加藤から初回にチャンスを作る。関本、新井の連打と金本の四球で1死満塁。ここで今岡がライトへ犠牲フライで1点先制。しかし鳥谷はいい当たりのセカンドライナーでチャンスを生かせず。その裏、下柳はヒットの青木を一塁に置き川島慶を外野フライに、そして飯原をサードゴロに打ち取った、と思いきや今岡がトンネル。このピンチで畠山にセンター前の2点タイムリーを打たれて逆転された。しかし、2回以降は本来の投球で5回まで無失点でしのぐ。打線も4回表にヒットの金本を今岡が内野ゴロで二塁に進め、鳥谷のセンター前へのタイムリーで同点に追いついた。しかし、両チームとも継投が見事にはまり、タイガースはアッチソンと藤川を2回ずつ投げさせ失点を防ぐ。スワローズも5回から松井、木田、、松岡のリレーで無失点。7回表にはヒットの新井を塁に置き金本がセカンドゴロで全力疾走して一塁ベースを駆け抜けながらも審判は併殺という判定を下すなど、不運な展開だった。試合は延長戦にもつれこんだが、タイガースはウィリアムス、渡辺がきっちり抑え、スワローズも五十嵐、押本がタイガース打線を抑えて12回決着つかず引き分けに。ベンチから球場を後にしようとする岡田監督に対して大きなメガホンを持った観客が「選手を信頼しろ、球児がつぶれてしまうぞ」と罵声を浴びせると、むきになった岡田監督は「誰に対して言うてるんや」と応じ、その観客が「応援してるんじゃないですか」と答えると「言い方ってもんがあるやろ」と怒りを抑えられなかった。この試合の前に、ジャイアンツが敗れて0.5ゲーム差ではあるがまた単独首位に立った。
◎スワローズ23回戦……8−3
 タイガースは石川、スワローズは川島亮が先発。石川は6回2死まで3四球ながらノーヒットピッチング。要所要所を厳しく攻める投球にスワローズ打線が苦しむ。対するタイガースは4回表、関本のヒットと金本の二塁打で1死二三塁のチャンスを作る。今岡が四球を選び、鳥谷のセンターの頭をライナーで越す二塁打で2点を先取。林が四球で続き再び満塁に。矢野のサードゴロを梶本が本塁へ悪送球してさらに2点を追加。そして赤星の一塁への内野安打で林も生還してこの回一挙5点を奪った。6回裏、川島慶に初安打を打たれた石川は飯原にも二塁打を打たれ、畠山のレフトへの2点二塁打で3点差と詰め寄られる。7回裏、二番手アッチソンは苦手の雨の中2死から連打と四球で満塁に。川島慶への肩口への一球が押し出し死球となり2点差に。8回裏からは藤川が登板。小気味よい投球で流れを引き寄せる。そして9回表、四番手イムから赤星が四球と盗塁、金本敬遠で守備固めに入っていたバルディリスがレフトスタンドへダメ押しの3ラン。藤川は9回余裕で抑えて逃げ切った。デーゲームでジャイアンツが勝ってゲーム差なしの2位と肉薄していたが、また0.5差に戻した。ヒーローインタビューは嫌な流れを断ち切るプロ2勝目をあげた石川。
◎スワローズ24回戦……1−3
 タイガースの先発は不安定な投球の続くリーソップ。初回につかまる。川島慶にヒットを打たれ、続く青木は右中間を破るタイムリー二塁打。畠山のサードゴロは今岡の悪送球を胸で受けた新井が前に弾いてアウトカウントを増やせず。そして飯原が三遊間を破る2点タイムリー二塁打。このいきなりの2点はかなり効いた。3回表にはスワローズ石川の投球が赤星の左手に当たる死球で退場した。4回表、金本がライトスタンドポール際に反撃のソロホームランを放つも後続は凡退。4回裏、ヒットの田中をボークで進め、石川が粘りに粘って一塁ゴロの間に三塁走者が返り、1点を加えた。タイガースは5回から江草、渡辺とつないでスワローズの反撃を封じるが、スワローズも小刻みな継投で逃げ切り。この結果、優勝争いは全くわからなくなってしまった。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……石川俊介 2週連続きちっとゲームを作っているとろを評価したい。与えられた機会を着実にものにしていっている。
野手……鳥谷敬 今節は6番に打順が固定され、シーズン当初のような勝負強さが戻ってきた。打線を線でつなぐようにして打ったタイムリーを毎試合見せてくれた。

 次節はベイスターズ戦のあと、いよいよジャイアンツとの最後の直接対戦である。死球の赤星の具合も気になる。一時の勢いも薄れているか。それでもタイガースは優勝する。そう信じ続けているのである。

(2008年10月7日記)


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