愛すれどTigers


10・8決戦に敗れ逆転優勝許す

 横浜球場でのベイスターズ戦を1回表に1点取ったところで雨で流し、同率首位のまま東京ドームでのジャイアンツとの首位対決、いわゆる「10・8」決戦に臨むことになった。結果は打線が機能せず敗退。翌日は試合がなくジャイアンツがベイスターズに敗れて0.5ゲーム差と縮まったが、次の日の横浜球場でのベイスターズ戦に敗れ、ジャイアンツがスワローズに勝ちジャイアンツの逆転優勝が決定した。ベイスターズには最終戦にも敗れ2連敗。スカイマークでのドラゴンズ戦で最後はなんとか勝ってシーズンを締めくくった。今節は1勝3敗。公式戦全日程終了で82勝59敗3分、勝率.582。優勝したジャイアンツとのゲーム差は2。なお、優勝を逸した翌日、岡田監督は辞意を表明した。

◎ジャイアンツ24回戦……1−3
 勝ったほうにマジックが点灯する大切な試合、タイガースは中4日で開幕投手安藤を立て、ジャイアンツは中10日とこの試合を照準に調整してきた内海をマウンドに送る。タイガースは初回、赤星がヒットで出塁しながらバント名人の関本が転がしたボールは阿部捕手の目の前にとどまり併殺打となる。2回表には今岡が四球を選んだが鳥谷が二塁ゴロで併殺。これで流れはジャイアンツにいった。3回裏、1死から脇谷が二塁打。小笠原が歩いてラミレスのサードゴロは今岡が何とか押さえたが二塁にはぎりぎり届かず満塁に。ここでイ・スンヨプの当たりは左中間を破る2点二塁打に。安藤は4回限りで降板した。4回表、赤星のヒットを今度は関本が確実に送り、新井が歩いて金本に打席が回るという絶好のチャンスを作ったが、金本は外角球を空振り三振。今岡もショートゴロに倒れて生かせなかった。それでも6回表、1死から新井がレフト前にはじき返すと金本、鳥谷と四球を選び2死満塁に。矢野もよくファールで粘って押し出しの四球を選んだ。岡田監督はここで代打桧山を起用。原監督は内海から山口にスイッチ。桧山は内角球を思い切り打ったがバットをへし折られるセカンドゴロ。1点差と迫ったが追いつけなかった。6回裏からマウンドに上がったアッチソンは快調にアウトを積み重ねたが、7回裏、ラミレスに失投をセンターバックスクリーン横に放り込まれ重い1点を失った。8回表、山口から金本が二塁打を放ち、今岡の投手ゴロで三塁に進む。しかし鳥谷は外角に逃げる球を空振り三振。矢野に対して登板した豊田にも抑えられ、最後の盛り上がりは消えた。タイガースは5回からウィリアムス、そしてアッチソン、8回からは藤川を投入して流れをつかもうとしたが、9回裏、クルーンの前にあえなく三者凡退。最後の打者赤星は空振り三振。タイガースのいい当たりはジャイアンツの若手外野手がことごとく好捕。若い勢いとベテランの老練さの激突は、勢いに勝るジャイアンツに凱歌が上がった。
◎ベイスターズ23回戦……3−4
 なんとか再逆転優勝をという希望を持って臨んだこの試合、3回表にベイスターズ先発の小林から金本がレフトスタンドに2ランを放ち先制。5回表にも関本のソロホームランが出て優位に進む。タイガースの先発は下柳。5回までは完璧な投球。ところが6回裏、1死から大西を歩かせ藤田にもヒットを許し、内川のセンター前タイムリーで1点を奪われた。岡田監督はアッチソンを投入するが、これが裏目に。村田の逆転3ランがレフトスタンドに。そのあと2連続三振で後続を断ったが時すでに遅し。負けゲームながら藤川を登板させて勝機を伺ったが、打者に焦りの色が見え、真田、山口、寺原のリレーで逃げ切られた。最後の打者となった新井は2死一二塁というチャンスで期待をかけられたがライトフライに終り、思わず天を仰いだ。この結果、ジャイアンツの優勝が確定した。
◎ベイスターズ24回戦……4−5
 タイガースの先発は石川。村田と吉村の連即タイムリーで初回に2点を失う。タイガースは吉見から4回表に金本のタイムリーで1点を返して詰め寄る。そして7回表、矢野のタイムリー二塁打と浅井の2点タイムリーで逆転した。しかしその裏、二番手阿部がランナーをためて藤田の内野ゴロで1点差とされ、内川にレフトスタンドに逆転2ランを打たれた。最後は寺原で逃げ切られた。(この日はラジオ中継も聞ける環境になかったので、スポーツニュースの映像と新聞掲載のスコアを参考にして書きました)
◎ドラゴンズ24回戦……4−1
 タイガースは10勝のかかる岩田が先発。4回表にT・ウッズのライト線へのタイムリーで1点を先取されたが、それ以外は粘りの投球。ドラゴンズはクライマックス・シリーズをにらんで予想される先発投手陣を小刻みに登板させる。先発チェンと二番手川上には2回ずつ投げられてノーヒット。三番手の山本昌にも5回は抑えられたが、6回裏に牙をむく。投手の岩田がチーム初安打を放つと、赤星、関本が連続ヒット。満塁で新井は三振したが金本、鳥谷と連続押し出し四球で逆転。ここで斉藤がマウンドに。代打桧山もよく選び押し出しで3点目をあげた。8回裏には浅尾から1死一二塁とチャンスを作り、交代した高橋には矢野が四球で2死満塁。ここまで不振の平野がライト前にタイムリーを放ち3点差とした。岩田を6回で交代させた岡田監督はアッチソン、ウィリアムス、藤川を1イニングずつ投げさせ逃げ切り。クライマックス・シリーズに向けた調整はぬかりなしというところ。この試合、2つの盗塁を決めた赤星はプロ入り通算350盗塁となり、チーム記録である吉田義男さんと並んだ。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 プロ入り初めての一軍ローテーションを1年間守り切り、10勝目を手にした。優勝を逃したため新人王は厳しいが、昨年の上園よりも内容はいい。よくがんばった。
野手……金本知憲 最後まで打線不振の責任を背負い込んだ形ではあったが、それでも敗れはしたがベイスターズ戦での先制ホームランなど、さすが四番打者という姿を見せてくれた。岡田監督辞任については無言を貫いているところも金本らしい。

 信じられない。なぜジャイアンツの選手はあんなにはしゃいでいるのか。なぜ岡田監督は辞任しなければならないのか。年間82勝して優勝できないのなら、何勝すればよいのか。
 幸い昨年から始まったクライマックス・シリーズでジャイアンツにお返しできるチャンスは残されている。このシステムで日本一になることの意義は見つからないのだが、別に日本一はどうでもよいからとにかくドラゴンズとジャイアンツに6連勝くらいしてくれたら少しは溜飲が下がるかもしれない。ナインは気持ちを入れ替えて戦ってほしい。
 岡田監督は辞める必要はない。辞めるべきは星野SDである。今回のジャイアンツ逆転優勝にあたって星野SDが五輪代表監督としてタイガースに与えた打撃は大きすぎた。

(2008年10月13日記)


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