京セラドーム大阪でスワローズを迎えての3連戦で2009年のペナントレースが開幕した。初戦は安藤の好投と金本のバースデーアーチなどで真弓監督が初勝利を飾ったが、続く能見と福原がスワローズ打線の前に四死球連発で自滅して2連敗。開幕シリーズは1勝2敗と負け越した。しかし、打線はつながりを見せているので、先発投手さえ踏ん張れば調子を取り戻すだろう。矢野の代役でマスクをかむる狩野も懸命のリードで投手陣を引っ張っている。なお、第2戦で盗塁を決めた赤星選手は、通産351盗塁で吉田義男さんを抜いて球団史上1位となった。第1節終了時点で1勝2敗、勝率.333。首位ドラゴンズとのゲーム差は2.0。
◎スワローズ1回戦……5−2
先発は安藤と石川。タイガースは石川の立ち上がりを攻める。初回、関本と鳥谷が連続で四球を選び、金本のタイムリーがライトを襲いまず1点を先制。2回裏にはヒットの平野と赤星を塁に置き、関本が左中間スタンドに飛び込む3ランで点差をつけ、3回裏金本の41歳の誕生日を飾るソロホームランで5点目をあげ石川をノックアウトした。安藤は5回表にガイエルのソロホームランで1点を失い、7回表には二塁打の田中浩を相川のセンター前タイムリーでかえされて2点目を奪われた。代打畠山にもヒットを打たれてピンチは続いたが、福地、川島慶を気迫あふれる投球で打ち取り、8回からはウィリアムス、藤川とつないで逃げ切った。打線が5回以降、佐藤、押本、丸山のリリーフ投手を打ちあぐんだのが気にかかったが。真弓監督に藤川は監督初勝利のウィニングボールをそっと手渡した。ヒーローインタビューは金本と安藤、そして関本。
◎スワローズ2回戦……1−5
開幕2戦目の大切なマウンドを任されたのは能見。しかし、その期待にこたえることができなかった。初回、川島慶に先制のソロホームランを打たれ、2回表には宮本、田中浩の連打でピンチとなり相川にセンター前のタイムリーを打たれた。3回表は先頭の川島慶を歩かせデントナの内野安打で川島慶は三進。ガイエルのショートゴロの間に本塁生還を許した。3回裏、スワローズの先発由規から1死一塁に赤星という場面で盗塁成功。通産351盗塁で球団史上単独1位の盗塁数を記録した。鳥谷が歩き、金本のタイムリーで1点を返す。さらに新井が死球で満塁に。しかし、メンチが三振で逆転のチャンスをつぶす。能見は5回裏にも川島慶を歩かせ宮本の三塁打で2点を奪われ完全にノックアウト。由規は6回1失点でマウンドを降り、五十嵐、松岡、イムのリレーで逃げ切った。タイガースも渡辺、阿部、藤田、江草とリリーフ陣に今季初マウンドを踏ませて3戦目に備えた。
◎スワローズ3回戦……6−7
タイガースの先発福原は初回いきなり不振の福地に四球を与え、川島慶、青木、デントナの3連打で2失点。しかしタイガース打線もスワローズの川島亮を攻める。1回裏、ヒットの赤星を平野が送り、鳥谷の内野ゴロで三塁に進める。金本のタイムリー、そして新井もヒットで続いてこの日六番に入った関本がレフトポール際に逆転の2点タイムリー二塁打。これで流れをつかんだかと思われたが、福原は2回表に川島慶に逆転2ランをセンター方向に運ばれた。タイガース打線は2回以降は立ち直った川島に抑えられ、福原も立ち直りを見せる。しかし、5回裏、青木を歩かせデントナのセンターへの来日初ホームランでまた2点を失い、6失点で降板した。7回表には三番手江草が川島慶を歩かせ、青木の投手ゴロをセカンドベースに入った鳥谷に悪送球。痛い追加点を与えてしまった。7回裏、二番手五十嵐を攻めて反撃開始。桜井と赤星が連続で四球を選び、鳥谷が今季初安打となる2点二塁打を左中間に運んだ。8回裏には五番手押本から関本が二塁打。代打の葛城がセンター前に落ちるヒットで続く。代打桧山が歩き、赤星の犠牲フライで1点差に。しかし代打今岡は内野フライで追いつけず。9回裏にはイムから金本がヒットを打ったが新井、関本と倒れて惜しい試合を落とした。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 2年連続開幕投手としての連勝は1974〜5年の江夏豊さん以来。不動のエースと呼ぶには少々危なっかしいが、気合いの入った投球は先発投手陣の柱として今年も期待できる。
野手……関本賢太郎 初戦の3ラン、そして3戦の逆転タイムリーと、打順に応じたチャンスに強い打撃は今季も健在。絶好調の開幕を迎えた。関本がつなぎ役となって打線が活気づく。今季もそんな場面が多く見られそうである。
次節はリニューアルした甲子園で開幕からジャイアンツに2連勝と意気あがるカープと対戦。若手の多いチームを勢いづけさせないためにも移籍の久保やベテラン下柳の老練な投球術で立ちふさがってほしい。そして後半は東京ドームでジャイアンツと戦う。昨シーズン終盤から7連敗中だけに、今年は徹底的に叩いてほしいところだ。
(2009年4月6日記)