今節は倉敷と甲子園でベイスターズ3連戦のあと、1日おいて甲子園でジャイアンツ3連戦。ベイスターズには初戦は新井の活躍で勝ったものの、2戦目はベイスターズの若手にやられて敗れ、3戦目も危うかったが9回裏2死走者なしから連打で一気にサヨナラ勝ち。2勝1敗と勝ち越した。これで4月は11勝11敗の5割をキープ。その勢いをジャイアンツ戦にもつなげられるかと期待したが、2連敗。戦前の1941年に作った対G11連敗の記録に並んだ。しかも、不動のストッパー藤川がヒジ痛で二軍落ち。しかし、3戦目は昨季まで苦手にしていた不調の内海を攻めたて連敗ストップ。1勝2敗ともちなおした。今節は3勝3敗。今季通算12勝13敗1分、勝率.480。首位ジャイアンツとは4.5ゲーム差、カープと同率3位。
◎ベイスターズ4回戦……8−4
先制したのはタイガース。3回裏、小林から四球の関本とヒットの鳥谷を塁に置き、新井がライト方向へ2点二塁打を放つ。下柳は5回まで散発3安打でほぼ完璧な投球を見せていたが、6回表に崩れた。ジョンソンに1点差となるタイムリーを打たれ、さらに2死満塁に。ここで新人の細山田に走者一掃のタイムリー二塁打を打たれて逆転された。その裏、金本と新井が連続の内野安打。ここでベイスターズは那須野をマウンドに。代打浅井はバントをやるぞと見せかけてバスターヒッティング。レフト前ヒットで満塁となって代打今岡。マウンドには真田が。今岡はバットを折りながらレフト前に1点差となるタイムリー。さらに狩野の併殺打の間に新井が生還して同点に追いついた。7回以降は渡辺、江草とつないで味方の反撃を待つ。7回裏、吉川から先頭の平野がヒット、関本が送り鳥谷はレフト内川のエラーで出塁。金本敬遠で満塁になり、新井がレフト方向へ勝ち越しの2点タイムリー。続く浅井もタイムリーで1点を加え、とどめは桜井の犠牲フライ。点差を大きく4と広げ、ウィリアムス、藤川の継投で逃げ切った。ヒーローインタビューは倉敷のためなしに。
◎ベイスターズ5回戦……4−7
タイガースは新外国人ウォーランドから2回裏に新井のホームランで先制したが、安藤が3回表に2死から石川、梶谷に甘い球を打たれて二三塁のピンチ。内川を敬遠したが、村田の2点タイムリーと、ジョンソン四球の後の吉村の走者一掃の三塁打などでこの回一挙6失点。真弓監督はこの回限りで安藤を降ろし、阿部、アッチソンのリレーで4回以降を何とか無失点に抑える。タイガースはウォーランドから3回裏に関本のタイムリー二塁打で1点を返し、5回裏には阿部が四球で歩きウォーランドのボークで二塁に進むと、またも関本がセンター前にタイムリー。さらに金本もタイムリーを放ち2点差に迫ったが、8回表に渡辺が村田に痛恨のホームランを放たれた。ベイスターズは三番手の山口が速球をびしびしと決めてタイガース打線を寄せ付けず、最後は石井で逃げ切られた。
◎ベイスターズ6回戦……3−2
先発の久保は球数は多かったが要所を締める投球で無失点で切り抜けていた。しかし、5回表、若い一二番コンビにしてやられる。ヒットの石川を塁に置いて、甲子園のライトスタンドに梶谷がプロ入り初ホームランをたたきこんだ。タイガース打線は新外国人のマスとニーの前に凡打の山。7回裏には葛城の死球などでチャンスを作ったが山口の速球にそのチャンスを生かせず。9回裏、マウンドには石井が。2死となったところで今岡が内野安打。平野がレフトーバーの三塁打で1点を返すと、関本の二塁への安打をセカンド梶谷が一塁へ悪送球し、同点に。鳥谷がヒットでつなぐと金本は二遊間を破るサヨナラタイムリー。劇的な勝利となった。ヒーローインタビューはもちろん金本。
◎ジャイアンツ4回戦……5−6
苦手のグライシンガーの立ち上がりを攻める。初回、赤星、関本の連打で一三塁のチャンスに鳥谷が犠牲フライで先制。3回裏には内野安打の赤星を関本が送り、金本のタイムリーで2点目。前回完封の能見は3回までは快調に抑えていたが、4回表につかまった。二塁打のラミレスを亀井がライト前ヒットで返し1点差。阿部が一塁関本のエラーで生き、坂本にレフトスタンドに逆転の3ランを運ばれる。5回表にも谷のホームランで1点を追加され、厳しい展開に。しかしタイガース打線も粘る。7回裏、二塁打の狩野を代打藤本がライト前タイムリーで返し、赤星もセンター前に弾き返して続く。関本のセンターへの犠牲フライで1点差に。原監督はここで山口を投入。しかし鳥谷はしっかりと合わせて同点の犠牲フライ。試合は振り出しに戻った。9回表、満を持して藤川を送り込んだが、真ん中の速球を坂本にレフトスタンドに弾き返され、これが決勝点に。9回裏、越智から2死のあと関本が三塁打で同点機を作ったが、鳥谷は内野ゴロで万事休す。昨年からの対戦連敗は10に。
◎ジャイアンツ5回戦……0−4
藤川が右ヒジ痛で登録抹消。かわりに金村大が一軍に。タイガースは若いジェンを先発に立てるが、2回表に坂本のタイムリーで先制される。5回表にはゴンザレス、松本の連続ヒットのあと、小笠原にライトへ運ばれ2失点。6回表、亀井に二塁打を打たれたところで降板という、苦い対G初登板となった。二番手の筒井も坂本にタイムリーを打たれて大きな4点目を失った。打線はスワローズから移籍のゴンザレスの前に完全に沈黙。7回を散発4安打に封じ込められた。続く豊田、山口、越智の前にも手も足も出ず。光明は最終回に登板したプロ入り初登板の金村大が2死球を出しながらも無安打無失点で抑えたこと。次回の登板が楽しみだ。なお、この試合で金本が連続試合出場を1500とのばした。
◎ジャイアンツ6回戦……6−0
下柳が3回までジャイアンツ打線を手も足も出ないという投球で封じれば、3回裏、内海から赤星が三塁に放ったゴロを小笠原がトンネル。関本がレフト前ヒットでつなぎ、鳥谷のショートゴロの間に赤星が生還して先制。さらに金本がライト線への二塁打で2点目をたたき出した。直後の4回表、下柳はラミレスと亀井に連打を食らうが坂本を内野フライに打ち取りランナーをかえさず。さらに5回表には2死から谷と寺内の連打、小笠原の四球で満塁とされるもラミレスを平凡なショートゴロに打ち取り難を逃れた。5回裏2死から鳥谷が三塁打。ヘッドスライディングで三塁を陥れる。金本がライト線への二塁打で鳥谷を返し、続く新井がレフト前に運んで金本が長躯ホームイン。そして桜井が二番手西村健からセンター前に運ぶと新井が一気にホームへ突っ込みこの回3点。6回裏には三番手オビスポから葛城、赤星、関本の三連打でさらに1点を追加し、試合を決定づけた。タイガースは過去失点の最も多い7回に現在安定感抜群の江草を投入してきっちり3人で抑えると、アッチソン、筒井とつないで逃げ切った。
愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 ベイスターズ戦こそ4失点で途中降板したが、もう負けられないというジャイアンツ戦でののらりくらり投法はまさにベテランの真骨頂。初の単独お立ち台も例によってひょうひょうとした受け答えで満場を沸かせた。
野手……新井貴浩 一時のどん底を抜け出し、右方向への打球を増やして復調のきっかけをつかんだ。自分の前で金本が敬遠されるという屈辱はもうごめんだ。
次節はジャイアンツ戦から続く9連戦の残り6戦。神宮から横浜へと遠征が続くが、好調スワローズに対して虎の底力を見せてほしいし、ベイスターズ戦は台頭してきた若手をきっちり抑えてほしい。
(2009年5月5日記)