愛すれどTigers


先発投手陣の踏ん張り、打線の落ち込み 

 今節は神宮球場のスワローズ戦を2試合雨で流し、これで打線が調子を完全に落してしまい、雨の中行われた残り1試合に敗れる。横浜球場に場所を移したベイスターズ戦では2試合連続完封負け。3戦目に相手のミスなどからやっと得点を重ね連敗は脱出した。クリーンアップトリオが3人揃って不調に陥ったことが連敗の原因だろう。それだけに好投した先発投手陣の悲愴な奮闘がより目立つことになった。なお、4月の月間MVPが発表され、セ・リーグ野手部門で金本が選出された。今節は1勝3敗。今季通算13勝16敗1分、勝率.448。首位ジャイアンツとは7.5ゲーム差。単独最下位の危機ではあったが、なんとか単独4位に盛り返した。それだけ2位以下が団子状態になっているということである。

◎スワローズ4回戦……1−2
 初回、久保は苦しんだ。二塁打の武内を宮本に送られ、青木に死球、デントナに四球。満塁としてガイエルに押し出しの死球。1点を先制された。それでもその後は低めに球をコントロールして5回までは無失点で踏ん張る。タイガースも2回表に反撃。桜井が石川からレフトスタンドに同点ソロホームランを叩き込む。石川は見せ球をうまく使う頭脳的な投球で8回途中までタイガース打線をほぼ完璧に抑え込む。6回裏、デントナとガイエルに低い球をうまく打たれ馬力で運ばれ2連続二塁打で決勝点を奪われた。あとを受けた江草、渡辺は好投したのだが。スワローズは木田、イムのリレーで逃げ切り。
◎ベイスターズ7回戦……0−2
 安藤と三浦の投手戦。三浦からはわずか2安打。低めの球を打たされてゴロの山を築いた。安藤もよく投げたが、6回裏に内川にホームランを打たれ、先取点を奪われた。8回裏には2死からヒットと四球で満塁とし、内藤に押し出しの四球を与えてしまった。今季2度目の完封負けで、5位に転落した。
◎ベイスターズ8回戦……0−4
 ベイスターズ先発グリンの適度に荒れた球に打線は狙いを絞り切れない。7回を3安打無失点という好投で封じられた。能見も完封ペースでよく投げていたが、7回裏に内川、村田に連打を浴び、ジョンソンには死球。なんとか2死はとったものの代打金城に走者一掃のタイムリーを打たれてしまった。8回裏には二番手ジェンが村田に二塁打を打たれて降板、三番手筒井はワンポイントの仕事をしっかりこなしたが、四番手阿部が大西に大きな4点目となるタイムリー二塁打を打たれて試合は決まった。ベイスターズはベテランの工藤から若い山口につないで逃げ切った。
◎ベイスターズ9回戦……12−4
 2週間ぶりの先発福原は初回の満塁のピンチは切り抜けたが2回裏に内藤に2ランを浴びて先制される。しかし、ベイスターズの小林は予想以上に硬くなっていた。3回裏、赤星ガ粘って四球。続く関本も何か仕掛けると見せかけ四球。三塁線に転がした鳥谷のバントを小林がお手玉して満塁に。金本の痛烈な当たりは一塁手ジョンソンの雑なミットさばきで足下をすりぬけてライト線に転がるエラーになり、2者が生還して同点に。新井の打席の時に小林がボーク。こで三塁走者鳥谷が生還して勝ち越し。新井と林の連続内野ゴロで金本がホームに帰ってこの回ノーヒットで4点を奪った。4回表には関本のライト前のポテンヒットで赤星ガ生還して1点追加。6回表、二番手那須野から2死満塁で関本の走者一掃の二塁打で3点を奪い、さらに鳥谷の2ランが出て一挙5点。6回裏、二番手江草から内川がソロホームランを放ったが、直後の7回表に狩野が三番手牛田からライトスタンドに2ランを打ってお返し。アッチソン、渡辺、ウィリアムスと継投し、9回裏、ウィリアムスが吉村にソロホームランを打たれただけで逃げ切り、連敗をストップさせた。ヒーローインタビューは関本。

愛すれどTigers週間MVP
投手……江草仁貴 今、リリーフ陣で一番安心してみていられるのが江草だ。早いテンポで投げ込んで自分のペースを作る。
野手……藤本敦士 全体に低調な打線の中で、開幕から控えに甘んじていた男が好調を維持している。一気に二塁の定位置をものにしたいところである。

 次節は甲子園でカープ戦、神宮でスワローズ戦。これが終ると交流戦に突入する。なんとか5割に戻してから交流戦に、と願っているのだが。そのためにも打線はつなぐ野球、走る野球を取り戻してほしい。

(2009年5月11日記)


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