今節は甲子園のカープ戦を2勝1敗で切り抜け、打線も調子を取り戻しはじめたので、神宮球場のスワローズ戦に3連勝して勝率5割で交流戦に臨めると期待させた。ところが打線がまるでつながらない。二軍で活躍したメンチを起用したのが裏目に出たこともある。予想外の3連敗で今季最多の負け越し5で交流戦を迎えることになった。なお、カープとの初戦で金本が放ったサヨナラホームランは、プロ野球第1号でもある藤井勇の1号ホームラン以来、チーム通算7000号のメモリアルアーチとなった。今節は2勝4敗。今季通算15勝20敗1分、勝率.429。首位ジャイアンツとは10.0ゲーム差。一時は単独3位まであがったが、なんとカープと同率の4位に。さあ、ジャイアンツにあと3.5ゲーム離されそこから一気に追い込んで逆転優勝してやるのだ! そうでしょう、真弓監督。
◎カープ7回戦……1−0
下柳と大竹の投手戦。大竹はコントロールがよくなり、昨年の自滅するような投球がなくなった。下柳は9回を2安打に抑えた。9回表、2死から栗原のヒットとシーボルの四球でピンチを招くが、マクレーンを凡フライに打ち取って最終回に。カープは二番手横山を送り込む。その3球目を金本はレフトスタンドへ運び、サヨナラホームラン! しびれた! ヒーローインタビューはもちろん金本。
◎カープ8回戦……1−2
久保と斉藤の投手戦。久保はボークすれすれの牽制球でアウトを取るなど、特性を生かした投球。タイガース打線は斉藤の緩急をつけた投球にやられていたが、6回裏、新井がライトスタンド最前列に飛び込むソロホームランで先制。7回表、天谷のライトポール際のフェンスに当たる打球はファウルと思われたが、判定はフェア。これが三塁打となり、栗原とシーボルに四球を与えて1士満塁で江草にマウンドを譲った。江草の暴投を狩野がうまく抑えてつっこんできた三塁ランナーを刺し、石原を打ち取って無失点に抑えた。久保の移籍初勝利をつけるために8回表にはウィリアムスを投入したが、これが裏目に。四球を連発して満塁に。石井琢、天谷を連続三信に打ち取ったが栗原に押し出しの同点四球。カープは梅津、シュルツ、横山とつなぎ、タイガースもアッチソンが好投し試合は延長戦に。10回表、ヒジ痛から復帰した藤川ガ登板し、東出、石井琢を連続三振。しかし天谷を歩かせ栗原のレフトの頭上を襲う二塁打でついについに勝ち越しを許した。しかし9回裏、切り札永川から赤星が四球を選び関本が送る。鳥谷はショートの頭上を襲うライナーで石井琢のファインプレーでアウト。金本が敬遠。新井の打球はライト前に落ちるかに思われたが、廣瀬がダイビングキャッチ。ツキもなく惜しい試合を落した。
◎カープ9回戦……7−1
苦手の前田健を初回に攻略。ヒットの赤星が盗塁、関本が送り新井のライト前ヒットで先制した。2回裏には平野と狩野の連打でチャンスを作り、赤星の犠牲フライで2点目。3回裏には2死一三塁から桜井と平野の連続タイムリーで2点を追加してこの回で前田健をノックアウトした。5回裏には二番手大島からヒットの新井を桜井の二塁打で返し、続いて平野が三塁打。桜井も帰り試合は決した。7回裏に鳥谷のソロホームランも飛び出し、久々に大量得点。安藤は初回から悪いなりにていねいな投球をこころがけ、今季初完封まであと少し。2死満塁トシテ赤松のピッチャー返しの打球を大和が飛び込んで取るがアウトにできず完封を逃した。ヒーローインタビューは安藤と桜井。
◎スワローズ5回戦……1−2
初回、ユウキから金本ガ先制タイムリーを放つが、後続を断たれ、以降はスワローズの小刻みな投手交代にかわされる。能見は1回裏、飯原のタイムリーで追いつかれたが、いこうは12奪三振を記録する好投。打線がそれに応えられず、ついに7回裏に1死一三塁から川島慶に勝ち越しのタイムリーを放たれた。スワローズは最終回イムを送りだし、逃げ切り。二軍で打ちまくっていたメンチをスタメン起用したが、ノーヒットに終った。
◎スワローズ6回戦……1−4
先制したのは例によってタイガース。館山から3四球で満塁に。新井の二塁打で1点を先取した。が、その後は館山の安定した投球に完全に抑えられて追加点なし。福原は4回裏にガイエルの二塁打で同点とされ、6回裏にデントナの勝ち越しホームランを浴び、続くガイエルのヒットのあと、宮本に2ランを打たれて、試合は決まった。最後はイムに抑えられて連敗。
◎スワローズ7回戦……1−2
タイガースの先発は2年ぶりに小嶋。初回は緊張して青木に足に当たる内野安打を打たれ、ランナーを三塁にすすめる。ここで高めのボール球を捕手の清水がパスボール。1点を先取された。しかし、川島亮から4回表に鳥谷、新井の連続二塁打で同点に追いついた。6回を投げきり1失点で抑えた小嶋にかわり江草が登板。2四球のあと、田中浩にうまくレフト前に運ばれてポテンヒットで決勝点を奪われた。スワローズはイムを休ませ、松岡、五十嵐とつないで逃げ切った。タイガースは今季初の同一カード3連敗。
愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 6年ぶりの完封勝利は、まさに下柳のらりくらり投法の理想的な形だった。文句なし!
野手……新井貴浩 完全復調とはいえないけれど、右に打つことで打点を稼げるようになってきた。他の打者も頑張ってくれなければ……。
いよいよ交流戦。ヤフードームのホークス戦を皮切りに、京セラドーム大阪のバファローズ戦、甲子園のマリーンズ戦と続いていく。先発投手陣もリリーフ投手陣も打線さえちゃんと点を取ってくれれば勝ち星となるような投球をしているのだから、せめて2点は取ってあげようよ。とにかく気持ちを切り替える好機だ。ここからジャイアンツに昨年のお返しをしてやるのだ。そうですよね、真弓監督。
(2009年5月18日記)