今節は甲子園でライオンズと2連戦。初戦はワンチャンスをものにして逆転勝ち。2戦目は逆に安藤が崩れて逆転負け。北海道に移動して札幌ドームでのファイターズ戦。初戦はダルビッシュの前に完敗。2戦目は5時間を超す延長戦で引き分け。今節の勝敗は1勝2敗1分。通算では18勝25敗3分、勝率.419。首位ジャイアンツももたもたしてるので、ゲーム差は10.5とそれほど゛広がらずにすんだ。とにかくミス、エラーが多い。チャンスに1本が出ない。負けが込んでいるから、勝たねばというプレッシャーを自分たちでかけているように感じる。やる気を失って適当にプレーしてのエラーではなく、一つ先の塁を目指そうとして飛び出してしまうなど、気持ちが前のめりになりすぎて空回りになっているという感じだ。昨年、13ゲーム差をひっくり返され、今年はなんとしても優勝しなければという気持ちだけが先行しているように思う。やはり岡田監督は投げ出すようなやめ方をしてはならなかったのだと私は確信している。真弓監督批判をするのはたやすい。しかし、長年現場を離れていたしかも真弓新監督と、監督として優勝経験もあり現場からずっと離れずにいた岡田前監督を比較するのは酷というべきだろう。新しい職場でいきなり責任者となった者に百戦錬磨の前任者と同じことを要求しても仕方あるまい。ここは安易に真弓監督批判に走るのではなく、こういう時こそ応援すべきではないか。ねえ、サンスポさん。
◎ライオンズ1回戦……4−1
下柳が好投。5回表、ヒットの佐藤友を塁に置き石井一に先制のタイムリーを打たれてしまうが、7回裏、今岡が二塁に頭から飛び込む二塁打でチャンスを作り、狩野が送って代打桧山のライト前タイムリーで同点。赤星が投手前にバントをすると、石井一は取り損ねた上に足をひねり降板。代わった野上から関本が勝ち越しのタイムリー。鳥谷もヒットでつなぎ、金本は内角を海老反ってよけたが手袋にかする死球で押し出し。さらに新井もセンターへの犠牲フライでこの回一気に4点を奪った。8回はアッチソンが抑え、9回表は藤川が無死一二塁としたところで開き直ったように速球を投げ込み三者三振。かつての火の玉ストレートが戻ってきた。これで自信をとりもどしてくれれば。ヒーローインタビューは桧山と関本。
◎ライオンズ2回戦……4−6
先制したのはタイガース。涌井の立ち上がりを攻め、ヒットの赤星を関本が送り、金本がレフトスタンドへ先制ツーラン。しかし、安藤は球にキレがなく2回表にG.G.佐藤のツーランと投手涌井のタイムリー二塁打で逆転された。3回裏、1死満塁から涌井のワイルドピッチで同点に追い付き、葛城の死球でなおも満塁と攻めたが平野の三振で同点止まり。ここで一気に崩せないのが響いた。6回表、安藤は中村に二塁打を打たれた後、G.G.佐藤と代打平尾に四球を与え、降板。二番手江草が佐藤友に勝ち越しの二塁打を許してしまう。6回裏、1死一三塁で狩野の内野ゴロの間に1点加えて1点差とした。しかし先発要員のベテラン西口が8回裏に登板。連続四球と新井の盗塁でチャンスを作るが、狩野の併殺で万事休す。9回表に渡辺が栗山のタイムリー三塁打で1点を追加され、最後は小野寺で逃げ切られた。
◎ファイターズ1回戦……2−8
福原が初回に関本のタイムリーエラーと坪井のレフト前タイムリーで2点先制された。さらに2回裏、また関本がエラー。満塁から稲葉の犠牲フライと小谷野の押し出し死球でさらに2点を失う。4回裏には糸井のソロホームラン。ダルビッシュは4回までノーヒットだったが、5回表に桧山と葛城の連打でチャンスを作り、平野の二塁ゴロエラーで1点をようやく返す。5回裏、福原は金子誠にタイムリーを打たれて降板。6回表、金本と新井の連打でチャンスを作り、桧山のライトフライで金本がホームインしようとしたが、稲葉が一塁に好返球し、飛び出していた新井が刺されてチャンスをつぶした。8回表、建山から二塁打の桜井を置いて鳥谷がタイムリーを打ったが後が続かない。8回裏には筒井がエラーがらみで2点を失い、試合は決した。
◎ファイターズ2回戦……4−4
初回、関本と鳥谷のヒットでチャンスを作り、武田勝から新井が先制の2点タイムリー。その裏、能見が連続四球の後高橋にタイムリーを打たれて1点差とされる。5回表、鳥谷のタイムリーで待望の追加点。しかしその裏、能見は稲葉と高橋の連続タイムリーで追いつかれた。6回裏、アッチソンがバントの処理をあやまり鶴岡の犠牲フライで勝ち越された。しかし、8回表、ファイターズの三番手林から金本がライトスタンドに同点のホームランを叩きこむ。そのあとはウィリアムス、藤川が2回ずつ投げて味方の反撃を待つ。この日の藤川も前回同様三振の山。延長12回表、宮本から金本がヒットと盗塁でチャンスを作るが、桧山敬遠のあと、途中出場の大和は江尻から三振。12回裏、渡辺は満塁のピンチを小谷野の内野フライに抑えてなんとかサヨナラ負けは免れた。5時間を超す長い長い重い重い試合だった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 火の玉ストレートが甲子園に戻ってきた。WBC以来弱気になっていた感のある藤川が、開き直っての復活だ。藤川のプライドをズダボロにした原監督へのお返しが見ものだ。
野手……桧山進次郎 代打では石井一から同点打。先発するとダルビッシュからもヒットを放ち、若手を寄せ付けぬ活躍を見せてくれた。
次節は仙台でイーグルスと、そして1日おいて甲子園でバファローズ、ホークスとの4連戦という日程。甲子園からは新入団のブラゼルも合流する予定だ。爆発的な活躍は期待しないけれど、昨年ライオンズで見せたのびのびとしたプレーを今季金縛りのタイガースに持ち込んでくれればと思う。なにしろ、投手の防御率はリーグ1であるし、得失点差も得点が上回っているのだから、絶対的に弱くなったわけではないのである。今、タイガースに必要なのはかつての遠井や川藤のようなまじめ過ぎない豪快な選手なのではないだろうか。
(2009年6月1日記)