交流戦最終節の4試合は、京セラドームでファイターズに初戦をとりながら2戦目を落とし1勝1敗。甲子園でのゴールデンイーグルス戦には初戦に負けて2001年の野村監督時代以来の負け越し10を記録した。しかし交流戦の最終戦は快勝しこのカードも1勝1敗。今節2勝2敗。今季通算24勝33敗3分。勝率.421。首位ジャイアンツとの差は13.5ゲームで5位。交流戦での勝敗は9勝13敗2分、勝率.409で9位。交流戦優勝はホークス。例年交流戦で盛り返すのだが、今季は逆にさらに苦しくなってしまった。
◎ファイターズ3回戦……4−3
久保の立ち上がりが不安定。初回、1死三塁から稲葉にバックスクリーンの右に先制2ランを打たれた。その後もヒットと四球でピンチを作ったが、小谷野を併殺に打ち取り傷口を広げずにすんだ。ファイターズの先発武田勝に対して2回裏に反撃。ブラゼルの4試合連続となるソロホームランがライトスタンドに。そして3回裏、二塁打の久保を塁に置き、関本が左中間を破る同点二塁打を放つ。そして続く新井が打席に入り、関本が三盗。そしてレフトスタンドに飛び込む新井の勝ち越し2ラン。一気に逆転である。5回表、久保がヒットの糸井をワイルドピッチなどで三塁まで進め、高橋にライト戦へのタイムリー二塁打で1点差に迫られた。真弓監督は6回から継投を決断、渡辺、ウィリアムス、アッチソン、藤川と1イニングずつ完璧に抑え、結果を出した。特にウィリアムスと藤川は両者とも三者三振。連敗ストップを気持ちよい形で決めた。ヒーローインタビューは新井。もう少し嬉しそうにしてもいいのに、表情が硬すぎる。
◎ファイターズ4回戦……5−10
先発の下柳がいきなり田中に二塁打を打たれ、森本のバントで三塁に進め、糸井と高橋の連続二塁打で初回に2点を奪われた。タイガースはファイターズ先発の八木から2回裏に桜井のレフトスタンドに突き刺さるソロホームランで1点差としたが、直後の3回表、1死二三塁で金子誠にタイムリーを打たれてまた2点差に。3回裏、2死から関本と新井の連打でチャンスを作り金本のライト前に落ちるヒットでまた1点差に詰め寄る。下柳を4回途中であきらめて渡辺につないだが、5回表に先頭の高橋を歩かせスレッジのヒットで三塁に進まれ、小谷野の犠牲フライで1点を失う。6回表、三番手の江草が先頭の田中をフライに打ち取ったと思ったら金本と鳥谷が交錯して球をはじきとばし、三塁打にしてしまう。そして森本の三塁打、高橋の二塁打で2点を追加され7点差に。8回裏、四番手山本から桜井がこの日2本目のホームランで1点を返すと、鳥谷と赤星がヒットで続き関本のタイムリーでさらに2点を返した。しかし反撃はそこまで。9回表には筒井も連打を食らい1点を失って二ケタ失点。これで交流戦の負け越しが決定した。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……2−5
安藤が3回表に2死を取ったあと平石、中村真に連打を食らい草野にライトスタンドに飛び込む3ランを打たれた。さらに山崎武にバックスクリーンに連続のソロホームランを打たれ、鉄平と丈武の連続二塁打で5点目を失い、この回限りで降板。このあと江草、筒井、渡辺、阿部のリレーは無失点で抑えきっただけに、エースと目される投手の早い回での大量失点はこたえた。イーグルスの先発永井の前に5回まで抑えられていたが、6回表につかまえた。新井と金本の連打でチャンスを作り、ブラゼルのライト前ヒットで2点返す。しかし、後続を二番手の有銘に抑えられ、最後はグウィンに締められていいところなく終わった。負け越し10は8年ぶり。その時の監督が現イーグルス監督の野村さんだけに、なんとも悔しいところだ。
◎ゴールデンイーグルス4回戦……4−2
イーグルスの先発藤原は昨年のドラフトでタイガースも指名したが抽選でイーグルスに取られた左腕。しかし2回裏に桜井が三塁打を放ち鳥谷のタイムリーで先制。3回裏にはブラゼルと桜井の連続タイムリーで2点を追加して4回KOと意地を見せた。タイガースの先発能見はテンポよく横手から変化球を繰り出し4回までヒットは打たれても無失点。しかし、5回表に代打中谷に2ランをレフトポール際に打たれて1点差と迫られた。中谷はタイガースのドラフト1位入団から紆余曲折の12年目での初ホームラン。しかも場所は甲子園。打たれたとはいえ見ていて悔しくはなかった。リードしていたしね。5回裏、二番手チルダースを攻める。関本と新井が二連打。野村監督は三番手に川井を投入。金本のヒットで満塁とし、ブラゼルの併殺打の間に関本が生還して2点差に広げた。能見を5回であきらめ、6回からアッチソン、ウィリアムスとつないで9回は藤川が登板。きっちり抑えて2連続セーブ。ヒーローインタビューは桜井。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤川球児 なかなかいい場面で起用されず、登板間隔もあきがちだった今季だが、今節は他の中継ぎ投手陣も含めていいところで活躍できた。セ・リーグとの対戦に戻る次節以降も自信を取り戻して投げてくれるだろう。
野手……桜井広大 実はブラゼルの方がトータルではいい仕事をしているのだけれど、ここは今後への期待も込めて桜井に。ファイターズ戦の2本のホームランは気持ちのよい当たり。甲子園でもチャンスを作ったり期待にこたえる積極的な姿勢で先手を取る働きをした。このまま一気にレギュラーを確保できるか。
負けが込むと交流戦も長く感じられた。4日間のブランクをおいて、甲子園でのベイスターズ3連戦でリーグ戦再開幕だ。相手も調子を落としているだけに、ここは一気に3連勝して勢いをつけたいところである。シーズンはまだまだ先が長い。とりあえずは勝率五割を目標に1試合ずつ確実にミスのない野球をしていってほしい。
(2009年6月26日記)