地元甲子園で開幕した交流戦だが、上昇気流のファイターズに2連敗。続くゴールデンイーグルス戦は岩隈は攻略したが田中には抑えられて1勝1敗。隙のないファイターズと連打を細かく刻むイーグルスに苦戦してしまった。ファイターズ戦2敗、ゴールデンイーグルス戦1勝1敗で今節は1勝3敗、通算22勝17敗で勝率.564。首位ジャイアンツと4.5ゲーム差で3位。
◎ファイターズ1回戦……2−4
タイガース先発は久保、ファイターズ先発はケッペル。両投手とも安定した投球で相手にチャンスを作らせない。4回表、田中がレフト前ヒットで出塁し森本のバントで二塁へ。稲葉にはレフト線にタイムリーを打たれた。さらに小谷野のライトへの当たりは桜井が追いついたもののグラブの土手に当ててはじき二塁打に。糸井を歩かせ満塁。高橋のセンター返しの打球は鳥谷が追いついたと思われたがイレギュラーバウンドでセンター前に転がり2点目のホームインを許した。タイガースはブラゼルだけがケッペルに合っていて5回裏に2本目のヒット。しかし桜井三振葛城併殺でチャンスをものにできない。7回表は川崎、渡辺を投入して追加点を阻む。7回裏、先頭の鳥谷が歩き新井のサードゴロで二封されるが城島のピッチャー返しが投手強襲のヒットとなりランナーは三塁に進む。ブラゼルのショートゴロの間に新井が生還して1点差と迫った。9回表、四番手の西村が森本を歩かせ稲葉にバックスクリーン左横に入る2ランを打たれ、3点差と苦しくなる。9回裏、先頭の鳥谷がレフトポールに当たるソロホームランで2点差とし、続く新井もセンター前に久々のヒットで球場は盛り上がったが、城島はサードゴロ併殺。続く代打関本がセンターオーバーの二塁打を放っただけに、この併殺は大きかった。最後は狩野がピッチャーゴロで試合終了。ケッペルに完投勝利を許してしまった。
◎ファイターズ2回戦……4−8
下柳がいきなり捕まった。初回、先頭の田中に二塁打を打たれると、稲葉に2試合連続の2ランホームランをバックスクリーンに叩きこまれた。しかしタイガースはすぐに反撃する。1回裏、ルーキー増井からマートンがセンター前に弾き返し、平野が送り、鳥谷がセンターオーバーのタイムリー二塁打で1点差とした。それでも下柳は不調のまま。先頭の高橋にヒットを打たれながらも金子誠を併殺に打ち取ったときは下柳らしさが出てきたと思わせたが、ヒットの鶴岡を置いてプロ初打席となる増井に左中間を破る二塁打を打たれ、鶴岡は一塁から長躯ホームイン。さらに田中もレフト前にタイムリー。3点差にされたところで下柳は渡辺に交代。渡辺は稲葉を1球で片付けた。反撃開始は4回裏。城島が左中間スタンドにソロホームランを打てば、ブラゼルもライトスタンドへのソロホームランで続いて1点差に迫った。葛城四球で増井が降板、木田がマウンドに。藤川俊が送り代打金本も四球でチャンスに。マートンのセンター返しの打球はショートの金子誠が好捕、二塁に送ったが明らかに一塁走者金本の足は先にベースに触れていたのに判定はアウト。この判定でタイガースにきかけていた流れが切れた。それでもタイガースは石川、江草、西村とつないで無失点にしのぐ。ファイターズも林、武田久が踏ん張る。7回表、必勝を期して送った久保田が乱調。代打尾崎にいきなりライトオーバーの二塁打。田中のバントはライン側切れず内野安打に。森本のタイムリー、稲葉の2点二塁打で緊迫した展開が一気に一方的に変化した。8回表にはヒットの鶴岡を武田久が送り田中のレフト線への三塁打で5点差に。8回裏、鳥谷のショートゴロを金誠がはじき、新井のサードゴロはきわどいところで内野安打。城島のサードゴロも小谷野の送球がそれてセーフ。相手にもらった満塁のチャンス、代打桧山のショートゴロの間に鳥谷が生還して1点を返し、藤川俊の四球でふたたび満塁に。しかし関本がショートゴロに倒れて反撃もそこまで。9回裏には建山に抑えられ、交流戦最初のカードは2連敗と嫌なスタートとなった。
◎ゴールデンイーグルス1回戦……3−2
先発はタイガースフォッサム、イーグルス岩隈。先制したのはイーグルス。初回、ヒットの聖澤を高須が送り、中村紀のセンター前ヒットで返された。しかし、その直後の1回裏、タイガースもエース岩隈を攻略。平野がライト線に二塁打を放つと新井がセンター前に高く弾むヒットで返して同点に。以後、危なげない岩隈とランナーを出しながらもスライダーを駆使して無失点で切り抜けるフォッサムの投手戦となった。5回裏、先頭の藤川俊がレフト前ヒットで出塁し、フォッサムがバントを決める。マートンが見送り三振で倒れたが、平野が三塁線を抜こうかという強い当たりを放ち、惜しくもベースに当たり高く跳ね上がって藤川俊は三塁どまりの内野安打に。ツキがないかと思われたが、鳥谷の平凡なレフトフライはレフトフィリップスとショート渡辺直がお見合いする形で間に落ち、ラッキーなタイムリーヒットとなって勝ち越した。さらに8回裏、ブラゼルがライトスタンドに豪快なソロホームランを打ちこんで差を広げる。フォッサムが6回まで投げ切り、7回からは渡辺、西村という新しい勝ちパターンの継投。8回表、1死からセカンド大和がゴロをはじくエラーで高須が出塁し、鉄平のセカンドゴロで高須は二塁へ。ここで真弓監督は藤川球を投入。中村紀を敬遠した後草野をライトフライに打ち取った。9回表、2点差で迎え、山崎のヒットと憲史の四球でピンチに。聖澤のタイムリー二塁打で1点差と迫られたが内村をゆるい当たりのショートゴロに打ち取り、鳥谷が一塁ブラゼルに間一髪の送球を見せて試合終了。球界を代表するエース岩隈から勝利をもぎ取った。ヒーローインタビューは勝ち投手のフォッサムと岩隈から猛打賞の平野。
◎ゴールデンイーグルス2回戦……3−7
タイガースの先発スタンリッジは初回から味方に足を引っ張られる。先頭の聖澤をサードゴロに打ち取ったかと思われたが新井が悪送球で生かし、これでペースが乱れた。高須のバントのあと、鉄平に死球。中村紀のセンター前先制タイムリーで1点を失う。2回表には二塁打の山崎を嶋と渡辺直の連続セカンドゴロで三塁に進め暴投で2点目。3回表には2死から鉄平と中村紀に連打を浴び、草野のレフトポール際に飛び込む3ランで5点差とされた。しかし、タイガース打線も負けてはいない。3回裏には田中から2死でマートンの四球と平野のヒットでチャンスを作り、鳥谷のセンター頭上を越す2点タイムリーで3点差に。4回裏にはブラゼルがレフトスタンドにソロホームランを叩き込んで2点差とする。5回から登板した川崎は快調に抑え、6回表の先頭草野を打ち取ったところで予定通り石川が登板。しかしその石川が期待を裏切る。山崎のヒットと嶋の四球でピンチとなり、渡辺直と投手田中の連打で2点を失った。そのあとの江草と鶴が好投しただけに悔やまれるダメ押し点を与えてしまった。5回以降は田中の前にヒットが出ず、8回裏から登板した左腕片山には三者三振。最後は川岸に抑えられて連勝ならず。
愛すれどTigers週間MVP
投手……渡辺亮 勝ちパターンの登板に定着した。速球の切れ、体を目いっぱい使った投球など好調時の姿に完全に戻った。今後も江草や西村と並ぶセットアッパーとして起用されていきそうだ。
野手……クレイグ・ブラゼル 岩隈からの2発はすごい打球だった。田中からもバースばりの流し打ちのホームランで打率も上昇中。
次節はヤフードームのホークス戦と京セラドームとスカイマークのバファローズ戦、そして甲子園に戻ってマリーンズ戦というスケジュール。城島と古巣ホークスの対決や岡田前監督との対決となるバファローズ戦など話題満載となる。先発陣が苦しいが、とにかくゲームを作ってリリーフにまわせば勝機はある。
(2010年5月17日記)