交流戦初のビジターはヤフージャパンドームのホークス戦。初戦は接戦の末ホークス自慢のリリーフ陣を打ち崩して勝ったが、2戦目はホームラン攻勢に敗れ1勝1敗。京セラドーム大阪とスカイマークスタジアムのバファローズ2連戦はフォッサムの自滅と鶴の経験のなさがもろに出て2連敗。岩田、能見が故障で離脱した穴がなかなか埋まらない。それにしてもバファローズ岡田監督のタイガース戦に対する執念ときたら嫌になる。歴史的大逆転を許して優勝を逃し自分からチームを投げだした無責任監督が古巣タイガースに未練たらたらなところに腹が立つ。今節も1勝3敗、通算23勝20敗で勝率.535。首位ジャイアンツと4.0ゲーム差で2位。
◎ホークス1回戦……4−2
タイガース久保、ホークス小椋が先発。先制したのはタイガース。3回表、四球の藤川俊が盗塁し、マートンがライトオーバーの三塁打で藤川俊を迎え入れる。久保は4回裏、小久保の四球と多村のヒット、イ・ボムホへの四球で満塁とされ、柴原のレフト前ヒットで同点に追いつかれるが、レフトの藤川俊の本塁への返球で多村を刺して逆転は防いだ。1−1の緊迫した投手戦で小椋から11三振を食らうなどタイガース打線が打てない。7回裏、2死から柴原、山崎の連打でピンチとなり、川崎の左中間を抜く二塁打でついに1点先行される。ホークスは7回表から甲藤、ファルケンボーグ、馬原とつなぐ必勝リレー。タイガースも8回裏から渡辺にスイッチして応戦。9回表、ヒットの城島に代走大和を送り、すかさず盗塁。2死から代打桧山がレフト前に落ちるテキサスヒットで大和を迎え入れて同点に追いつくと、9回裏には江草を投入。10回表、摂津から平野と鳥谷の連打で無死一三塁とし、新井のセンターへの犠牲フライでついに勝ち越し。金本もヒットでつなぎ、大和のライトへの犠牲フライで2点差をつけた。10回裏には藤川球がマウンドに。川崎と本多に連続四球を与えるピンチはあったものの小久保を三振、多村をセンターフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝犠飛の新井。
◎ホークス2回戦……3−9
上園とホールトンが先発。両投手とも不調ながら3回までは両チーム無得点。4回裏、上園が打たれた。先頭のオーティズにレフトスタンドに叩き込まれると、2死のあと柴原にもライトスタンドに運ばれた。この2点で上園はこの回限りで降板。5回裏には二番手川崎雄が山崎、川崎宗に連続二塁打で1点を奪われ、流れはホークスに。7回表、ホークス二番手の藤岡から金本がヒット。暴投で二塁に進みブラゼルのタイムリーで1点を返し反撃ムード。7回裏、四番手江草が森本への四球と山崎のヒットでピンチに。本多の左中間を抜く二塁打で1点を追加され、久保田にスイッチ。オーティズのタイムリーでさらに1点を失い、小久保のサードへの内野安打でピンチを広げ、多村の3ランで7点差に。久保田は二軍で再調整となった。8回表、ホークス四番手三瀬から四球の平野を鳥谷がライト横を抜く二塁打で返し、城島にもレフトオーバーのタイムリーが出て2点を返したが、反撃もそこまで。石川が8回裏に山崎のヒットなどでピンチとなり暴投で1点を与えて万事休す。9回表は神内にきっちり抑えられて逃げ切られた。
◎バファローズ1回戦……6−10
タイガース先発のフォッサムが乱調。初回、荒金にヒットを打たれると、後藤にライトスタンドに運ばれる2ランで2点。2回裏、バルディリスに死球、前田大に四球、坂口にヒットで満塁。2死から荒金に押し出し四球、後藤に押し出し四球、ラロッカに押し出し死球と3点を献上して降板した。二番手福原は3回裏、バルディリスと前田大のヒットでピンチを作り、坂口の二塁打で1点。赤田への四球で満塁。暴投で2点目。後藤のタイムリーで3点目とこちらも乱調。8点差をバックにバファローズ先発の金子千は4回までパーフェクトピッチング。しかし5回表にタイガース打線に火がついた。先頭の新井が三塁手バルディリスのエラーで出ると金本がチーム初安打となるライト線への二塁打でチャンスを広げ、城島のレフトオーバーの2点タイムリー。桜井の2ランと葛城のソロホームランで金子千をマウンドから引きずり下ろした。二番手香月からマートンの二塁打と平野のヒットで1死一三塁にし、鳥谷の二塁ゴロは平野がうまく狭殺プレーにもちこみ、併殺を取られる前にマートンが生還して2点差に迫った。タイガースは江草、西村と継投して反撃を待つが、西村が7回裏に2死から坂口、赤田の連打でピンチに。荒金のタイムリーと後藤のタイムリーで2点を失い、流れを相手にやってしまった。バファローズは四番手平野の好投でタイガース打線の反撃ムードを断ち切り、岸田、レスターの継投で逃げ切られた。注目の「関西ダービー」はまずバファローズの先勝。
◎バファローズ2回戦……3−5
先発はタイガース鶴、バファローズ木佐貫。先制したのはタイガース。初回、マートンがバックスクリーン右に先頭打者ホームランを打ちこむ。その後も2死から新井と金本が連打しチャンスを作ったが城島が三振で追加点は取れず。以降は木佐貫のフォークに引っかかりなかなか得点できず。鶴は3回裏、山崎浩、坂口に連打を浴び、赤田の投手ゴロでサードランナー山崎浩を挟殺。しかし荒金に死球で満塁に。後藤の二塁ゴロの間に坂口が帰り同点に。打者北川を迎えて暴投で逆転を許した。しかし直後の4回表、金本のヒットと城島の四球でチャンスを作り、ブラゼルの技ありのレフト前ヒットで金本が生還して同点に。5回裏、鶴は荒金にソロホームランを打たれまたリードを許す。それでも6回表、ブラゼルがライトスタンドにリーグトップの15号ソロホームランをスタンド最上段に叩き込み同点。6回裏、鶴はバルディリスにレフトスタンドに決勝ホームランを打たれて降板した。二番手の渡辺も8回裏に後藤にバックスクリーンにダメ押しのソロホームランを打たれてしまい、悔しい連敗。バファローズは7回から平野、岸田、レスターと岡田監督お得意の継投でタイガース打線を封じこんだ。
愛すれどTigers週間MVP
投手……江草仁貴 二軍落ちの屈辱から立ち直り、二軍コーチの遠山直伝”松井殺し”のシュートを駆使して復活だ。二軍にはもう戻らないという気迫を感じる。
野手……金本知憲 指名打者の使えるパ・リーグ主催試合で先発に復帰し、毎試合ヒットを放ち存在感を見せつけてくれた。肩の調子もまずまずのようだし、交流戦の次のロードでは待望のホームランを見せてほしいものだ。
日曜日のマリーンズ戦を雨で流し、日程が火曜日にまわった。そのため甲子園での4連戦となる。マリーンズの好調な打線をなんとか先発が封じてくれれば、渡辺、江草、西村に先発から回る上園らリリーフ投手陣で逃げ切れる。とにかく先発。スタンリッジやフォッサムは最後のチャンスになるかもしれない。マリーンズに続いてはライオンズ。そして二巡目に入り札幌ドームのファイターズと強敵が続くが、一軍に残るための死に物狂いの投球を見せてほしい。また個人的にはリリーフで今季初登板をした杉山の先発復帰も期待したいところ。こちらももう後がないだけに、必死のパッチでがんばってくれるのではないか。頭数のそろわない先発と登板過多のリリーフをやりくりする真弓監督には頭の痛い日々が続くが、五分で乗り切っていけばまだまだ首位争いには残れるはずだ。
(2010年5月24日記)