愛すれどTigers


金本通算450号ホームラン!

 どらドラパーク米子でのカープ戦は久保とスタンリッジの好投と鳥谷、マートンの活躍で2連勝。神宮球場の初戦もとって3連勝と快調に進んだが、小川監督代行のもと雪辱に燃えるスワローズの選手の気迫に呑まれたように2連敗し、1勝2敗。中継ぎ投手陣に疲れが見えだした。今節は3勝2敗。通算36勝29敗1分で勝率.554。首位ジャイアンツと4.0ゲーム差で2位。

◎カープ8回戦……13−7
 タイガースはベテラン下柳、カープは昨年までエース大竹が先発。先制したのはタイガース。初回、平野のヒットとマートンの四球でチャンスを作ると、新井がセンター前に抜けるタイムリーを放って平野を迎え入れた。3回表にはブラゼルがライトスタンドの前列にライナーで飛び込むソロホームランで1点を追加した。しかし、もやのかかったどらドラパーク米子で、体の切れを欠いた下柳は3回裏に大竹を歩かせ梵のレフトスタンドへの2ランを打たれて同点に追いつかれた。直後の4回表、先頭の桜井が四球で出ると下柳が送り、鳥谷がライト線へ二塁打を放ち1点リードした。4回裏、先頭の赤松がサード新井のエラーで出塁すると、小窪の二塁打でチャンスを広げ、大竹のスクイズが決まり、ブラゼルの緩慢なプレーもあり二塁ランナーまで生還して逆転された。ところが直後の5回表、ヒットのブラゼルを一塁に置いて、城島がレフトスタンド場外に飛び出す逆転2ラン。タイガースは下柳を5回で降ろして6回裏に渡辺を投入。それが裏目に。廣瀬と赤松の連続ヒットのあと小窪、石原に連続四球を与えて押し出しで同点とされた。ここで西村にスイッチしたが、東出のピッチャー返しの球を西村が取れずセンター前の二塁打となり、赤松と小窪が生還して2点差をつけられた。7回は西村が立ち直り、8回からは久保田につないで打者の援護を待つ。8回表、カープの四番手広池から桜井と鳥谷がヒットを放ち、代打関本の走者一掃となるセンターの頭を越える三塁打で同点に追いついた。試合は延長に入り、藤川球が10回を三者凡退に抑える。11回表、カープ三番手齋藤から城島がショートのエラーで出ると四番手梅津に交代。藤川俊が送り、桜井は四球。ここで代打桧山がライトの頭を超える勝ち越しの2点二塁打を放つと、鳥谷は敬遠。代打坂は死球で満塁に。そしてマートンがライトスタンドに満塁ホームランを放って試合を決めた。11回裏は上園が締めて、連戦の緒戦を取った。ヒーローインタビューは決勝打の桧山。
◎カープ9回戦……9−4
 先発はスタンリッジとスタルツの両外国人投手。タイガースは初回からスタルツを攻める。ヒットの鳥谷を平野がセカンドゴロで二塁に進め、マートンのレフト前ヒットで1点先取。2回表には浅井とスタンリッジが四球で出塁、鳥谷のレフト前ヒットで浅井が生還、平野がヒットでつなぎ、マートンのレフト前ヒットでスタンリッジと鳥谷が生還してこの回3点。スタンリッジは3回までは快調に飛ばしていたが、4回裏に乱れる。先頭の梵にヒットを打たれ、嶋とヒューバーを歩かせて無死満塁に。廣瀬と赤松の連続犠牲フライで2点を失う。しかしスタンリッジは6回までこの2点にとどめて久保田にスイッチ。7回表にはヒットの鳥谷を平野が送り、マートンがレフト前に二塁打を放って鳥谷を返して5点目。7回裏、久保田は石井琢のヒットと石原への四球でピンチを作り、東出のレフト線の二塁打で1点を返された。8回裏には三番手西村が二塁打の嶋を廣瀬の二塁打で返されて1点差に迫られた。しかし9回表、三番手の左腕大島から先頭の大和がレフト前ヒット。エンドランが決まって鳥谷のレフトへのヒットで大和が一塁から一気に生還、鳥谷も二塁に進んだ。平野が送り大島が降板。四番手の岸本からマートンのライト前ヒット、新井のライトオーバーの二塁打で鳥谷も生還。ブラゼルがレフト前に技ありのヒットで2者が生還してこの回4点の猛攻。9回裏は上園が締めて米子遠征は2連勝。ヒーローインタビューは4安打の鳥谷。
◎スワローズ6回戦……9−4
 タイガースはバーネットを初回からつかまえる。鳥谷が歩き平野が送り、マートンのライト前タイムリーで先制。新井とブラゼルの連打で満塁とし、林のレフト線への二塁打で2点追加。さらに桜井のショートゴロは深いところからの送球となり一塁セーフの内野安打でブラゼルが還りこの回一気に4点の猛攻となった。さらに2回表、鳥谷の四球、マートンのヒット、新井の四球で1死満塁としてブラゼルの犠牲フライで5点目。4回表には二塁打の林を鳥谷が返して6点目。ここでバーネットが降板し、二番手高市に。平野のライト前ヒットでマートンが生還し7点目。これだけ援護をもらうと久保もかなり有利に。決して好調ではなかったが要所を締めて4回まで無失点。5回裏、藤本に死球を与え、川本の二塁打で1死二三塁に。青木のライトオーバーの二塁打で2点を失った。武内にも四球でピンチは続いたが、ここで城島が座ったまま一塁に牽制球を投げ武内はアウト。ピンチをしのいだ。そしてすぐに返すのがタイガース打線。6回表、三番手松井光から鳥谷が四球。平野が送って新井とブラゼルの二者連続二塁打であっさり2点を返した。久保は完投ペースだったが、8回裏にデントナと飯原の連打で2死二三塁とし、相川の二塁打で2点を返された。9回裏には久保田がスワローズ打線を三者凡退に抑えこんで快勝。ヒーローインタビューはこの日セ・リーグ首位打者に躍り出たマートン。
◎スワローズ7回戦……2−4
 鶴と石川の投手戦。鶴は1回裏、いきなり青木に二塁打を打たれたが後続を断ち、以後調子があがった。先制したのはタイガース。5回表、先頭のブラゼルがレフト前にヒットを放つと、暴投で二塁に進み、浅井のレフト前タイムリーで1点を取った。しかし、勝利投手の権利を意識したか、鶴は5回裏、2死から青木に二塁打を打たれると田中を歩かせ、飯原にレフト線への同点二塁打を打たれた。7回表、二番手増渕を攻める。先頭の新井が歩き、ブラゼル三振のあと、城島と林の連打で満塁に。代打金本はボール球を振らされ三振。続く代打桧山の打席で増渕の暴投で新井が生還して勝ち越した。しかし桧山も三振で決定的な得点が取れない。1点差で7回裏は久保田が好投。8回裏に西村を投入し、藤川球につなぐ作戦。しかし、西村はヒットの田中を置いて飯原にライトスタンドに逆転ホームランを叩き込まれた。さらに新外国人ホワイトセルには低めの球をすくい上げられてダメ押しのソロホームラン。失意のまま降板し、上園がつないでなんとか後続は断ったが、9回表にはスワローズはイムを投入。新井、ブラゼル、城島とあっさり打ち取られて悔しい敗戦。
◎スワローズ8回戦……4−8
 先発はフォッサムと由規。スワローズは不調の4番デントナが2回裏にフォッサムからレフトスタンドに先制ソロホームラン。さらに3回裏、先頭の青木のショートへの難しい当たりを鳥谷が取りきれず出塁させ、続く田中は死球。飯原のピッチャーゴロでそれぞれ進塁し、デントナの犠牲フライで2点目を失った。タイガースの反撃は5回表。勝ち投手を意識した由規から鳥谷とマートンが四球を選び、新井とブラゼルの2者連続のタイムリーで同点とした。しかし、直後の5回裏、打線の援護をフォッサムが生かせない。先頭の青木は打ち取ったが田中と飯原に連打を浴び、久保コーチがたまらず出てきて交代。二番手の上園はデントナはライトフライに打ち取ったが続くホワイトセルのレフトフライはライト寄りに深く守っていた林が懸命に追うも取れず2点三塁打に。さらに相川にもタイムリーを打たれて3点差をつけられた。6回裏には三番手渡辺が福地と青木の連続二塁打でさらに1点を奪われる。スワローズは6回表から押本、増渕を投入する必勝態勢。8回表、四番手の松岡からヒットの林を置いて代打金本が通算450号となる2ランをライトスタンドに放りこんだが、花束を掲げたその顔に笑みはなかった。8回裏、タイガースの四番手西村は相川にレフトスタンドにソロホームランを打たれ、宮本にもヒットを許して降板、五番手筒井も青木と田中に連打を打たれて1失点。金本の打ってくれた2点をあっさりはきだした。9回表はやはりイムが登板し、先頭の鳥谷がヒットを放ったものの後続を断たれ2連敗を喫した。なお、マートンはこの試合でもヒットを放ち、早くも今季通算100安打を記録した。また、横山投手がプロ入り初登板を果たした。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ ナイターに強い外国人投手。フォッサムよりも速球に球威があるだけに、それを生かした投球をすればもっと白星ものびるはず。今節ではその力強さの片鱗を見せてくれた。
野手……マット・マートン ついに首位打者に躍り出た。100安打も記録してこのままのペースが続けばイチローの持つ日本記録を抜く勢いである。チームは連敗したが、研究熱心な3番打者の牽引ですぐにストップしてくれるだろう。

 オールスターのファン投票で藤川と城島が選出された。ブラゼルとマートンが選ばれなかったのは残念だが、現在の数字なら間違いなく監督推薦で選ばれるだろう。もし選ばれなかったら、原監督の見る目がないということになる。次節はAクラスで争うドラゴンズと甲子園で、首位争いをするジャイアンツと東京ドームで6連戦。投手陣の疲れが気になるが、本拠地と打線が活躍しやすい敵地でならいい試合を見せてくれそうだ。なんとか2カードとも勝ち越してほしい。そうすれば、7月は勢いに乗れるに違いない。

(2010年6月28日記)


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