愛すれどTigers


鳥谷が延長逆転サヨナラ弾

 甲子園でのカープ戦はスタンリッジの来日初完封や鳥谷の劇的な延長戦逆転サヨナラホームランなどで2勝1敗。この間ジャイアンツはスワローズ戦で2勝1敗と勝ち越しゲーム差は縮まらず。今節は2勝1敗。通算48勝36敗1分で勝率.571。首位ジャイアンツと0.5ゲーム差で2位と前節と変わらず。

◎カープ10回戦……2−0
 カープの先発は好調ジオ。タイガース打線を4回まで完全に抑え込む。一方タイガース先発のスタンリッジも変化球でストライクを先行させ、ランナーは出してもその先には進ませない投球。変化が起きたのは5回表。ジオは先頭の新井に四球を与えると、肩に異変を訴えて降板。急遽登板した岸本から金本が先発復帰以後初めてとなる2ランホームランをライトスタンドに叩き込んだ。岸本はそれ以降は立ち直り、6回以降も大島、林とつないでタイガース打線を封じた。しかし、スタンリッジはこのホームランによる得点を大事に守り切る。5回以降は6奪三振を含むパーフェクトな内容でカープ打線を抑え、今季、完投投手としてはチーム初めての完封で勝利をものにした。ヒーローインタビューはもちろん完封のスタンリッジと決勝ホームランの金本。
◎カープ11回戦……5−4
 タイガースは鶴、カープは齋藤と若手同士の先発。先制したのはタイガース。先頭の平野がライト前ヒットで出塁し、新井とブラゼルの連打でまず1点。続く金本もライト前にタイムリーを放ち2点先行した。鶴は5回表、倉のセンター前ヒットを浅井が後逸して三塁に進まれ、暴投で1点を献上した。ミスが出ると勝ちに届かない。7回表には若き大砲岩本にレフトスタンドに同点ソロホームランを打たれてしまった。同点のまま、カープは林、大島、タイガースは久保田、藤川球が好救援。ついに延長に。10回表、タイガースのマウンドにはここのところ中継ぎで結果を出している安藤。しかし、この試合では結果を出せず。10回表、代打ヒューバーにセンター前ヒットを打たれ、代走には松本。東出が送り、梵のヒットで1死一三塁に。赤松の打球は左中間を破り走者一掃の二塁打に。ここで安藤は降板し、藤原は何とかカープ打線を抑えた。これで試合はカープのものになったかと思われたが、10回裏、四番手上野から代打の林が初球をバックスクリーンに運び1点差とすると、続く代打の関本もセンター前ヒットでつなぐ。そしてここまで3三振を含むノーヒットだった鳥谷に真弓監督はあえて打てのサインを出す。ここは素人にはわからない勝負師の勘が働いたか。鳥谷の打球はレフトポール際のスタンドに吸い込まれるように入り、逆転サヨナラ2ランとなった。延長戦での逆転サヨナラホームランは球団史上初めて。ヒーローインタビューは同点ホームランの林とサヨナラホームランの鳥谷、そしてプロ入り初勝利の藤原。
◎カープ12回戦……4−7
 タイガースの先発は後半戦の鍵をにぎる「6人目の先発」候補である上園。中継ぎでしばらく調整していたが、テストを兼ねた登板となった。初回、東出の内野安打、梵のバント、赤松の先制ライト前タイムリー、ヒューバーのレフト前ヒット、廣瀬と石井琢のタイムリーで一気に3点を奪われた。続く2回表、ヒットの梵を赤松が内野ゴロで二塁に進め、ヒューバーの二塁打でさらに1点を失う。3回表にはヒットの廣瀬を塁に置き、岩本にライトスタンドへの2ランを打たれ、6失点でこの回限りで上園はマウンドを降りた。タイガース打線の反撃は3回裏。それまで抑えられていた篠田から1死のあと、浅井と代打狩野が連続ヒットでチャンスを作り、鳥谷の四球で満塁に。平野の投手強襲のヒットでまず1点。さらにマートンの投手ゴロの間に狩野が生還して2点目。期待は4番新井に集まったが、新井はサードゴロで一気に追いつくことができなかった。タイガースは4回表から西村と渡辺が2イニングずつしっかり抑える。それに応えるように7回裏、先頭の浅井が二塁打。代打関本に対しカープは二番手梅津を送り、関本はショートゴロでランナーを進める。続く鳥谷には四番手ベイルが対する。ここで浅井が三塁へ盗塁し、鳥谷のショートゴロで生還して3点差に。8回表には藤原がマウンドに。2死から東出にレフト前ヒットを許し、打者梵の時に藤原のセットしたグラブが動き、ボークを取られる。二塁に進んだ東出を梵がライト前にタイムリー。ライトマートンのバックホーム送球はかすかに城島のミットの下をすり抜け、タッチアウトならず。大きな1点を入れられた。8回から登板した岸本に、9回裏のタイガース打線は食い下がる。1死から城島がヒット。代走に上本が入る。上本の足を警戒して全身守備を取ったカープの外野のシフトをあざ笑うように、浅井のライトフライはライト廣瀬の頭上を越え、上本が生還して1点を返した。代打には前日のサヨナラ勝ちの立役者林が立つが、セカンドゴロ。続く鳥谷もライトフライで試合終了。前日の再現はならなかったが、最後に見せた粘りを後半戦にもつないでいってほしい。
◎フレッシュオールスター
 育成枠から支配下登録に復帰した森田が先制の犠牲フライを放つ。高卒ルーキーの秋山は1イニングを投げて三人で切ってとった。ほかに田上、横山も出場。残念なが表彰選手はなし。
◎オールスター第1戦
 城島が古巣のヤフードームで代打二塁打を放つ。マートン、ブラゼルも1安打ずつ。平野はノーヒット。藤川球が9回裏に登板し、三者空振三振で貫禄を見せた。表彰選手はなし。試合前のホームランダービーで城島が優勝した。
◎オールスター第2戦
 ブラゼルが1点差で負けていた8回裏に同点のソロホームランをバックスクリーンに叩き込んだ(投手・川岸<E>)。久保が86Kmの超遅球パームを披露するなどして2イニングを完全に抑えこむ。平野はバファローズ時代に守って以来のショートを守り、エラーもあったが慣れない守備位置で派手な送球シーンを見せてくれた。城島はホークス時代の後輩杉内に内野フライに打ち取られた。マートンはノーヒット。表彰選手は、ベストピッチ賞の久保。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ 来日初完封はみごと。ストライクを先行させ、速球を織り交ぜながらの投球で結果を残している。逆転優勝に欠かせない投手になってきた。
野手……鳥谷敬 打撃不振が続いているが、延長戦での逆転サヨナラホームランは、鳥谷の勝負強さを存分に見せてくれた。オールスター休みの間にうまく調整して後半戦はコンスタントに活躍してほしいものだ。

 オールスターではタイガース勢がそれぞれに結果を出し、セ・リーグの代表に恥じない活躍を見せた。オールスターで目立ったチームは後半戦活躍する。特にジャイアンツの投手陣はそれぞれ失点したのに対し、タイガースは久保も藤川球も無失点。この辻占はあたるぞきっと。後半戦最初の6連戦は甲子園でベイスターズとドラゴンズ。私も久々に甲子園で応援する予定。長期ロードに出る前のホームゲームで勢いをつけていってほしいものだ。先発ローテーションに新たに若竹も入ってくるという。「育てながら勝つ」を実践し、ぜひ首位に立ってほしいものだ。

(2010年7月26日記)


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