マツダズームズームスタジアムのカープ戦は低調だった打線が爆発。城島、桜井、狩野のレフトスタンド3連発で連敗を脱出し雨中止を挟んで1勝1敗。京セラドーム大阪で9連勝中のスワローズを迎え撃ち、初戦は勢いにのまれて10連勝目を許したが、残りは打ち勝ち2勝1敗。今節は3勝2敗。通算56勝43敗2分で勝率.566。首位に返り咲き、2位ジャイアンツとはゲーム差なし。
◎カープ13回戦……6−7
タイガースの先発メッセンジャーが誤算。初回、梵と赤松に連打を浴び、栗原のショートゴロを鳥谷が後ろにそらす間に梵が生還、赤松も三塁へ進む。廣瀬の犠牲フライであっけなく2点目を献上した。タイガースはカープの先発左腕篠田を3回表にとらえる。四球の鳥谷を塁に置き、ブラゼルが同点の2ランをライトスタンドに叩き込んだ。それでもメッセンジャーは持ちこたえられない。4回裏、廣瀬と嶋に連続四球を与え、岩本のバントで1死二三塁に。石原を敬遠して満塁とし、投手の篠田と勝負。なんと篠田は右中間を破る三塁打で走者一掃。さらに東出にも犠牲フライを打たれてこの回4点を献上した。タイガースは7回表、マートンのライトスタンド前列へのソロホームランで反撃開始。ところが7回裏、三番手の安藤が三塁打の梵を塁に置き、栗原の二塁打ですぐにその1点をはきだした。タイガースはしつこく反撃。8回表、二番手大島から四球の金本を塁に置いて城島がレフトスタンドに2ラン。9回表には四番手チュークから四球で出た平野を新井の左中間へのタイムリー二塁打で返して1点差に迫ったが、反撃もそこまで。敗れはしたが、打線の復調を見せてくれるという収穫があった。
◎カープ14回表……10−6
タイガースの先発久保が乱調。初回、いきなり先頭の東出に三塁打を打たれ、梵のレフト前ヒットで先制される。続く嶋にもライトオーバーの二塁打を打たれ、2点目を献上。栗原のヒットで無死一三塁とされるも、廣瀬と赤松を浅いフライに打ち取り、岩本も一塁ゴロでなんとか2失点にとどめた。2回表、タイガースはスタルツからすぐに反撃。城島がレフトポールをまく場外ソロホームランで1点差とする。3回裏、四球の栗原を塁に置き、廣瀬の二塁打で二三塁とされ、ワイルドピッチで3点目を与える。6回表、タイガースの集中豪打が出た。先頭のブラゼルが死球、金本がライト前ヒットで続き、城島のレフトスタンドへの3ランで逆転。続く桜井もレフトスタンドに運び、代打狩野もライトスタンド最上段に。三者連続ホームランは2003年の濱中、アリアス、片岡以来の快挙。マートンと鳥谷もヒットで続き、新井の2点タイムリーでこの回一挙7点。6回裏、二番手藤原が二塁打の石原を塁に置き、梵の二塁打で1点を返されると、7回表、二番手梅津を攻めたて2死一二塁とし、三番手小島から平野がレフト前タイムリーでまた突き放す。7回裏、三番手西村が廣瀬にソロホームランを打たれたが、8回表、四番手岸本から新井が左中間スタンドにソロホームランをぶち込みまた突き放す。9回裏、四番手久保田が二塁打の嶋を塁に置き、廣瀬の内野安打を三塁の新井が悪送球して1点を失ったが、あと一人という場面で藤川球を投入。赤松をセンターフライに打ち取って試合終了。連敗は5でストップ。ヒーローインタビューはマリーンズ時代、新人王をとった年以来のシーズン10勝を記録した久保。
◎スワローズ15回戦……6−9
9連勝中で勢いのあるスワローズ相手に鶴が先発ではしんどかろうと思ったら、やはり初回に先制された。ヒットの青木を田中浩が送り、ホワイトセルのライト前ヒットでまず1点。畠山のセンターフライはマートンがすべりこんで取ろうとして後ろにはじき二塁打となり、ホワイトセルが生還して2点目を失った。スワローズの先発は館山。1回裏、タイガースも反撃。マートンのヒットに続き、平野のバントが内野安打となってチャンスを作る。鳥谷はショートゴロ併殺に倒れたがマートンが三塁に残り、新井のセンターオーバーの二塁打で1点を返した。しかし、後続を断たれて同点にできなかったのがあとまで響く。2回表、ヒットの川本を館山に送られ、青木のレフト横への二塁打ですぐに1点を返された。3回から5回までは先発両投手が踏ん張り試合は膠着状態になった。しかし、6回表に大きく動く。先頭の畠山に死球を与え、武内にライト前ヒットを打たれたところで鶴は降板。二番手の川崎は川端を三振にとったが、三番手の渡辺亮が大誤算。川本の犠牲フライで1点を奪われたが、ここまでは想定内。誤算は投手の館山にライト線にタイムリーを打たれたこと。一塁があいたので青木を敬遠したが、田中浩にレフトスタンドに3ランを打たれる大誤算でこの回5失点。渡辺亮は二軍で再調整となる。6回裏、マートンのレフトスタンドへのソロホームランで2点目をとり、7回裏、城島と代打桧山の連打でチャンスを作り、マートンのタイムリーで3点目。ここで館山は降板して渡辺恒にスイッチ。8回裏、新井とブラゼルが連打。金本のセンターオーバーのヒットは外野がもたつく間に一気に三塁を陥れる長打になり、5点目。城島もセンター前ヒットで続いて6点目を入れ、なんと気がつけば2点差。タイガースの中継ぎは渡辺亮と安藤が7〜8回をなんとか抑え、逆転に向けて9回表、藤原がマウンドに。藤原は2死から武内にレフト線に二塁打を打たれ、川端の鈍い当たりのゴロは三遊間を破り大きな1点を失う。9回裏、3点差を追うタイガースは平野のセンター前ヒットと新井の死球で大きく盛り上がったが、ブラゼルがサードフライに倒れて試合終了。スワローズの勢いに押された試合であった。ジャイアンツの勝利で、また2位に。
◎スワローズ16回戦……4−3
先発はスタンリッジと若い赤川。1回裏、タイガースが赤川をつかまえる。ヒットのマートンを平野が送り、鳥谷のショート強襲のヒットで一三塁に。新井のショートゴロはヒットエンドランで鳥谷がいち早く二塁に進んだため併殺とならずマートンが生還してまず1点先制。3回裏、マートンがヒットで出塁し、平野がまたも送り、鳥谷は死球。新井のレフト前ヒットでマートンが生還して2点目。続くブラゼルはバットを折りながらセンター前に運び鳥谷がホームインして3点目。スタンリッジは5回まではカープを有効に使いスワローズ打線を寄せ付けず。6回表、田中のヒットとホワイトセルへの四球でピンチを作ったが畠山をライトフライに打ち取りなんとかしのいだ。6回裏、金本が二塁線へ二塁打を放つと、城島がライト前に運んで代走藤川俊が一気にホームインして4点目。7回表、スタンリッジは限界。相川にヒットを打たれ宮本にも四球で無死一二塁となり、川崎に交代。川アは代打デントナに右中間を破られまず1点を失う。すぐに三番手西村が登板。代打飯原に四球を与えて満塁とし、田中のライトへの犠牲フライで2点目を失った。8回表には四番手久保田がホワイトセルにライトスタンドに運ばれ1点差に詰め寄られたが、後続を断ち、9回表、藤川球は飯原への四球と青木の三塁内野安打で1死一二塁とされたが、田中をショートゴロ併殺に打ち取って逃げ切った。勢いのあるスワローズが押してくるのをなんとか断ちきったところは、さすが首位争いをしているチームの地力。ヒーローインタビューは先発勝利のスタンリッジ。
◎スワローズ17回戦……9−6
先発は下柳とバーネット。先制したのはスワローズ。2回表、相川のレフトスタンドへのソロホームランが飛び出した。しかし、タイガースもすぐに反撃。2回裏、新井が左中間スタンドに同点のソロホームラン。金本のあたりはファールゾーンの天井に当たりフェアゾーンに戻ってきてグランドルールではこれはフェアになるが、一塁塁審がすぐにファールのジャッジを下したため判定をめぐり試合は中断。結局ミスをそのまま認めてファールと判定。打ち直しとなり、金本はライトスタンド最前列にソロホームラン。あっさりと逆転した。3回裏、マートンが右中間スタンドにソロホームランを放ち、平野のライト線への三塁打と鳥谷の四球で無死一三塁。ここで新井は三振したがブラゼルがセンター前にタイムリー。鳥谷は三塁に進み、金本のセンター前ヒットで返ってこの回3点。しかし下柳は4回表に崩れた。1死から宮本に右中間を破る二塁打を浴びると、続く川端にも左中間を破る二塁打で1点を失う。さらに代打デントナにもライトオーバーの二塁打でこの回2点目。2点差に詰め寄られた。勢いのあるスワローズ打線は5回表、飯原、ホワイトセルの連打で下柳をノックアウト。下柳はここで降板。二軍で再調整することになった。二番手安藤から山岸のバントで1死二三塁。相川の同点タイムリーが飛び出し、試合は振り出しに。続く6回表、三番手西村はデントナのソロホームランでついに勝ち越しを許す。スワローズは二番手山岸と三番手増渕の好投でタイガース打線を封じこめていたが、8回裏、四番手松岡が誤算。新井の二塁打とブラゼルのショートゴロを川端が弾き無死一二塁。ここで金本がライト前に同点タイムリーを放ち、一三塁とすると、城島が左中間に勝ち越しのタイムリー二塁打。林と関本は凡退したが、マートンが右中間に二塁打を放ち2点のダメ押し。このかい一気に4点を奪い試合をひっくり返した。7〜8回を久保田が無失点で抑えて勝ち投手に。9回表は藤川が福地のヒットだけに抑えて試合を締めた。ジャイアンツが敗れたため、またも首位に返り咲き。ヒーローインタビューは同点打の城島と勝ち越し打の金本。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ 勢いのあるスワローズ打線を見事に止めた。さすがに途中で息切れしたが、勢いを止めるというのはそれだけ大変ということ。それをやってのけたのはたいしたもの。ヒーローインタビューで披露した「カミサマハワタシノチカラデス」は関西人には受けなかったが。
野手……城島健司 夏男がパワー全開。マツダスタジアムでのホームラン連発、京セラドームでのここぞという場面でのタイムリーと効果的な打点をあげて首位奪回の牽引車となった。
次節はローテーションの再編を行い、二軍から高卒ルーキーの秋山や中継ぎで貢献してきた江草を先発要員として引き上げるという。能見が帰ってくるまでまだ少し間があるだけに、ここをなんとかしのいでほしい。長野と横浜でベイスターズ3連戦。ここで勢いをつけて東京ドームでのジャイアンツとの直接対決に臨んでほしいものである。
(2010年8月16日記)