愛すれどTigers


甲子園決戦でジャイアンツに勝ち越し

 横浜スタジアムのベイスターズ戦にまさかまさかの2連敗。失うもののない強さというのか。それでもなんとか久保の好投などで連敗をストップさせ1勝2敗。甲子園にもどり眼下の敵ジャイアンツに引導を渡すべく臨み、能見、秋山がそれぞれ好投して勝ち越し。メッセンジャーに先発の一角を任さねばならないのは心もとない。このカード2勝1敗で、今節は3勝3敗。通算71勝57敗3分で勝率.555。首位のドラゴンズに1.5差の2位。

◎ベイスターズ19回戦……3−6
 タイガースの先発スタンリッジは初回は快調な投球。2回表、タイガース打線が清水をたたく。ブラゼルがスコアボード直撃のソロホームランで先制すれば、続いて城島がレフトスタンドに叩き込む。ところが、この直後雨がきつくなり、30分ほど中断。これがスタンリッジの感覚を乱した。2回裏、スレッジを歩かせ下園の二塁打で2死二三塁。あえて橋本と勝負に行き、ライト前に同点となる2点タイムリーを打たれた。3回表、ヒットのマートンを平野が送り、新井のレフト前タイムリーで1点リードしたが、直後の3回裏、四球の内川を塁に置き、村田にレフトスタンドに逆転2ランを打たれた。さらに4回裏、下園に四球を与え、橋本を歩かせ、清水のバントで二三塁とされて内川のショートへの内野安打で1点を追加され、スタンリッジはまさかの5回5失点で降板。タイガース打線は4回以降清水を打ちあぐねる。6回裏、二番手西村が先頭のカスティーヨにヒットを許し、橋本のタイムリーで決定的な6点目を奪われた。ベイスターズは7回以降江尻、加藤、真田、山口と小刻みな継投でタイガース打線を抑えこみ、タイガースにとっては大きな負け星がついた。
◎ベイスターズ20回戦……5−7
 先発の下柳が大誤算。初回、ヒットの内川と四球の村田を塁に置き、スレッジのレフト線への二塁打で2点を先制される。直後の2回表、ベイスターズの若い先発田中からブラゼルがライトスタンドへ2試合連続のソロホームランを打ち1点差としたが、2回裏、下柳はその打線の援護にこたえられない。井出のヒットの後、新沼はショートゴロで井出を二封したが、田中のバントを城島が二塁に悪送球、内川のセンター前に落ちるヒットで満塁とされ、石川にライトフェンス直撃の走者一掃の三塁打を打たれて3点を失う。ハーパーの犠牲フライで石川も生還させ、村田に四球を与えてこの回5失点でマウンドを降りた。二番手の渡辺はスレッジにも四球。カスティーヨのタイムリーでこの回6失点目。3回以降、渡辺も立ち直り、福原、能見、久保田とつぎこんでベイスターズ打線を抑えこみ、タイガース打線の奮起を待つ。7回表、ついに田中をとらえる。マートンと平野の連続二塁打で1点を返すと、ベイスターズは田中をあきらめ小刻みな継投。二番手江尻から鳥谷が四球。三番手加藤からブラゼルがライト前にタイムリーを放ち、4番手真田から城島が二塁打。代打林がライト線へ2点タイムリー、マートンもタイムリーを放ち2点差まで迫るが、反撃もここまで、牛田、山口の継投にかわされまさかの2連敗を喫してしまった。
◎ベイスターズ21回戦……2−1
 タイガース久保とベイスターズ加賀の投手戦。コントロールを自在に操る久保に対し、荒れ球で狙いを絞れない加賀が対照的な投球をする。試合が動いたのは7回裏、ハーパーがライトスタンドに特大のソロホームラン。久保唯一の失投をとらえられた。しかし、この1点が逆に加賀の心境に変化をきたしたか。8回表、マートンのヒットでチャンスを作ると、平野が送り鳥谷がライトフェンス上部に当たる三塁打で代走の大和を返して同点に。続く新井がセンターへ犠牲フライを放って勝ち越した。8回裏は久保田が井出と内川を連続三振に取るなど三者凡退。9回表には藤川球が2死から松本に内野安打を許したが下園を打ち取りゲームセット。連敗をストップさせて甲子園のジャイアンツ戦に臨むことができた。ヒーローインタビューは先発勝利の久保。
◎ジャイアンツ20回戦……1−0
 タイガース能見はジャイアンツ打線を鋭い変化球で翻弄。ゴンザレスも低めのスライダーでタイガース打線を抑え、手に汗握る投手戦に。7回裏、代打金本の右中間への二塁打に続き、藤川俊のライトフライで代走の上本が三塁へ。そして代打の切り札の桧山がライト前に決勝タイムリー。8回表は久保田が松本、小笠原への連続三振を含む三者凡退、9回表は藤川球が阿部と矢野に連打を浴びたが、バント失敗の後の古城のセンター前に抜けそうな当たりを平野が好捕して併殺に。そして脇谷を三振に打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝タイムリーの桧山と久々の先発勝利を飾った能見。
◎ジャイアンツ21回戦……4−6
 先発のメッセンジャーが大誤算。初回、坂本と松本の連打の後、小笠原とラミレスはフライに打ち取ったもののいい当たり。阿部のレフトオーバーの二塁打で2点を先制されると、矢野にもタイムリーを打たれ、エドガーにもヒットで続かれ、脇谷の左中間への2点二塁打でいきなり5点を失った。2回表には松本に二塁打、小笠原のヒットで三塁に進められ、ラミレスに犠牲フライを打たれて2回6失点でマウンドを降りた。タイガース乗り理不尽はこのあと、福原、渡辺が2回ずつ、西村が9回途中まで投げ残りは筒井が締めて、3回以降ジャイアンツ打線を封じる。タイガース打線は3回裏に先発藤井からマートンがホームランを放ち、そのあとも毎回ランナーを出しながらなかなか点が取れず。原監督は藤井を4回で引っ込めて山口をロングリリーフさせる。この山口にてこずりなかなか点が取れない。6回裏、城島のヒットと藤川俊の二塁打でチャンスを作り、関本のファーストゴロの間に1点をとるのがやっと。8回裏には三番手久保からブラゼルがレフトスタンドに一発。9回裏には抑えのクルーンからヒットの桧山を塁に置き(代走大和)、鳥谷のタイムリーで2点差に迫ったが、反撃もそこまで。メッセンジャーの乱調が最後まで響いた。
◎ジャイアンツ22回戦……4−2
 タイガースの先発秋山は、初回、先頭の坂本にヒットを打たれ、松本のバントで二塁を許し、ラミレスのセンターオーバーの二塁打で先制された。さらに3回表、またもや坂本にヒットを打たれ、今度は小笠原のタイムリーで2点目を許す。しかし、タイガースも怪我から久々に復帰のグライシンガーを攻めたてる。3回裏、ヒットの坂を秋山が送り、平野のセンター前へのタイムリーで返して1点差にした。この1点が効いて、4回裏には投手直撃の内野安打を放った新井を塁に置き、林がライトスタンドに逆転2ラン。グライシンガーはここでKO。ジャイアンツは高木、マイケル、山口の継投でタイガースの追加点を許さず。しかし秋山も6回を勝ち越したまま投げ切り、久保田につなぐ。久保田は7回と8回を高橋由、ラミレスの三振などで無失点で切り抜け、8回裏、五番手越智から城島がレフトスタンドへ勝利を決定づけるソロホームランを放ち、9回表の藤川球に託す。藤川球は代打谷と坂本を三振に取るなどして締め、重要なこのカードを勝ち越しで決めた。ヒーローインタビューは逆転ホームランの林、中継ぎで好投の久保田、そしてジャイアンツ戦初勝利の秋山。

愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 足の甲の骨折で3ヶ月以上を棒に振ったが、このジャイアンツ戦の勝利で少しはお返しをしてくれた。なんといっても、自信に充ち溢れた投球は久保以上にエースの風格を感じさせる。今後、久保と並ぶ柱としての活躍に期待大だ。
野手……桧山進次郎 負けられないジャイアンツ戦の緒戦に、素晴らしい決勝タイムリー。この一打が今季のタイガースを救ったといっても過言ではないだろう。一時ヒットが出ずに悩んでいたが、代打の神様は健在である。

 次節はついに首位ドラゴンズとの最後の3連戦。鬼門ナゴヤドームとかなんとかいってる場合ではないのだ。スタンリッジ、久保。能見の三本柱でいてまうのだ。一日おいて甲子園でカープ戦が1試合。その後の日程はとびとびとなる。つまりローテーションに余裕ができる。だからこそ、このドラゴンズ戦の持つ意味はますます大きい。括目して待つぞ。

(2010年9月20日記)


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